2017年3月31日金曜日

ライナー・キュッヒル、N響ゲスト・コンサートマスター就任

こんにちは。千葉です。
オーケストラの人事のお知らせ。

●ライナー・キュッヒル氏のゲスト・コンサートマスター就任について

ウィーン・フィルの顔として長く活躍されたライナー・キュッヒル氏が4月からNHK交響楽団のゲストコンサートマスターに就任されます。オーケストラとは、これまでもソリストとして、またコンサートマスターとして共演を重ねてきた彼が、正式にポストに就くことでもたらされるものも多いことでしょう。

このタイミングでの就任とあって、4月1日&4日に開催される東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.8『ニーベルングの指環』 第3日 《神々の黄昏》がお披露目公演となるわけですね。オペラ上演の経験豊富な彼の参加は、パーヴォさんとは違った形でN響を変えていくのでしょう。今後のご活躍を期待します。

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キュッヒルさんには、こんなコンサートの御礼を申し上げたい気持ちが出身者としてございます。その節はありがとうございました。


また、クラシカ・ジャパンがケーブル局に配信している番組を偶然に見かけた際にかなり痛烈なお話をされていたのも紹介したいけれど、残念ながら動画は配信されていない模様(番組案内はリンク先でどうぞ)。機会がありましたらぜひご覧ください、ウィットとはこういうものかと痛感しましたので。

ではご案内はおしまい、ごきげんよう。

※追記。指揮者がグスターボ・ヒメノからクリスティアン・アルミンクに変更されたN響オーチャード定期第93回にて、ライナー・キュッヒルがコンサートマスターとして登場することがアナウンスされました。曲目が「シェエラザード」ということもあって、新たなゲストコンサートマスターの勇姿を存分にお楽しみいただける公演となるでしょう。詳しくはリンク先にてご確認くださいませ。

フィルハーモニア管弦楽団の首席客演指揮者にフルシャ、ロウヴァリ

こんにちは。千葉です。
オーケストラの人事ニュースです。

●THE PHILHARMONIA ANNOUNCES TWO PRINCIPAL GUEST CONDUCTORS: JAKUB HRŮŠA AND SANTTU-MATIAS ROUVALI

5月に来日公演を行うフィルハーモニア管弦楽団の話ですし、就任が決まった指揮者ふたりと日本のオーケストラはご縁がありますから、ということでご紹介。2010年にサー・チャールズ・マッケラスが亡くなって以来空位となっていた首席客演指揮者ポストに、若い二人の指揮者を選びました、というニュースです。

一人はヤクブ・フルシャ、ええ、東京都交響楽団の首席客演指揮者を今シーズンまで務めるまさにその彼です。



そしてもうひとりはサントゥ・マティアス・ロウヴァリ、2014年に東京交響楽団に客演し、今年は5月にフィンランド・タンペレ・フィルハーモニー管弦楽団を率いて来日します。2017-18シーズンからはイェーテボリ交響楽団の首席指揮者にもなる、という。



すでにインタヴューがある辺り、手回しの良さは流石だな、なんて本筋と関係ないことを少し考えてしまいます(笑)。さらに「これでサロネンは作曲ができると思っているのだろうなあ」なんて意地の悪いことを思わなくもないのですが(いい加減にしろ)、ニュートラルなオーケストラを、まだ30代のこの二人がどんな色に染めるのかは、なかなか興味深いところです。

でもその前にサロネンさん、お願いしますよ…



と、もうちょっとサロネンの活躍を期待したい気持ちのあるファン心理を率直に申し上げたところでこの記事はおしまい。

ではまた、ごきげんよう。

2017年3月30日木曜日

フェスタサマーミューザ2017 ラインナップ発表

こんにちは。千葉です。
市民として取材してまいりました。


フェスタサマーミューザ、13回目のラインナップ発表です。より詳しい情報は、公式サイトで隈なくご覧ください!(笑)


と、これだけで逃げるつもりはまったくございませんで、いま現在プログラムを細部まで見て、聴き所はこれですよ!という第二弾記事を用意しております。もう少々お待ちくださいませ。



…それでも一つだけ、どうしても言いたい!「オープニングコンサートは今年もノット&東響、浄夜と春祭だぞーっ だぞー ダゾー」とだけは!これを聴かずしてどうします!!

プログラムを読んだ上でお出しする記事にもこの公演に触れますが、これは!と会見の場で見た瞬間に何かのスイッチが入って、今もそのままのような気がします。とりあえず7月までがんばるぞー、8月も乗り切るぞー、とやる気になっている私でありました。

彼にカメラ目線でプレッシャをかけられましたしね!(それ違う)

ではまた、ごきげんよう。


サントリー芸術財団 サマーフェスティバル2017情報公開

こんにちは。千葉です。
さて毎年恒例、サントリー芸術財団主催のいわゆる現代音楽のフェスティヴァル、情報公開です。

●サマーフェスティバル2017

9月初頭に開催されるこの音楽祭は今回で満30年、「ザ・プロデューサーズ・シリーズ」「サントリーホール 国際作曲委嘱シリーズ」「芥川作曲賞 選考演奏会」の三本柱で成り立っています。

今年のスケジュールは以下のとおり。

まず片山杜秀の「ザ・プロデューサーズ・シリーズ」、題して”片山杜秀がひらく<日本再発見>”が3日、4日、6日、10日開催。
サントリーホール 国際作曲委嘱シリーズ No.40のテーマ作曲家はゲオルク・フリードリヒ・ハースで、演奏会は7日、11日。
そして第27回の芥川作曲賞 選考演奏会は2日に開催されます。

私のオススメは、やはりと言っては何ですが片山杜秀さんによる20世紀邦人作曲家シリーズが気になります。…と言いますかですね、このフェス以外、どこでオール・大澤壽人・プログラムに出会えましょう?(笑)
近年、なんとなく復活しつつある大戦期の作品とはまた違う、意識的・意志的な受容を可能にしてくれるこのフェスティヴァル、休館明けて最初のサントリーホール詣でに如何ですか、新鮮な響きでリニューアル後の状態もすぐにわかりましょうし。

と、冗談抜きで申し上げてご案内はおしまい。
ではまた、ごきげんよう。

2017年3月29日水曜日

東京・春・音楽祭「神々の黄昏」出演者変更

こんにちは。千葉です。
出演者変更は、起きてほしくはないけれど、人間の事ゆえ残念ながら起きうることでございます。であればそのすべてを追うことも難しく、私が個人で情報を集めるのも困難ですが、この春注目の音楽祭の、目玉公演でございます故ここにご案内します。

●東京春祭ワーグナー・シリーズvol.8《神々の黄昏》出演者変更のお知らせ

ここで告知のあった変更により、4月1日、4日に上演される東京・春・音楽祭の「神々の黄昏」は以下の布陣となりました。

指揮:マレク・ヤノフスキ
管弦楽:NHK交響楽団
  ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル
合唱:東京オペラシンガーズ(合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン

キャスト:

ジークフリート:アーノルド・ベズイエン ※ロバート・ディーン・スミスから変更されました
グンター:マルクス・アイヒェ
ハーゲン:アイン・アンガー
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ブリュンヒルデ:レベッカ・ティーム(4月1日)/クリスティアーネ・リボール(4月4日) ※両日ともクリスティアーネ・リボールの予定でした
グートルーネ:レジーネ・ハングラー
ヴァルトラウテ:エリーザベト・クールマン
第1のノルン:金子美香
第2のノルン: 秋本悠希
第3のノルン:藤谷佳奈枝
ヴォークリンデ:小川里美
ヴェルグンデ:秋本悠希
フロースヒルデ:金子美香

映像:田尾下哲

メインキャストの変更は残念ではありますが、チクルス最終年度として熱のこもったリハーサルが日々続いている旨、東京・春・音楽祭は発信しています。ワーグナーシリーズの他にも数多くの公演が連日開催されている”上野の音楽祭”、絶賛開催中です。詳しいスケジュールはリンク先でご覧くださいませ。



以上ご案内のみにて。ではまた、ごきげんよう。

ライナー・クスマウル(ヴァイオリニスト)死去

こんにちは。千葉です。
またしても訃報です…

●Death of Rainer Kussmaul

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を好きな人ならば、コンサートマスターとして活躍した彼の姿を覚えていらっしゃるでしょう。カラヤン亡き後にクラウディオ・アバド時代の、メンバー側の”顔”の一人でしたから。



ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のコンサートマスターとして1993年から1998年まで活躍し、1995年にはベルリン・バロック・ゾリステン(Berlin Barock Soloistsとも)を設立し、モダンオーケストラ奏者の頂点を極めつつ古楽奏法にも通暁した、実に”現代的”なヴァイオリニストでした。現在ならそうしたアプローチは普通になってきましたが、20世紀のうちにそれを最高のレヴェルで成し遂げた彼は、時代の変化を体現した存在として活躍を続けてくれました。

晩年にはかつても活躍した教育者としての仕事にも注力されていたようです。1946年生まれとのことですから、70歳での逝去となります。お疲れ様でした、合掌。



ではまた、ごきげんよう。

※追記。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の日本語アカウントの日本語運用、あまりにまっとうすぎてなんと申しますか、いちおう物を書いている私としては身が引き締まる思いでございます。いま一度合掌。



2017年3月28日火曜日

「ロイヤル・オペラ・ハウス 2016/17シネマシーズン ”ウルフ・ワークス”」3/31より上映

こんにちは。千葉です。
おなじみの”ロイヤル”劇場上映のお知らせ、今回はバレエです。

●ウルフ・ワークス(ロイヤル・オペラ・ハウス 2016/17シネマシーズン)



このタイトルですぐにこの作品をイメージできる方は相当のバレエ通でいらっしゃるかと存じます故、私のごときが申し上げるべきことはございません。各々日程をご確認の上、お近くの劇場へどうぞ!(根本的にチキンな私)

小説家、評論家として活躍したヴァージニア・ウルフの作品にインスパイアされたバレエ「ウルフ・ワークス」は、ウェイン・マグレガーの振付、マックス・リヒターの音楽による2015年の新作バレエ。「ダロウェイ夫人」「オーランドー」「波」の小説、そして彼女の日記や手紙、エッセイなども用いて構成されたという作品は高い評価を受け、今回の再演&世界への上映となった、ということですね。

こちらは再演を前にしたワークショップのライヴ配信です(ロイヤル・オペラ・ハウスの公式チャンネルはこうして記録を残してくれるのがとてもありがたい)


