2019年12月19日木曜日

かってに予告編 ~東京フィルハーモニー交響楽団 令和元年特別「第九」演奏会

●東京フィルハーモニー交響楽団 令和元年特別「第九」演奏会

2019年12月
  19日(木)19:00開演 会場:東京オペラシティコンサートホール
  20日(金)19:00開演 会場:Bunkamuraオーチャードホール
  21日(土)19:00開演 会場:サントリーホール 大ホール

指揮:チョン・ミョンフン
独唱:吉田珠代(ソプラノ)、中島郁子(アルト)清水徹太郎(テノール)、上江隼人(バリトン)
合唱:新国立劇場合唱団、多摩ファミリーシンガーズ(児童合唱)
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

ベートーヴェン:交響曲第九番 ニ短調 Op.125 「合唱」
エルガー:「戴冠式頌歌」より 第六曲「希望と栄光の国」

間もなく迎える2020年1月から新たなシーズンを迎える東京フィルハーモニー交響楽団は、昨年から今年にかけてシーズンの区切りを変更するにあたり、この一年を平成から令和への改元を祝う、変化の一年を寿ぐシーズンとして位置づけるかのように演奏会を行ってきた。そんな”一連のシリーズ”を締めくくるためだろうか、年末の第九公演もまたその一環として独自のプログラムで開催される。

新シーズンも見据えれば、チョン・ミョンフンが東京フィルとオーケストラの中核的なレパートリィをあらためて取り上げることでさらなる高みを目指していることは容易に察せられよう。2020年シーズンには「カルメン」、ベートーヴェンとマーラーの第三番を演奏するチョン・ミョンフンと東京フィルがその直前に披露する「第九」が、通例通りの年末イヴェントに収まるだろうか、いやない。SNSで東京フィルが伝えてくれているリハーサルからの言葉からも、その見識、意気込みのほどが伝わってくる。


(コメント全文はFacebookでご覧ください)


さて、先日私が秋山と東響の第九について書いた際に言及したことを今一度思い出してほしい。「今年は、東京のオーケストラにポストを持つマエストロたちによる、期待せざるを得ない公演がある」、「過去にいくつもの演奏会で強い印象を残してくれたマエストロと楽団の顔合わせで、この作品を体験できる機会はそう多くない」。そう、この公演もその意味合いから見逃すことのできない公演のひとつ、なのだ。

チョン・ミョンフンは、かつて東京フィルとベートーヴェンの交響曲全集を録音しているが、それはある意味でオーケストラの”統合の象徴”のような意味合いがあった。今となっては「彼の指揮だから、当時の合併直後のオーケストラでもここまで登ることが出来た」という記録にも思える。バッティストーニと首席指揮者に迎え、プレトニョフや自身との演奏会でより充実を見せるオーケストラとなら、果たしてどこまで行けるのか。そんな私たちの期待は、そのままマエストロと東京フィルのものでもあるだろう。
東京フィルの演奏は、第九のあとにも恒例の東急ジルベスターコンサートやニューイヤーコンサート、そしてNHKニューイヤーオペラなどで聴くこともできるのだけれど、まずはこの機会を逃す手はない、と私は思う。10年以上も前のレコーディングとは比べようもない、今のチョン・ミョンフンと東京フィルだからできる「第九」を、どれだけ高い期待で迎えても裏切られることはない。そう私から断言しておこう

なお、今回第九のあとに演奏されるエルガー:「戴冠式頌歌」より 第六曲「希望と栄光の国」は、みなさんもよくご存知の作品の原曲である。そうそう、開幕公演のバッティストーニのコンサートではアンコールに演奏していたことを思い出すなら、チョン・ミョンフンがシーズンの締めくくりにこの曲を演奏することに一層の感慨があるだろう。加えて言及しておくならば、今年退位した、マエストロの音楽的友人である上皇ご夫妻への思いもここにはあるのだろう。この一年だけではなく、この何十年かへの思いを乗せた、特別な演奏会を私も気合を入れて聴かせていただこうと思う。


(余計なお世話とは思うけれど、今回演奏されるのはこの曲の原曲)

ということで、私にとってこれまで経験のない年末二回目の「第九」に向けて、期待は高まる一方である。先日の秋山と東響は14型だったが、チョン・ミョンフンと東京フィルはこの顔合わせのことだから大編成のモダン編成だと推測していいだろう。で、私の三回目の「第九」は…という話はまた次回に。ではまた。

※12/20のオーチャードホールでの公演は僅少ながらまだ残席があるとのことなので、この機会を逃したくない方は、ぜひ。

追記。
「第九のあとに別の曲を演奏する機会はもうないでしょう」とマエストロが語られた、という話をSNSでみました。さもありなん、とは思いますが、初日の好演を聴いたあとに私が「それなら」という思いでこれを聴いておりました。今年だからこそのプログラムに、この季節だから許されることとして。


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