そしてこちらは2015年の初演時に公開されたリハーサル映像です。


音楽の方は先日CDもリリースされています。その雰囲気はマックス・リヒターの公式YouTubeチャンネルで配信されているこちらからもお察しいただける、でしょうか。




ポストクラシカルという潮流に疎い私は「アンビエント?」とか思ってしまうわけですが(古くてすみません)、この静かな響きの中でどのようにドラマを見せるのか、気になってまいりました。

昔「灯台へ」を読んだくらいで、「~なんて怖くない」も見ていない私はこの機会に見聞を広げるべきでしょう、きっと。まずはヴァージニア・ウルフの小説でも読むとしますか…(そこからなのか遠いな)といったところでご紹介はおしまい。くれぐれも、詳しくは公式サイトでご確認ください。

ではまた、ごきげんよう。

※追記。試写を拝見して参りました。
ライヴで聴くと「これは生オケが必要なのかな」と思わされがちなポストクラシカルですが、劇場上映だと距離感が適度でいいかもしれない。ハンス・ジマーっぽくもあり、しかし劇伴とは異なってアイロニカルな音楽と、ヴァージニア・ウルフの作品にインスパイアされたダンスの相性はなかなかのもの・「ダロウェイ夫人」による第一幕、「波」による第三幕は描かれるドラマがわかりやすく、「オーランドー」による第二幕は動きの面白さで見せてくれる。
舞台そのものについて言うならば、やはりアレッサンドラ・フェリの存在感が大きかった、ということになりましょう。ヴァージニア・ウルフその人を思わせる年齢相応の、しかし優雅なその動きは若者たちとは違う輝きで魅せてくれました。トレイラーをご覧になって興味が湧いた方はぜひ劇場へ、であります。

なお、私は「もっともっと、視覚の快楽を求めるべきではないか」という反省をしています。録画したバレエとか、ちゃんと見なくてはです。

2017年3月27日月曜日

読みました:佐伯茂樹「名曲の暗号」「楽器の歴史」

こんにちは。千葉です。
読了した本のご紹介。

●「名曲の暗号」
●「楽器の歴史」

出版社は違いますが、著者はどちらも佐伯茂樹さん。トロンボーンを東京藝大で学び、現在の肩書は「古楽器演奏家・音楽評論家 東京ヒストリカルブラス主宰」とありますとおり、管楽器に本当に詳しい人、というイメージで長くその著作や解説に触れてきた佐伯さんの本を、まとめて読むと発見がまた多いのですよ。

まず「名曲の暗号」(2013)から読んだのですが、こちらは副題に「楽譜の裏に隠された真実を暴く」とあるように、楽譜を手がかりにふだんは見逃されがちな作品に内包されたメッセージを読み解くものです。テューバの人だった私には常識であるところの「どうしてドヴォルザークは”新世界より”で、ほんの数小節のためにテューバを用いたのか」であるとか、「ラヴェルはどうしてあんな高域でテューバにソロを書いたのか」などの疑問、少し楽器をやっていれば何かしらあると思うんです。そういう素朴な疑問から、ちょっとした指示に隠された意図を読み解き、作品像を新たにしてくれる一冊なんです。
特にも私はマーラーが大好きなので、本書で佐伯さんが本職のトロンボーンにまつわる興味深い話を示してくれることが実に示唆的に思えてなりません。直接には第二章、「名曲に隠された死の概念を知ろう」が、マーラーのオーケストレーションを読む上で実に示唆的なんです。そもそもが教会の楽器として長く用いられてきたトロンボーンによるアンサンブルは、それ自体が「エクワーレ」として死と結びついたものなんです。

作品の中でトロンボーン・アンサンブルが印象的な活躍をするマーラーの曲、と言った時思い出す曲はありませんか皆さん。そう、私事になりますが先日上岡&新日本フィルの公開リハーサルを拝見し音楽大学フェスティバル・オーケストラの演奏を聴き、そして昨晩パーヴォ&N響の演奏が放送されたばかりの交響曲第六番ですよ。その終楽章の楽器法は実に明確にトロンボーンの含意を活用したものになっているんです。英雄的なホルンに対して死を告げるトロンボーン(とテューバ)、そこからさらに踏み込んでトランペットを黙示録的戦いを告げるものと意味づけてみてもいいかもしれない。
とかですね、私をしてこのような妄想に駆り立てる面白い情報がこれでもか、と掲載されているんです。「エクワーレ」からブラームスの第二番がその曲調とは違う性格を秘めている、とか「魔笛」序曲は前半と後半で描く世界が違う、とかどうです、面白くないですか?
…面白そうに思っていただけないとしたらそれは私の伝え方がいけないせいです、こういう話に興味のある方が読んでつまらないはずのない一冊なんです「名曲の暗号」。ただし、あとがきで佐伯さんも書かれていますが基本的に管楽器を切り口としていますので、弦楽器について解釈の切り口を求める方には物足りないかもしれない、また管楽器について最低限の知識がないと読みにくいかもしれない。というお断りは私からもしておきます。

そしてもう一冊、「楽器の歴史」(2008)は”カラー図解”と銘打たれているとおり豊富な写真で楽器の歴史、変遷を教えてくれます。特に興味深いのは第2章「この時代はこんな楽器で演奏していた」と題された章、ここではバッハ、ベートーヴェン、ワーグナー、ラヴェルの時代とウィーン・フィル特有の楽器をアンサンブル単位にまとめて紹介することで、いわゆるピリオド楽器アンサンブルの編成を教えてくれるのです。すっごく私得!(笑)
なにせ「古楽器」とかいう雑な言い回しでくくられる「作曲された時代の楽器、奏法で演奏する」アプローチはもはやWWI頃まで来ていますから、その言葉に内包されるものもあまりにも多くなってしまっている。バッハの時代の楽器でワーグナーを演奏することは面白い音を導けたとしてもそれは遊びの範疇を出られない。たとえばベートーヴェンとブラームスの違いを捉えるときに、フランス革命前後の奏法の変化を想定しなければあまり意味がない。などなど、同時代アプローチをする際に踏まえておくべき事柄は実に多いのです。もちろん、普通の意味での”歴史”も含めて。いわゆる古楽器演奏について最も重要な「どんな楽器で演奏されたのか」について、これだけコンパクトで視覚的に理解できる本はなかなかありません。アーノンクールの著作を読むのもいいけれど(いや読んでおくべきだと思うけれど)、アンサンブルのイメージを視覚的に持つことは意味があると思います。


こういう動画もいいですね。ありがたいありがたい。

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ちなみに楽器の変遷についての本はいろいろとありますので、気になった本目についた本を手に取られればそれぞれに面白い話に出会えると思いますが、私が最近知って得心したのは「絵画に書かれてきた楽器は、当時のそれをそのまま描出したものだった」という話です。天使のラッパがスライドトランペットだったり、ヘンテコな形の弦楽器に見えていたものが当時実在した特徴的な楽器だったりする、というエピソードは何で読んだのだったかな…

歴史を知るとよりクラシック音楽は面白いっすよ、とか偉そうなことを申し上げるガラでもございませんが、ここで紹介した二冊は間違いなくクラシック音楽を違う角度から見せてくれることでしょう。なお、かつてテューバを吹いていた私は「フレンチテューバとチンバッソ吹いてみたい」と思い、現在遊びでトランペットを吹く私は「長管トランペットでマーラーさらってみたい」、とか思った次第です。

では今日はこんなところです。ごきげんよう。

※追記。「名曲の暗号」で紹介されている、ラヴェルによる自作自演のボレロ、これは確かにいろいろ考えなきゃいかんですわ。トロンボーンソロ、この時点で”ジャズ風”の演奏をどうしたらいいのか本当に苦労されてます。
(これを踏まえると、ラトル&CBSOの録音の意味がわかる、ような気がしてきました)



2017年3月26日日曜日

ルイ・フレモー(指揮)死去

こんにちは。千葉です。

またしても訃報です。まずはTweetをひとつご覧ください。


バーミンガム市交響楽団といえば、我々はつい若きサイモン・ラトルとの出世譚から現在までの、先進的な取組の数々をイメージしてしまいますが、ある時期まではこのマエストロとのレコーディングがこのオーケストラの代名詞でした。1921年生まれのフランス人指揮者、95歳での大往生です。

私は幸いなことに「ノット&東響」について、リハーサルや演奏会を取材させていただいては記事を書いていますが、その際に折に触れて前任者の存在を意識させられることがあります。ユベール・スダーンの時代があって今がある、さらにその前任者秋山和慶が鍛えた時代があるから…そんな風に考えるようになった今、違った見方で彼の演奏にも触れられるような気がしています。お疲れ様でした、合掌。




3/26(27)「N響 in ベルリン/NHK交響楽団 創立90周年記念特別演奏会『一千人の交響曲』」放送

こんにちは。千葉です。放送予定のご案内ですよ。

●N響 in ベルリン/NHK交響楽団 創立90周年記念特別演奏会『一千人の交響曲』

以前紹介したNHK交響楽団の演奏会を、欧州ツアーの最初の公演、そして記念演奏会と続けて放送、です。両方曲目がマーラー、である以上見ないわけがないのです。いや毎回録画して視聴しておりますけれど。放送は26日 24:30~(27日 0:30~)、局はもちろんBSプレミアムです。

まず前半は「N響 in ベルリン」。2月28日から3月8日まで行われた欧州ツアーの初日、ベルリンのフィルハーモニーで行われた演奏会です(…どうせならケルンの最終公演か新しいホールのパリか、ツアーの調子も十分につかめただろうロンドンで収録しようよ、とは申しますまい)。
ジャニーヌ・ヤンセンを迎えたモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第三番、そしてマーラーの交響曲第六番 イ短調、いわゆる「悲劇的」です。


こちらはツアー中に行われたパーヴォさんのインタヴュー。

そして後半はNHK交響楽団の創立90周年記念特別演奏会「一千人の交響曲」として、2016年9月8日にNHKホールで開催されたコンサート(これは公演タイトルなので削りません←なんの注釈なのか)。
マーラーの交響曲第八番 変ホ長調は、第一部が賛美歌「来たれ、創造主なる精霊よ」による音響の大伽藍、そして第二部をゲーテ畢生の大作「ファウスト」第二部の終結部の音楽化と、編成のみならず構想も巨大なマーラーの代表作(なんですよ!!!)。


2013年のhr交響楽団の演奏は配信されてます。マーラー大好きパーヴォさんでありますなあ(笑)。

ご存じの方はご存知のとおり、バンダの金管に大小オルガン、ピアノに大人数の打楽器が活躍するこの作品は本当に演奏に際しては大人数の参加が求められます(それ故に、初演の際の興行主が「いける!」と思ってつけたキャッチコピーが「千人」、です。副題ではありませんのでご注意ください←マーラー火盗改メの下っ端の見解)。

ではメンバー紹介行ってみよう!(おい)ソプラノ、エリン・ウォール、アンジェラ・ミード、クラウディア・ボイル!アルト、カタリーナ・ダライマン、アンネリー・ペーボ!テノール、ミヒャエル・シャーデ!バリトン、今度は「ドン・ジョヴァンニ」だよミヒャエル・ナジ!バスはアイン・アンガー!(パチパチパチ)。そして合唱は新国立劇場合唱団、栗友会合唱団NHK東京児童合唱団。もちろん管弦楽はNHK交響楽団、そして指揮パーヴォ・ヤルヴィだ!いえい!(いい加減にしろ)

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CDがリリースされた状態での欧州ツアーは、厳しい評もありながら基本的に好評裏に終了したように見受けられます。パーヴォさんを迎えたことの意味はこれだけでもあったように思えますが(大げさではなく)、2021年までの長い契約の中でこの日視聴できる演奏以上の成果も挙げられていくことでしょう。まずは現時点での最良の仕事として、この日の放送は要チェックであります。

ということでご案内はここまで。ではまた、ごきげんよう。


聴きました:第6回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ演奏会(川崎)

こんにちは。千葉です。
伺ってきた演奏会のレポート、スピード優先でこちらに書くことにします。

●第6回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ演奏会(川崎)

2017年3月25日(土) 15:00開演

指揮:高関健
管弦楽:音楽大学フェスティバル・オーケストラ(首都圏9音楽大学+九州2音楽大学選抜オーケストラ)
【参加音楽大学】上野学園大学、国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学平成音楽大学(熊本)、大分県立芸術文化短期大学(大分)

ドビュッシー:交響詩「海」
マーラー:交響曲第六番 イ短調

さてこの日の演奏会、開演前に高関健さんによるプレトークが行われました。さて何をお話くださるかと着席して待つ間にプログラムを拝見すれば、前島良雄さんの解説が素晴らしいんですよ。A4版見開き2ページのうち、1ページ強をマーラーに割く配分はもしかすると賛否が分かれるかもしれませんが、”定説”に問題が多いマーラーの第六番である以上、仕方のないことなんです。ドビュッシーとマーラーの関係についても言及された良い解説に感心しているうち、時間が来て高関さん登場、トークが始まります。
が、高関先生曰く「話そうと考えていたことがプログラムに載っておりまして(笑)」とのことでしたが、指揮者マーラーの活動、ドビュッシーとの関係(アルマの話に触れてくれたのは個人的にヒットでした)、今回使用する楽譜について(スコアとパート譜の関係はなかなか興味深いものでした)、などなど存分に語ってくださいました。その熱弁が”若者たちが冷えた舞台に出なくていいように”という配慮だったようにも思われて、なんとも嬉しくなるプレトークでありました。

続いて登場する若き音楽家を目指す学生たち、18型の大編成は広いミューザのステージでもいっぱいいっぱいです。

<参考>

管楽器のスペースにこそ空間があるものの、舞台前方っをギリギリまで使ってやっと収まっているミューザの舞台は新鮮。より多くの学生に機会を、という配慮もあるのでしょうけれど、チェロを四パートに分ける場所もある「海」で大きめの編成は理のあることなのです。
はじめのうちはさすがに硬さも感じられたオーケストラも、明晰この上ない高関さんの指揮に落ちついたか、有名な「11時15分」ころにはよく鳴るし流れも落ちつきました。一度トゥッティで音を出せると雰囲気がつかめる、という面はあったかもしれません。ドビュッシーのスコア、”アシストなしでダンサーにトリッキィなポーズを要求する”振付のようなところがありますからね…(その昔趣味の吹奏楽で地獄を見た記憶がフラッシュバック)。そうそう、チェロパートのソリはお見事でした。
しかしよりトリッキィでソリスティックな第2楽章からは安定した音楽になり、各人のソロも綺麗に決まります。終楽章は冒頭から登場する特徴的なバスの音形も攻めた表現になって、フィナーレは大人数のオーケストラが率直に力を解放して華やかに終わります。

後半は長大なマーラー。さらに管楽器が充実し大量の打楽器が用いられる作品でステージはほんとうに埋まります。

<参考>



本当に、お疲れ様でした、とまず申し上げたい熱演でした。第一楽章が終わったところでコンサートマスターを始め、何人もの奏者が汗を拭っていた姿は印象的でした。それほどの集中を要求する、高関さんがプレトークの中で「自分が学生だった頃には演奏できなかっただろう」と評した堂々80分強の難曲を、小傷はあったとしてもやってのけた皆さんに拍手です。
上手舞台裏にカウベル、下手舞台裏に鐘を配して俗・聖の対比を空間的に示したこの演奏は、通称の「悲劇的」とは関係なく「一つの悲劇のドラマ」として成立していたと思います。ハンマーが下手側で振り降ろされるのは、その意味合いを強めるためでしょう。叩きのめされるのは俗の側であって、憧れられた超越の向こう側ではない、のですね。
演奏については第一楽章提示部のリピート部分、そして四楽章の前半がこの演奏の中でもいいところだったかと思います。

…この演奏がこの一週間のリハーサルの成果で、ベストの演奏ができたのだろう、と感じた上で少しだけ、数はそれなりに聴いてきたおじさんくさいことも書いておきます。
おそらく、演奏後に先生方が若い皆さんに指導されたのはとても基本的なことだったのではないかと推察します。それはなにも「直前に大きく変えるような指示はしない」ということではなく、「基本的なところで聴かせることができると、それだけ演奏効果も高くなる」という基本を外さないように、ということではないかな、と。
もっとお互いを聴けでも待つな、音の立ち上がりに注意して、音程に注意して……などなど、すっごく普通のことの積み重ねこそが、皆さんの演奏をさらにいいものとして聴き手に届けるためのひとつのポイントです。そしてその基本は踏まえた上で、二日目の演奏も、今回の演奏会以降も臆せず積極的な、聴き手に届く演奏をしていただければと思います。会場が変わって、短い時間でお互いの音を聴くことから二日目の演奏を作り上げる中で、きっとまた多くのことを学ばれるのでしょう。各位の健闘に期待します。
…こういうことを申し上げれば「そこなアマチュア風情が」という気持ちも湧くことだろうとは思いますけれど、「皆さんが演奏を人前でされるということは誰かに届き、その誰かがそれぞれにいろいろなことを感じた、ということなのです」と、バーンスタインに倣って禅問答のようなことを申し上げて煙に巻くといたします。

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さて、最後に高関さんの指揮について書きます。久しぶりに拝見したその指揮は、若者たちを確実に導くというミッションあってのこともあってか、迷いようもないほどに明晰なもの。かくあれ、というヴィジョンが明確に示されるその指揮ぶりはドビュッシーでもマーラーでも徹底されていて、その指揮あればこそのこの日の演奏でした。
ドビュッシーで特に印象的だったのはそのテンポ設定(とその指示)の鮮やかさです。第二楽章の緩急、第三楽章の起伏はこの音楽をより大きいものにしてくれたと感じます。
マーラーではその明晰さがより活きていました。なにより、この長い作品で今自分がどこにいるのか、どこに向かうのか、迷わせることがないのは本当にありがたいことなのです、演奏する若者たちにとっても、私たち聴衆にとっても。両端楽章での造形感の強い指揮からは、モティーフをより明確に、フレーズの方向をはっきりと描こうという意志が伝わりました。もうちょっとソリッドに響きがまとまればより多くの情報が伝わるはず、そんな隔靴掻痒が残ったことは少々残念ですが、それは次の機会を待ちたいと思います。

なお、マーラーの作品で大量に用いられる打楽器については、この日も随所で新鮮な発見がありました(たとえば第一楽章のトライアングル、あそこまで書き分けられていたのかと驚かされました)。「バスドラムとシンバルの組合せ」や、「ティンパニとバスドラムの使い分け」など、第六番にはハンマーやシンバル以外にも打楽器の聴きどころ、たくさんあるんですよ。今日聴かれる方はそのあたりも意識してみてください、旋律や構成以外にも仕掛けが本当に多いですからね、マーラー作品。

一週間のリハーサルの成果が、本日の東京芸術劇場の公演でより見事に花開きますよう、ミューザ川崎シンフォニーホールからお祈り申し上げます。

ではこれにて、ごきげんよう。

「題名のない音楽会」司会の五嶋龍が卒業、新司会者は石丸幹二

こんにちは。千葉です。ニュースです。

●「題名のない音楽会」司会の五嶋龍が卒業、新司会者は石丸幹二(Webザ・テレビジョン)

昨日の番組公開収録から一斉にメディアでの報道が始まったこちらの司会者人事は、実はまだ番組の公式サイトには載っていませんし、Twitterでも告知をしていません。基本的に番組でのお知らせで対応する、ということなのでしょう。

現役バリバリのヴァイオリニストとしての活動と、毎週放送されるテレビ番組の司会を両立するのは大丈夫かな、という懸念は誰しもなくはなかったでしょう。彼の場合は日本を拠点としていないわけですから、アメリカとの往還にかかる時間がかかってしまうわけですから。
それでも見聞を広める機会としてこの司会をされていたのだろうと思いますし、演奏家同士のつっこんだお話には興味深いものも多かったように思います(トップレヴェルで活躍されている皆さまが、他の演奏家をよく聴いている事実だけでも、昔吹奏楽をしていた頃の”練習しない勢”に聞かせてやりたかった)。
前任者は吹奏楽出身で最近まで日本を拠点にしていたからできたこと、たとえば吹奏楽やゲーム音楽などの紹介については後退した面があったかも知れません。今回の人選はそのあたりを補うものとして考えられたのかな、と愚考します。クラシック音楽についての石丸幹二さんの素養のほどは存じ上げないのですが、自身楽器の演奏もされるミュージカル俳優というキャリアから考えれば五嶋龍さんとは違う方向でこの番組を作られることになるのでしょう。推測ばっかりですね、正式発表がないから当然ですけど(笑)。

個人的に派ですね、つい先日2500回記念シリーズの公開収録にお邪魔した(もちろん客として、ですよ)ばかりなのでちょっと驚かされるニュースでした。その番組の話はまた別途、ということで。

以上簡単なお知らせでした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。3月26日地上波放送分が、五嶋龍司会による最終回です。この番組とは縁の深い東京交響楽団が最後の共演団体として登場します。
※もう一つ追記。4月2日地上波放送分が、石丸幹二司会による初回となります。共演は東京フィルハーモニー交響楽団です。音楽学の先生も出演されるようですから、石丸さんも知識を得る側として構成されるのでしょうか、まずは初回「劇場支配人の音楽会」を拝見するといたしましょう。

2017年3月25日土曜日

3/25「レニングラード 女神が奏でた交響曲」放送(BSフジ)

こんにちは。千葉です。
本日放送の番組なので、録画の用意もお急ぎください!

●レニングラード 女神が奏でた交響曲 BSフジ 17:00~

同志ドミトリエヴィチの愛国的交響曲をめぐるドラマは同志諸兄もご存知のことと思うが、この度テレビ番組で紹介される運びとなった。各位手をつくして視聴されたし。

うーん、イマイチ決まらないので通常モードに戻ります(あっさり)。もっと上坂同志にでも学ぶべきであろう。

ショスタコーヴィチが大祖国戦争のさなかに作曲した交響曲第七番は、ロシア人にとっては疑いようもなく愛国的な作品として親しまれてきました。冷戦下であって共産党に入党したショスタコーヴィチが批判されても、「証言」とかで違った読みが示唆されても揺るがなかったくらいに。「ショスタコーヴィチは反スターリンでも、『レニングラード』交響曲は反スターリンではない」、その切り分けはしなければなりますまい。

その点で参考になる書籍として、ひのまどか「戦火のシンフォニー」や「ガリーナ自伝」がありますが、どちらも正直に申し上げて読むのがつらい。極限状況を丹念に、事実の積み上げで示されることの痛み、相当のものなんです。
一時間のテレビ番組でどこまでのことを伝えてくれるものかはわからないのですが、一人のショスタコーヴィチ愛好者として多くの方にこの番組を見ていただければと思う次第です。願わくは、あの時代を生きたショスタコーヴィチの音楽に興味を持って頂ける人が増えますように…


有名な一楽章の「ボレロの模倣」だけじゃなく、ぜひこの大団円までお聴きいただけるようになりますよう、祈ります(それはやめろ)。

以上ご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。録画された方で、レニングラード包囲戦(Wikipediaにリンクしておきました。日本語版はちょっと…と思われる方は英語ページに移動されるといいのでは)についてご存知でない方は、この世の地獄を見るつもりでご覧ください。いわゆる「押すなよ」ではないし、誇張でもありません。
第二次世界大戦のなかでも最も厳しい状況に置かれた都市のひとつのために、ショスタコーヴィチのこの交響曲が生まれたことが如何に奇跡的なことか、この番組は伝えてくれています。しかしそれは、人間が耐えられる限界ギリギリの世界です…
その出来事を、短い時間ながら隠さず伝えてくれたこの番組、より多くの方がご覧になれますよう、番組サイトから再放送のお願いをしておきました。番組のサイトから簡単に感想や要望を送れますので、よろしければ是非。>番組サイト

なお、やはり下の二冊のうちひのまどかの「戦火のシンフォニー」は引用もされていましたし、「ガリーナ自伝」は当事者によるレニングラード包囲戦の証言が読めます。ぜひ。

2017年3月24日金曜日

3/25「出没!アド街ック天国」にミューザ川崎シンフォニーホール登場

こんにちは。千葉です。
先日の東京交響楽団 川崎定期演奏会からすっかりミューザ川崎シンフォニーホールづいている私なのですが、明日はこんな番組にも登場するのだとか、畑違い感ありますがご紹介を。

●出没!アド街ック天国

予告動画を見る限りでは食メインのようですけれど、こういうご案内もありましたので!


ちなみに、明日は「第6回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ」、明後日は「ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第125回」と、二つのホール主催公演が開催されます。公演情報は以下のとおり。

●第6回 音楽大学フェスティバル・オーケストラ

2017年3月25日(土) 15:00開演

指揮:高関健
管弦楽:音楽大学フェスティバル・オーケストラ(首都圏9音楽大学+九州2音楽大学選抜オーケストラ)
【参加音楽大学】上野学園大学、国立音楽大学、昭和音楽大学、洗足学園音楽大学、東京音楽大学、東京藝術大学、東邦音楽大学、桐朋学園大学、武蔵野音楽大学平成音楽大学(熊本)、大分県立芸術文化短期大学(大分)

ドビュッシー:交響詩「海」
マーラー:交響曲第六番 イ短調

※なお、同じプログラムで翌26日に東京芸術劇場でもコンサートが開催されます。詳しくはリンク先にてご確認くださいませ。

●ミューザ川崎シンフォニーホール&東京交響楽団 名曲全集第125回

2017年3月26日(日) 14:00開演

指揮:大友直人
ヴァイオリン:チャン・ユジン(第6回 仙台国際音楽コンクール 優勝)
管弦楽:東京交響楽団

曲目 作曲はすべてジャン・シベリウス

交響詩「フィンランディア」
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 Op.47
交響曲第七番 ハ長調 Op.105

…で、私は両日伺ってきます。もちろん番組の予習と復習です(嘘ですよ)。

なお、名曲全集に登場するヴァイオリニストのチャン・ユジンのショスタコーヴィチがニューイングランド音楽院のYouTubeチャンネルで配信されてました。ふむふむ…


本題に戻って、番組は土曜日21時からテレビ東京系列での放送です。系列局がない地域でも放送があるようですので、そのあたりは各位番組表でご確認いただけましたら、そしてミューザ川崎シンフォニーホールが気になったらぜひ一度来てみていただきたいと思う、ミューザ川崎シンフォニーホールの野良宣伝部長からのお願いでした(おい)。ではまた、ごきげんよう。

※追記。放送では8位が「音楽のまち・かわさき」で、クラブチッタなどと並べて紹介されました。ヤンソンスが「最愛のホール」と語っていることを示し、ノット&東響の演奏もちょっとだけ流れました(昨年のツアー壮行演奏会のブラームス!)から、明日の公演が気になっている人もいるはず!どうすか名曲全集?(笑)

2017年3月23日木曜日

読売日本交響楽団 荻原尚子がコンサートマスターに就任

こんにちは。千葉です。
ニュースをひとつ、読売日本交響楽団のコンサートマスター人事のお話。


「2017年4月から、小森谷巧、長原幸太、荻原尚子の3人体制で行います。なお、日下紗矢子は特別客演として、コンサートマスターを務めます。」というご案内です。

新任のコンサートマスターとなる荻原尚子(おぎはら なおこ)さんは現在もWDR交響楽団(かつてケルン放送交響楽団として親しまれた団体)でコンサートマスターを務める※実力派とのこと、ご活躍に期待しましょう。

※Konzertmeisterinだから女性形ですよね。いつもコンサートミストレスと書くべきかどうか、ちょっとだけ迷う私ですが今回は読響様の表現に合わせています。

以上簡単ではございますがご案内のみ。ではまた、ごきげんよう。

読みました:中川右介「国家と音楽家」

こんにちは。千葉です。

簡単にですが、読了した本のご紹介を。

中川右介 著 「国家と音楽家」

かつて「クラシックジャーナル」誌の編集長としても活躍された中川右介(敬称略ですみません)の、気になっていた2013年の本をようやく読みました。「デジタル録音なら新しい方だよね」と思ってしまう程度の時代感覚なので、こういうことはよくあるんです、すみません…

読み終わってどう紹介するかと考えて出した結論は「目次を見ていただくのが、この本の内容をイメージしていただく一番いい方法だ」というもの。以下、七つ森書館のサイトから章題のみ引用します。

・第1章 独裁者に愛された音楽
・第2章 ファシズムと闘った指揮者
・第3章 沈黙したチェロ奏者
・第4章 占領下の音楽家たち
・第5章 大粛清をくぐり抜けた作曲家
・第6章 亡命ピアニストの系譜
・第7章 プラハの春
・第8章 アメリカ大統領が最も恐れた男
・エピローグ 禁じられた音楽

20世紀は戦争の世紀、とはご存知「映像の世紀」でも繰り返し語られるモティーフですが、それは音楽から見ても実感できることです。WWIがなければ、もしかしたら大編成管弦楽は「春の祭典」や「グレの歌」を超えて肥大化していたかもしれない、でも現実はそうではなく小編成の室内楽的な音楽に移行した。WWIIがなければ、もしかすると「音価と強度のモード」は展開されず「十二音技法からはこんな徒花も数多く生まれたかもしれません」なんて音楽史もありえた、かもしれない(一説ですが、戦後の秩序希求の中でセリエリズムは発展した、なんて話があるのです)。

でも現実には二つの大戦があり、その後も長く冷戦が、地域紛争が続いたのが20世紀でした。いや、冷戦が終わってもペルシャ湾岸で、そして中東の各地で戦争は続いている、それは忘れてはならないのですが、今はその話ではないので深入りはしません。
そういう時代に、文化はいつも以上に社会と関係せざるを得ない。予算的なことはそれこそ教会や貴族のお抱え時代からあったし、モーツァルトが切り開いた「フリーランス音楽家」時代以降はより明確な拘束として存在していますし、思潮的なものの影響はそれこそオペラの題材を見るだけでもある程度は見て取れるでしょう。
私も少し(サバ読み)生きていた20世紀は、それが実に顕著でした。そこには大きい戦争が影響した、と考える人に、この本が面白くないわけはないのです。ナチスの時代にドイツ、オーストリアの音楽家がどのような苦労をしたか。マーラーともライヴァル関係にあったアルトゥーロ・トスカニーニがその晩年どれだけ長くファシズムと戦わなければならなかったか。西欧国家の中では特にねじれた20世紀を過ごしたスペイン、いやカタルーニャ出身の名チェリスト、パブロ・カザルスの生涯の数奇なること如何許か。ドミトリ・ドミトリエヴィチ・ショスタコーヴィチはどうやってあの時代を生き延びたか。などなど、WWIIを中心に20世紀を生きた音楽家たちを、その時代の相において捉えなおす一冊です。

もちろん、音楽の演奏解釈において、時代性にのみ注目するのはバランスの悪い判断です。まずは音楽、楽譜から行われるべきですけれど、作曲者を取り巻く時代が無視できないことは昔の作品でも現在の作品でも同様です。時代が遠ければ遠いほど生活も環境も違うし、楽器や奏法も違う、作曲における前提、イディオムについての理解解釈において大きい要素です。ですが、作曲者という人間が生きているその時代に拘束されるのは、私たちがいまこうして生きているのと同じことです。それも、自国が戦場となっている状況はさぞ影響が大きかったことでしょう。たとえば本書では軽くしか触れられていないショスタコーヴィチの交響曲第七番ですが、大祖国戦争と切り離して考えることは難しい、先日少し話題になった「小林多喜二と共産党」を切り離すのが難しいように。その時代に作曲家を、作品を置くことで見えること、少なくないのです。
本書はそんなことに思いを馳せる契機となるでしょうし、何より多くの音楽家たちがどう生きたかをコンパクトに教えてくれる大著です。この形容は矛盾しているように見えるかも知れませんが、約350ページの本文に本当に多くの情報が入れ込まれていますので、少なくとも私の偽らざる実感であることは申し上げておきたく思います。


トスカニーニによるショスタコーヴィチの交響曲第七番はパブリックドメインなので、安心して貼ることができますね!(笑)

なお、本書のエピソード群の中で、今年のシーズンから生誕100年への取り組みが始まるレナード・バーンスタインについての言及が多くあったことを大いに喜んだことを、かつてバーンスタインの音楽に深甚な影響を受けたものとして告白しておきます。

では本の紹介はこれにて。ごきげんよう。


2017年3月21日火曜日

ウィーン少年合唱団 ユネスコの無形文化遺産に登録

こんにちは。千葉です。
ニュースのご案内ですよ。

●Sängerknaben nun UNESCO-Kulturerbe

これは!と思いますよね、びっくりですよすごいなあ(棒読)。…すみません見栄を張りました。こちらをご覧くださいませ。

●ウィーン少年合唱団がユネスコの無形文化遺産に登録されました!(彼らを日本に招聘しているジャパンアーツからのご案内)



というわけで、長い歴史を誇るウィーン少年合唱団にまたひとつ勲章が加わりました。おめでとうございます。



私はバーンスタインのマーラーで認識を改めた瞬間のことを今も憶えています。「天使の歌声」は伊達じゃあないんだな、と本当に瞬間的に理解したものですよ(これとかあれとか、鮮烈でした)。来日公演ではエンタテインメント的な構成で楽しませてくれる彼らですが、フランツ・シューベルトからマックス・ツェンチッチまで(いやもっとだろうけど)才能を輩出しているだけのことはあるんですよ。

今年も4月末から6月下旬にかかろうかという時期まで、札幌から福岡までの日本各地でその歌声を聴かせてくれる彼らの公演のご成功をお祈り申し上げます。

ではご案内はここまで。ではまた、ごきげんよう。

2017年3月20日月曜日

NHK音楽祭2017 ラインナップ発表

こんにちは。千葉です。
恒例の音楽祭のプログラムが発表されました、これは注目ですよ。

●NHK音楽祭2017

えー、正直な話、説明無用と言ってしまいたい充実の公演群が並んでいます。一般発売は5月末ですが、その前の先行受付は3/18からだそうです(詳しくはリンク先にてご確認くださいませ)
公共放送様関連公演であれば「どうせ放送するじゃないっすかー」という判断もありだと思います、しかしこれはあまりにいい公演揃い、いろいろ都合のつく方はご検討くださいませ。

以下に注目の公演情報を整理します、説明はいたしませんが動画を入れ込んでおきますね。なお会場はすべてNHKホールです。

NHK交響楽団 2017年9月9日(土) 15:00開演

モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」 全二幕(演奏会形式/イタリア語上演・日本語字幕付)

ドン・ジョヴァンニ:ヴィート・プリアンテ
騎士長:アレクサンドル・ツィムバリュク
ドンナ・アンナ:ジョージア・ジャーマン
ドン・オッターヴィオ:ベルナール・リヒター
ドンナ・エルヴィーラ:アネット・フリッチュ
レポレッロ:カイル・ケテルセン
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:三宅理恵
合唱:東京オペラシンガーズ


パーヴォさんのモーツァルト、2012年にはこんな感じです。さてオペラではどうなりますか、乞うご期待(参考 >公演情報発表の記事

バイエルン国立管弦楽団 2017年10月1日(日) 15:00開演

指揮:キリル・ペトレンコ

マーラー:歌曲集「こどもの不思議な角笛」
ワーグナー:楽劇「ワルキューレ」 第一幕(演奏会形式/ドイツ語上演)

ジークムント:クラウス・フロリアン・フォークト
ジークリンデ:エレーナ・パンクラトヴァ
フンディング:ゲオルク・ゼッペンフェルト
合唱:バイエルン国立歌劇場合唱団
バリトン:マティアス・ゲルネ ※


バイロイトでの活躍、そしてバイエルン国立歌劇場での上演も多いペトレンコのワーグナー!ですよ!!

チャイコフスキー交響楽団(旧称 モスクワ放送交響楽団) 2017年11月9日(木) 18:00開演

指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ

チャイコフスキー:歌劇「エフゲーニ・オネーギン」演奏会形式(ロシア語上演・日本語字幕付)

タチヤーナ:エカテリーナ・シチェルバチェンコ
エフゲーニ・オネーギン:ワシーリー・ラデュク
レンスキー:アレクセイ・タタリンツェフ
オリガ:アグンダ・クラエワ
ラーリナ:エレーナ・エフセーエワ
グレーミン公爵:ニコライ・ディデンコ ほか
合唱:新国立劇場合唱団


これはもう20年以上前(!)の収録から、タチアーナのアリア。マエストロの変化を考えれば、また違った演奏が聴かれることでしょう。

ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団 2017年11月13日(月) 19:00開演

指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

ソプラノ:クリスティーナ・ラントシャーマー
バリトン:ミヒャエル・ナジ
合唱:ウィーン楽友協会合唱団

ブラームス:ドイツ・レクイエム Op.45


これは1999年、20世紀末の収録でバッハ、メンデルスゾーン、ベートーヴェンを演奏した映像。マエストロお若い!

やはり申し上げるべきこともない、充実のラインナップでは。私は放送待ちかなと思いますが、いやはやいい機会もあったものです。繰り返しになりますがぜひご検討くださいませ。

ではまた、ごきげんよう。

2017年3月19日日曜日

3/19(20) 「新国立劇場バレエ団『コッペリア』/チューリヒ歌劇場 バレエ『レクイエム』」放送

こんにちは。千葉です。
放送情報のご案内です、いつものBSプレミアムシアター。3月19日深夜24:20~(20日 0:20~)の番組はこちら。

●新国立劇場バレエ団『コッペリア』/チューリヒ歌劇場 バレエ『レクイエム』

この日はバレエの日です。
前半は先日行われたばかりの新国立劇場バレエ公演「コッペリア」。ローラン・プティの振付によるこのバレエは比較的多く上演されている印象がありますが、さて新国立劇場の舞台はいかがでしょうか。キャストなど公演情報はこちらでご確認ください

そして後半にはチューリヒ歌劇場のバレエ公演。趣向を凝らした演出のオペラでも知られる歌劇場らしく、バレエも一味違うのがチューリヒの流儀なのでしょう、なんと作品はヴェルディの「レクイエム」。ファビオ・ルイージが指揮をする本気の公演、果たしてどのようなものか…と調べたらトレイラーがありました。


そもそもが宗教的作品というより、残された生者のためのドラマのようなこの作品を、何かの明確な筋書きで言葉に収斂させずにバレエで、動きによって視覚に訴える作品に展示させるのはなるほどアリかもしれません。

そしてもう一つ、これは映像配信サイトArteが提供しているものです。


360°とありますとおり、視野を動かせます。なるほど、これが全周撮影というやつですか…

そんなわけで放送情報のご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

3/19「N響 第1853回 定期公演」放送

こんにちは。千葉です。
さて19日の21時からEテレで放送されるN響アワーのご案内です(何歳くらいまでの人に通じるボケなのだろうか)。今回から通常モードに戻って「一回の放送でひとつのコンサート、+α」です。

●<N響 第1853回 定期公演>

指揮:ファンホ・メナ
ギター:カニサレス
管弦楽:NHK交響楽団

ファリャ:歌劇「はかない人生」から「間奏曲とスペイン舞曲」
ロドリーゴ:アランフェス協奏曲
ドビュッシー:「映像」から イベリア
ファリャ:バレエ組曲「三角帽子」第1部、第2部

2017年1月13日にNHKホールで開催されたコンサートの放送です。

”スペイン出身のマエストロならでは”な作品が並んでいますけれど、ちょっとYouTubeで検索してもらうとお国ものの他にベルリオーズ、ニールセン(!!)などが並んでいまして、彼のレパートリーの広さがわかるかと。ちなみにオスロ・フィルへの客演の際のインタヴューは非常に知的な受け答えをされていますね(ドイツ音楽プログラム、英語なので聞き取りやすいかも)。



さてアランフェス協奏曲といったら槇村さとる先生ですが(偏見)、私にとってフィギュアスケートといったら「銀のロマンティック…わはは」ですね(せめてユーリ ON ICEと言えないのか)。「甲子園の空に笑え!」もいいですよね、読むたび少し泣いてしまいます(もはやロドリーゴ関係ない)。
という無意味な前フリはさておいて(いい加減でごめんなさい)、ソリストとして登場するのはカニサレス、来日も多く日本語のツイッターアカウントもお持ちなのでおなじみでしょう。



コンサートプラスは<N響 オフステージ・インタビュー>として藤村俊介さん(チェロ奏者)のインタヴュー、そして<コンサートプラス N響メンバーによる室内楽>では藤森さんの演奏と中村翔太郎さんのヴィオラ演奏、というプログラムです。

以上ご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。カニサレスのインタヴュー、多くの示唆を含む情報量の多いものでした。録画をこれからご覧になる方はお楽しみに、もちろん肝心の演奏も素晴らしいですし。拍手。


2017年3月17日金曜日

速報! パーヴォ・ヤルヴィ指揮|モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》日程決定

こんにちは。千葉です。公演情報のお知らせです。

●速報! パーヴォ・ヤルヴィ指揮|モーツァルト《ドン・ジョヴァンニ》日程決定

昨年もいろいろな作品が近い時期で重なったことで知られるパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団。いえ、演目が重なるのは誰も狙っているわけではないんです(笑)、それぞれに面白い企画を!と考えた結果なのです。昨年のマーラーの第八番も、今年の「ドン・ジョヴァンニ」も!(笑)

であれば、私の如きはそれをより楽しめる状況にするためにほんの少しばかりも貢献したく思うわけです。これからもこういう状況に際しては紹介を心がけますので、ぜひという方は情報提供くださいませ。

さて、現在公式に発表されている日程は9月11日(月) 14:00開演の横浜みなとみらいホールでの公演のみ。なんでも未発表だけれどキャスト情報から他日公演もありそう、なんて情報もありますがそのあたりは公式発表を待ってこの記事を更新します。

※追記。NHK音楽祭公演での上演が発表されました。9月9日(土) 15時開演とのこと。この音楽祭なら放送も期待できるでしょうけれど、他の公演も錚々たる面々が揃っていますので、これはセットで買っちゃうのが正解かも、です。私は買えないけどね!

なおキャストは以下の面々です。

ドン・ジョヴァンニ:ヴィート・プリアンテ
騎士長:アレクサンドル・ツィムバリュク
ドンナ・アンナ:ジョージア・ジャーマン
ドン・オッターヴィオ:ベルナール・リヒター
ドンナ・エルヴィーラ:アネット・フリッチュ
レポレッロ:カイル・ケテルセン
マゼット:久保和範
ツェルリーナ:三宅理恵
合唱:東京オペラシンガーズ

****************

なお、先日キャストの発表があったノット&東響@ミューザ川崎シンフォニーホールの「ドン・ジョヴァンニ」は12月10日(日)。昨年は日程がデュトワ指揮N響の「カルメン」と完全にかぶり、今年は演目がかぶるという謎の因縁を感じます(笑)。パーヴォ・ヤルヴィはあまりオペラの印象がないマエストロですが、リリースによれば今年の5月からミラノ・スカラ座で指揮をされるとか、”先攻”となる彼らの演奏にまずは期待しましょう。

ではひとまずはこれにて、ごきげんよう。

※追記。ミラノ・スカラ座での「ドン・ジョヴァンニ」、トレイラーが出ております。日本での上演は演奏会形式ですがご参考にぜひ。



ルツェルン祝祭管弦楽団が11年ぶりに来日

こんにちは。千葉です。

公演情報はあまり載せていないこのブログですが、これほどの団体の、本当に久しぶりで二度目の来日とあっては紹介しない訳にはいかないでしょう。

●速報!今秋、ルツェルン祝祭管弦楽団が11年ぶりに来日!!―― 指揮は現音楽監督のリッカルド・シャイー!

KAJIMOTOより本日発表された、今秋のルツェルン祝祭管弦楽団再来日は話題となることでしょう、私が多くを語る必要はあるかな…(笑)

既に音楽監督として昨シーズン登場しているリッカルド・シャイーとの来日公演2つのプログラムによるもの、どちらも表現に積極的な音楽家が集まる、超がつく高機能オーケストラの実力が発揮されることでしょう。

(以下あとで更新します)



第29回ミュージック・ペンクラブ音楽賞が決定

こんにちは。千葉です。
リリースは少し前に出ていましたが、ミュージック・ペンクラブ・ジャパンのサイトに詳細が掲載されましたのでご案内します。

●第29回ミュージック・ペンクラブ音楽賞

この賞は、約160名の会員を擁するミュージック・ペンクラブ・ ジャパンが発表している年間の音楽賞です。クラシック音楽関係のみ、抜粋してそれぞれ受賞団体へのリンクを付与しておきました。

■クラシック部門
1. 独奏・独唱部門賞:舘野泉(ピアノ)


2. 室内楽・合唱部門賞:古典四重奏団(弦楽四重奏)


3. オペラ・オーケストラ部門賞:兵庫芸術文化センター管弦楽団

4. 現代音楽部門賞:京都市交響楽団(60周年記念特別演奏会シュトックハウゼン : グルッペン)

5. 研究・評論部門賞:小野光子著「武満徹 ある作曲家の肖像」(音楽之友社)

6. 功労賞:中村紘子(ピアノ) / モーシェ・アツモン(指揮) / 宇野功芳(音楽評論・指揮)

■特別賞(各部門共通):冨田勲(作曲)

訃報や引退による受賞につい目が行ってしまいますが、古典四重奏団や京都市交響楽団のような実績あるアンサンブルや、兵庫芸術文化センター管弦楽団のような若いアンサンブルも選ばれて、と目配りよく受賞者が並んでいる印象です。受賞された皆さまにお祝い申し上げ、現役の皆さまに於かれましてはこれからますますのご活躍をお祈り申し上げます。

ではご紹介はここまで。ではまた、ごきげんよう。

バイエルン国立歌劇場「アンドレア・シェニエ」配信

こんにちは。千葉です。
ライヴ配信のご案内をひとつ。

●バイエルン国立歌劇場「アンドレア・シェニエ」



配信日:3月19日(日)19:00~(公演日:3月18日)

演出:フィリップ・シュテルツェル(新演出)
指揮:オメール・メイア・ヴェルバー
合唱・管弦楽:バイエルン国立歌劇場

キャスト:

アンドレア・シェニエ:ヨナス・カウフマン
マッダレーナ:アニヤ・ハルテロス
カルロ・ジェラール:ルカ・サルシ
ベルシ:ジェイナイ・ブリッジズ
コワニー伯爵夫人:ドリス・ゾッフェル
マデロン:エレナ・ジーリョ
ルーシェ:アンドレア・ボルギーニ  他

3月12日にプレミエを迎えたばかりのプロダクションが公式に配信されます。某Tubeとか漁って見つけてしまうより、こういう配信のほうがありがたいですよね(割と切実)。ただし、オンデマンド配信ではなくライヴ配信、たとえで言うなら"YouTubeじゃなくてabemaTV"なので、3月19日の19時からこちらのサイトにアクセスする必要があります(それまではこのページは何も表示されません)

※ウチだけかもしれないんですが、Google Chromeだと映像部分が表示されないので仕方なくMicrosoft Edgeを起動してなんとか見ました。Chromeユーザの皆さまはこの先もちょっと意識しておかれると、私のように冒頭数分欠けで見るなんて、悲しい目には逢わないで済むでしょう…

「アンドレア・シェニエ」は昨年4月に新国立劇場で上演されており、その舞台稽古を取材した際に書いた記事で作品の話をしていますので、興味のある方はそちらもご参照ください。この作品を上演する際に直面させられる「フランス革命をめぐる物語をどのように演出するか」という問いについては、こちらの動画で演出家が話をしています(英語字幕あり)。



何処かで見たようなジョーカーさんがいたりしますが、基本的にセットの分割で社会階層を示すタイプの舞台とお見受けしました。第一幕におけるそのまま上下関係を示す舞台はダイレクトにこの作品の本質を示すものではないかと愚考しますよ。

この秋の来日が予定されているバイエルン国立歌劇場の配信で、指揮が”彼”でないのは残念だけれど(正直)、カウフマンとハルテロスの現代の黄金コンビによる「アンドレア・シェニエ」、一見一聴の価値あると思います。如何でしょう、日曜夜のお楽しみに。

ということで配信のご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

2017年3月15日水曜日

3/15(16)、25「読響シンフォニックライブ」放送

こんにちは。千葉です。放送情報ですよ。

●読響シンフォニックライブ 2017年3月

放送日:2017年3月 日本テレビ 15日(水) 26:34~(16日(木) 2:34~)/BS日テレ 25日(土) 7:00~

出演:

司会:松井咲子

指揮:小林研一郎
ピアノ:松田華音
管弦楽:読売日本交響楽団

チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第一番 変ロ短調 Op.23
(2016年12月3日 パルテノン多摩 大ホールにて収録)

前回放送されたコンサートの前半部分に当たる、チャイコフスキーのピアノ協奏曲です。

****************

で、番組の時間に対してこれ一曲では短めだな、と思われる方もいらっしゃるでしょう、それもそのはずこの回には「追悼:読響桂冠名誉指揮者 スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ」も予定されています。2月に「5月来日のキャンセル」、そして先日の訃報と悲しいお知らせが続いたマエストロと読売日本交響楽団の共演は実演に録音に、そしてこの番組での放送でも親しまれていました。この機会に皆さまもいま一度マエストロのお姿に触れていただけましたら、と愚考致します次第。
なお、2月末から日本コロンビアがリリースしてきた「スクロヴァチェフスキ&読響」のアルバムが配信されているとのお知らせもありました。ハイレゾ配信もございます故、興味のある方はリンク先でご確認いただければ。

では以上ご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。
日本テレビでの放送には、「FRB利上げ決定」のニュースが、ジングル付きで入ってます。それも第二楽章の前半、静かなうちに!なので松田華音さんの振幅大きい演奏を心穏やかに聴きたい方は要注意&BS日テレの放送をチェックしてください。
Mr.Sの追悼では1978年からの長い共演歴を誇る読響だから、そしてこの番組ならではの秘蔵映像も交えて構成されていました。2013年の「ロマンティック」終結部で終わるこのコーナー、目から水が流れることなしに見るのは難しかったです。再び合掌。

2017年3月14日火曜日

METライブビューイング「ルサルカ」

こんにちは。千葉です。

恒例の劇場上映オペラの新作情報です。上映は3月18日(土)からです。

●METライブビューイング「ルサルカ」








今をときめいていらっしゃるマエストロのパートナーでもあるクリスティーヌ・オポライスがタイトルロールを務めるドヴォルザークの歌劇「ルサルカ」の新演出がMETライブビューイングの次作です。すでに25日には現地での公演が行われていますので、海外評もで始めています。

>海外評1 >海外評2 >海外評3

(今回は伺えませんでしたので、コメントなしです。すみません)

現時点では以上。ではまた、ごきげんよう。

2017年3月13日月曜日

2017セイジ・オザワ 松本フェスティバル - 公式プログラム発表!

こんにちは。千葉です。
10日に発表された、超有名音楽祭のプログラムのお話を。

●2017セイジ・オザワ 松本フェスティバル - 公式プログラム発表!

恒例のサイトウ・キネン・オーケストラによるコンサートは三種類、そして注目のオペラは小澤征爾音楽塾オーケストラによりラヴェルの「子供と魔法」を、デリック・イノウエの指揮で。
ナタリー・シュトゥッツマン、内田光子らの出演、そして何より小澤征爾も出演が決定したフェスティバルは今年もまた注目を集めることでしょう。

では以下に、2017セイジ・オザワ 松本フェスティバル(2017OMF)のプログラムをまとめておきます。

なお、このプログラムは2017年3月現在のものということをお断りしております。また、チケット発売は2017年6月3日(土) 10:00よりとのこと。詳細はOMF公式ウェブサイトにて後日発表されますので、そちらでご確認いただければと思います。

●オーケストラ コンサート 会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)

<Aプログラム> 指揮:ファビオ・ルイージ 8月18日(金) 開演19:00、8月20日(日) 開演15:00

マーラー:交響曲第九番 ニ長調

<Bプログラム>8月25日(金) 19:00開演、8月27日(日) 15:00開演

ベートーヴェン:レオノーレ序曲第三番 Op.72b ※
マーラー:「少年の魔法の角笛」より
ドヴォルザーク:交響曲第七番 ニ短調 Op.70, B141

指揮:小澤征爾※、ナタリー・シュトゥッツマン
独唱:リディア・トイシャー(ソプラノ)

<Cプログラム>9月8日(金) 19:00開演、9月10日(日) 15:00開演

グリーグ:組曲「ホルベアの時代」より Op.40
R.シュトラウス:13管楽器のための組曲 変口長調 Op.4
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第三番 ハ短調 Op.37 ※

指揮:小澤征爾 ※
ピアノ:内田光子

●小澤征爾音楽塾オーケストラによるOMFオペラ ラヴェル:「子どもと魔法」

9月3日(日) 15:00開演
会場:まつもと市民芸術館・主ホール
演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ
指揮:デリック・イノウエ
演出:デイヴィッド・ニース

●特別プログラム 内田光子 ピアノ・リサイタル
9月4日(月) 19:00開演
会場:キッセイ文化ホール(長野県松本文化会館)

●ふれあいコンサートI ※I~IIIすべて会場:松本市音楽文化ホール
8月19日(土) 16:00開演
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ ブラス・アンサンブル

●ふれあいコンサートII
8月26日(土) 16:00開演
弦楽四重奏:ヴェリタス弦楽四重奏団フルート:ジャック・ズーン
チェロ:イズー・シュア
ハープ:吉野直子
ピアノ:江口玲

●ふれあいコンサートIII
9月2日(土) 16:00開演
演奏:サイトウ・キネン・オーケストラ メンバー、
ソプラノ:リディア・トイシャー
ピアノ:江口玲

●OMF室内楽勉強会~金管アンサンブル~発表会
8月13日(日) 15:00開演
会場:あがたの森 文化会館 講堂

◆教育プログラム ※一般の方のご入場は出来ません。

●子どものための音楽会(長野県内小学6年生を招待)
9月1日(金) 11:00/14:00開演
会場:松本市総合体育館

演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ 
指揮:小澤征爾 他

●子どものためのオペラ(長野県内中学1年生を招待) ラヴェル:「子どもと魔法」
9月5日(火)、6日(水) 11:00/15:00開演
会場:まつもと市民芸術館・主ホール

演奏:小澤征爾音楽塾オーケストラ 
指揮:デリック・イノウエ 
演出:デイヴィッド・ニース

ではひとまずはこれにて、ごきげんよう。

クルト・モル(バス)死去

こんにちは。千葉です。
記事化が遅れてしまいましたが、この報せをアルベルト・ゼッダのそれと同じ日に聞かされたのは衝撃的でした。

●EINE STIMME WIE BALSAM
●A major operatic loss: Kurt Moll dies at 78

クルト・モル、1938年生まれのドイツのバス歌手が3月5日に亡くなられました。
私の世代だと、レコード、CDで音楽家の皆さんを覚えたものです。いや、地方に住んでいた私たちの場合、かな。オーケストラものを主に聞いていた私の場合、指揮者やオーケストラを覚えて、その後に声楽曲での共演者として歌手の皆さんを覚えていくような流れでした。そんな私がクルト・モルについて最初に知ったのは、きっといつか聴くのだろう(当時は買えなかったので…)、カルロス・クライバーの「トリスタンとイゾルデ」全曲だったように思います。究極の名盤とされていた録音に参加されている人、として。

2006年に引退されるまで、数多くの録音、録画によって楽しませていただきました。特にも「薔薇の騎士」のオックスとして、カルロス・クライバーの指揮による映像が遺されたことは幸いでした。多くの演奏に感謝し、合掌を。

以上短いですが私からはおしまいです。なお、上の記事の二つ目からはいくつかの映像も見られますので、彼の歌唱に触れたい方はそちらからもどうぞ。ではまた、ごきげんよう。


2017年3月11日土曜日

3/12(13)「二期会公演 歌劇『トスカ』/藤原歌劇団公演 アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート」放送

こんにちは。千葉です。
放送予定のご案内です。

●二期会公演 歌劇『トスカ』/藤原歌劇団公演 アルベルト・ゼッダ スペシャルコンサート

前半はつい先日上演されたばかりの東京二期会オペラ劇場「トスカ」です。最終日19日の公演とのことですから、まさに私が拝見してきた舞台そのものであります。さてあの舞台を皆さまはどのようにご覧になりますでしょうか、そのご感想が私は楽しみであります。


この豪華なプロダクション、初演オリジナルに遡ったものです。ぜひご覧くださいませ。

で、この公演についての私のレヴューがこちら。

●東京二期会オペラ劇場《トスカ》―――初演時の背景、衣装を再現し、作品をローマに”還し”、ドラマも”本来の姿”に戻されたのではないか

原点回帰、温故知新のプロダクションが示す「トスカ」像は、私たちが大まかにイメージしている”三角関係”ではないのではないか?という問いを投げさせてください。私には、カヴァラドッシというキャラクターが実は三角形のひとつの頂点を作れない役なのではないか?と示されたように思うのです。

※追記。ダニエーレ・ルスティオーニが東京交響楽団に客演した際のレヴューほかはリンク先でどうぞ。

さて後半も日本のオペラ団体、藤原歌劇団が開催したアルベルト・ゼッダ スペシャルコンサートです。…これは彼の訃報が届く一月も前、早々に放送予定が決まっていたものです(実は二期会「トスカ」も公演前に放送が決まっていたのです)。結果として追悼番組となってしまったことはなんとも残念ですが(なにせ、これは出演された皆さんが「次は白寿公演もしましょう!」と言われていた公演でしたから…)、貴重な日本での最後の公演が私も含めた多くの音楽ファンに共有される機会を喜ぶべきでしょう。
(今日、すみだ平和祈念コンサートでマーラーを演奏することについて聞かれた上岡マエストロも似たような話をされていました)

以上、今週末の放送のご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

2017年3月10日金曜日

上岡敏之&新日本フィル すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル

こんにちは。千葉です。

●すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル



すみだ平和祈念コンサートは、東京大空襲の日である3月10日前後に毎年すみだトリフォニーホールにて開催されている恒例のコンサートです。すみだトリフォニーホール開館20周年の今年は、上岡敏之&新日本フィルによりマーラーの交響曲第六番が演奏されます。その演奏会を前に、すみだトリフォニーホールで墨田区民とトリフォニーホールチケットメンバーズを対象として公開リハーサルが行われます、というご案内です。すでに会員の皆さん、そして墨田区民の皆さん如何ですか!

…で、私が気づくのが遅かったのでこちらの申込みはもうすぐ締め切りとなります。参加は無料ですが、23日(木)までにお申込が必要です。そんなわけで詳しくはリンク先をご参照ください。確認も申込みも早めでお願いします!すみません!!

ちなみに、3月12日には川越市のウェスタ川越でも同じプログラムの演奏会が開催されます。詳しくはこちらをご参照ください。私としてもそろそろお聴きしなくては、なのですよ上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団

 
昨年12月定期のリハーサルを拝見するに、かなりオーケストラとのコンビネーションも仕上がりつつある模様ですし。どうですか皆さん。

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さて、上岡&新日本フィルとこれまた作品がぶつかった格好のパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団は、欧州ツアーでこの作品を演奏します。ツアーの前に、横浜みなとみらいホールで22日と23日にもマーラーの同曲を披露します(ツアーの話はこちらで紹介してます)。海外への楽旅では首席奏者クラスが勢揃いしますから、演奏のできは間違いなく現在の彼らのベスト級のものとなるでしょう。ベルリン公演の放送が予定されているようですが(来月のプレミアムシアター、別途記事は立てます)、今なら実演に間に合いますよ、どうですか皆さん(天丼)。なお詳しいコンサート情報はリンク先にてご確認くださいませ。

以上公開リハーサルのご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。
伺ってまいりました、上岡敏之&新日本フィルによるすみだ平和祈念コンサート2017の公開リハーサル。これまでさまざまな作曲家によるレクイエムを取り上げてきたコンサートでマーラーを、しかも第六番ということであればまずは聴いてみなければ、と思いまして。なによりリハーサルレポート職人なので、私(それくらいしか売りがないのか…)。

できたら終楽章だったらいいな、と期待して(ハンマーだけじゃないっすよ!)伺いましたが、この日のリハーサルは冒頭から。完全に客席が静かになるまで待って「おはようございます」と挨拶して、早々に振り始めるマエストロでありました。で、まずはこれまた長大な第一楽章を通しで演奏します。なんでも今日はリハーサル三日目ということで、彼独特のデフォルメなどは仕込み済み(どこでどう、とは書きませんがアウフタクトからの仕掛け、またグリッサンドの扱いは聴きものですね)、以前のシェフ不在の頃とは違う新日本フィルの音に、随所で感心させられてしまいました。

…と、感心するのはまだまだ早すぎたのです。まず通して手直しなんだろうな、どのくらいやるんだろうと思っていましたが、マエストロは開口一番「金管は吹きすぎて音程を壊さないで。やりすぎると雑音になる」と厳しくも納得の指摘。マーラーは見せ場が多いからついがんばってしまうんです管楽器、なんて私のごとき素人レヴェルの話ではなく、フレーズを意識して音が突出しちゃったりしないよう、和音を壊さないようもっと周りを聴いて音程を作って、などなどより細部まで注意を払うように、という指示なのです。この時点で「公開リハーサルだし、公演前日だからもしかして”通すだけ、ちょっと手直し”くらいかな?」という私の予想は覆ります。第一楽章のはじめから、テンポにフレージングに表情付けに、管に弦に打楽器に直すなおす。
このリハーサルは最初の一コマ(80分)だけの公開だったから、もしかして一楽章だけじっくりやる?でもそれでは超長大なフィナーレまで手が回らないかな?などと困惑する私ほか聴衆とは関係なく、舞台ではリハーサルが進みます。演奏を止めるとすぐかなりの早口であれやこれやと指示を出すマエストロの回転の速さ、耳の良さ、そして何よりヴィジョンの明確さには大いに感服させられるばかり。ノーモーションでテンポを変化させる彼独自の離れ技は、彼の持つヴィジョンあってのものなのでしょう、きっと。もしかして、ピアニストとして演奏するのと同じようなイメージで指揮ができてしまう人なのかしら、とか思ったりもします。

一楽章は一区切り(終盤の追い込み方は楽譜通りながら壮絶)、第二楽章も同じく「通し→手直し」である程度進めたところで時間切れ、短いアフタートークを行って公開リハーサルは終了しました。

ステージ上には昨年9月に就任したばかりの音楽監督はいないし、私が以前拝見したこのオーケストラとはまったく違う音がする。ああそうか上岡敏之と新日本フィルはこういうオケに変わりつつ、いや変わったんだ、と強かに理解させられました。彼らもまた聴かねばならない顔合せのひとつです、間違いなく。

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アフタートークで語られた上岡マエストロのこの作品へのアプローチが、割と自伝的な読み方だったのは少々意外でした。第一楽章のリハーサルでアルマについての言及をしていたこと、第二楽章を始めるにあたって「これは子どものことを思っている音楽なんだ」とオーケストラに話していたのでなるほど、とは思いながらそういう読みを想定しているとは若干意外でした(なお三楽章はマーラーから見た社会、フィナーレはそれらすべての総合的なドラマ、そんな言い方をされていました)。
彼自身はマーラーとは違うタイプ、と言っていましたけれど、それがいわゆる逸話ベースだったのはちょっと気にならなくもないのですが(五月蝿いよマニアさん)、上岡&新日本フィルのマーラーの交響曲第六番はまちがいなく凄絶な演奏になります、気を抜く場所がないくらいの。明日明後日の公演、行かれる方はぜひ楽しんで!

そうそう、カウベルと鐘がステージ上方に配されていて独特の効果を生んでいました(スコアの表記は…確認したらすっごく長かったのでごめんなさい割愛します)。そのあたりも含めて、楽しんで!(天丼)

ということで追記を終了します。ではまた。

※多くご覧いただけている記事に便乗させる格好で申し訳ないのですが、もう一つ上岡敏之&新日本フィルの情報を。
新日本フィルハーモニー交響楽団は三重県津市の三重県総合文化センター内にある、三重県文化会館を地域の拠点として演奏活動をしています。今月もうひとつの上岡&新日本フィルの公演と同プログラムによる三重公演の際、今回とは違って公演の直前ではありますが公開リハーサルが行われるとのこと。3月19日 16時からの公演をより楽しめることは私が保証しますので(心もとないなおい)、このコンサートに行かれる方は是非。詳しくはリンク先にてご確認くださいませ。 そして17&18日に開催される東京の公演はこちらでご確認を。今度こそ追記は終了しますね(笑)。

アルベルト・ゼッダ(指揮者、音楽学)死去

こんにちは。千葉です。

訃報が多い、と嘆くことに意味はないのですが、なんとも。

●Lutto nel mondo della lirica, è morto il maestro Alberto Zedda

ロッシーニ・ルネサンスの立役者としても知られる指揮者、音楽学者のアルベルト・ゼッダが3月6日に89歳で亡くなった、と翌7日に報じられました。日本への来演も多く、昨年は米寿記念とも言われたスペシャルコンサートに登場されたばかりでした。


私は残念ながら実演をお聴きする機会が持てませんでした。何年か前に放送されたドキュメンタリー「ペーザロの白鳥」で音楽学者としての顔を拝見して以来、いつか伺わなければと思っているうちの訃報でした。合掌。



20世紀はどんどんと遠くなってきています。それを忘却としないために、これからもほそぼそと書いていくことにしますね。ではまた、ごきげんよう。

2017年3月6日月曜日

名古屋文化短期大学にて前島良雄「マーラー再入門」開講

こんにちは。千葉です。
大学の公開講座のご案内ですよ。会場は、名古屋です(泣)。

●名古屋文化短期大学NFCCオープンカレッジ 前島良雄 「マーラー再入門 ~マーラーはいかにしてマーラーになったのか~」

先日も少しお名前を出させていただきました、「マーラー 輝かしい日々と断ち切られた未来」「マーラーを識る」と二冊の刺激的なマーラー論でも知られる前島良雄さんによる講義が、4月22日から三ヶ月連続、土曜日 10:30より開催されるとのこと(スケジュールはリンク先でご確認ください)。毎回資料としてレア音源もいただけるとのことですから、それだけでも元が取れようというものですよ!さらに二回目以降は”激レア”とまで書いてある!!何が出るんですか!!!(落ちつこう私)

このタイトルからは、グスタフ・マーラーの作られてきたイメージも、それに合わせて語られてきた受容史も覆されるのだろう授業が容易に想像できます。嗚呼名古屋は何故に近所ではないのか、と天を仰ぐしかできない私の代わりに、多くの皆さまが参加されることを期待します。マーラーが好きな方にはもちろん、彼のエピソードやら音楽につけられたエピソードに辟易している方も楽しめるものになると思いますので、是非。





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ああもううらやましいなあ、という気持ちをこらえられないご案内はここまで。お申込みはリンク先のご案内をご確認くださいませ。ではまた、ごきげんよう。



2017年3月5日日曜日

3/5&12「N響 第1851回&第1852回定期公演」放送

こんにちは。千葉です。

放送予定のご案内、今回は二週分をまとめてお届けします。その対応の必要があるもので。番組は「クラシック音楽館」、日曜21時からEテレでの放送です。

●N響 第1851回&第1852回定期公演

いずれも出演はシャルル・デュトワ指揮 NHK交響楽団ですが、ソリスト、公演日についてはそれぞれに記載します。

・2017年3月5日(日)

<N響 第1851回定期公演より 2016年12月9日>

ビゼー:歌劇「カルメン」より 第一、第二幕

<N響 第1852回定期公演より 2016年12月16日>

ブリテン:歌劇「ピーター・グライムズ」より 四つの海の間奏曲 Op.33a

・2017年3月12日(日)

<N響 第1851回定期公演より 2016年12月9日>

ビゼー:歌劇「カルメン」より 第三、第四幕

<N響 第1852回定期公演より 2016年12月16日>

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第一番 ニ長調 Op.19 ※
ラヴェル:
  ツィガーヌ ※
  バレエ音楽「ラ・ヴァルス」

※ヴァイオリン独奏:ワディム・レーピン

「カルメン」のキャストは以下のとおりです。

カルメン:ケイト・アルドリッチ
ドン・ホセ:マルセロ・プエンテ
エスカミーリョ:イルデブランド・ダルカンジェロ
ミカエラ:シルヴィア・シュヴァルツ
スニーガ:長谷川顯
モラーレス:与那城敬
ダンカイロ:町英和
レメンダード:高橋淳
フラスキータ:平井香織
メルセデス:山下牧子

合唱:新国立劇場合唱団
児童合唱:NHK東京児童合唱団

せっかくなので、カルメンとホセの動画を置いておきますね。





(…ダルカンジェロの動画はいいですよね、簡単に探せますし)

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二時間の放送枠でオペラを放送する、かつ二回の定期公演の全曲を放送する。この無理めな要求をクリアするため、前回から第1852回定期公演が小分けにして放送されていたわけです。「これがなかったら、過去のデュトワさんとの名演を振り返る形でオネゲルの”クリスマス・カンタータ”が放送されたのではないだろうか…」とは申しますまい(書いちゃってます)。創立90周年欧州ツアーに免じて許してあげます(偉そう)。

なお、この「カルメン」は二公演が行われてそのどちらもがノット&東響(@ミューザ川崎シンフォニーホール、東京芸術劇場)の「コジ・ファン・トゥッテ」と完全にかぶる日程だったという、天国なのか地獄なのかもうよくわからない状況でした。今年はプログラムがよそとガンガンにぶつかるN響、怖い子……と表情が変わったところでご案内はおしまい。ではまた、ごきげんよう。

書きました:東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ第95回・プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」

こんにちは。千葉です。

寄稿した記事のご紹介です。

●東京交響楽団 東京オペラシティシリーズ第95回・プロコフィエフのカンタータ「アレクサンドル・ネフスキー」———知られざる作品の真価を示す上演

公演前には「ぶらあぼ」誌にも寄稿させていただきました公演のレヴューです。記事中では明記しませんでしたが、「シェエラザード」で起きたトラブルとはこれです。


これを乗り越えて、二階正面にいた私にはそれほどの違和感を感じさせなかった現場対応力には感服した次第なのです。トラブル故か、少々構成感がぼやけた感はありましたが、奏者各位の名技の数々はさすがでありました。

そして後半は記事に書きましたとおりの、見事な演奏となりました。ソヴィエト時代の演奏や、冷戦期の独特の緊張を孕んだ演奏とはまた別のものだったことは事実ですが、それはそのまま「時代が変わった」ということでもありましょう(もっとも、ソヴィエト時代を知る数少ない現役の演奏家や、ロシアの現在の演奏家ならどうなるだろう?という思いはなくもないですが、それはそれ、です)。明るい響き、緻密なアンサンブルで聴くプロコフィエフのトリッキーな音楽は楽しいことこの上なく、そう思えば「交響曲チクルス」云々言いたくなってしまうわけですよ、プロコフィエフ大好きな私と致しましては。…難しいことも、かなりよく理解していますけど。

東京交響楽団の今シーズンは3月18日の、同じく飯森範親指揮によるレスピーギの「ローマ三部作」で終了です。記念すべき70周年のラスト、ぜひ。…そうそう、これを買いに行くのもいいかもですよ!(笑)


ではまた、ごきげんよう。

2017年3月3日金曜日

英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン「イル・トロヴァトーレ」

こんにちは。千葉です。
近日公開の、映画館でのオペラ上映のご紹介。

●英国ロイヤル・オペラ・ハウスシネマシーズン「イル・トロヴァトーレ」



これは先日試写会で拝見してきたレポートとセットで読んでいただければ幸いです。記事はこちら。

●ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン「イル・トロヴァトーレ」———四人の歌手たちの饗宴!息つく暇もないヴェルディの名旋律の数々

ロイヤル・オペラ・ハウスのサイトではいろいろと動画も見られます。なんというか、いい感じに暴力的なプロダクションでした。音楽じゃなくて、お芝居として。
このプロダクションを拝見してから気になって原作について調べたのですが、岡田暁生氏によれば「マントと剣もの」とされるジャンルなのだとか。”スペインを舞台にマントと仮面を点けた謎の山賊が大活躍するジャンル”の存在自体が謎に思えますが、日本で考えれば「鞍馬天狗」とか「必殺!」シリーズみたいな、時代や雰囲気までは史実も参照するけど出来事やストーリーは創作、というジャンルを想定すれば理解しやすいかな、と個人的には受け取りました。間違った理解ならごめんなさい(おい)。
そういった虚構度の高いオペラを、正面から演出すると辻褄合わせが大変になっちゃうからなのか、かえって楽しめなかったりします。また、考えオチにするにはこの作品は端的で簡潔に書かれている。えっと、要するに「物事の継起をきちんと作中で描いていない」ということです。ト書きで済まされていたり、見る側の想像に任されていたり。

メインキャスト四人については以下の動画をそれぞれご覧ください。

まずは一番感心したアズチェーナ役のアニタ・ラチヴェリシュヴィリ。


彼女自身のYouTubeチャンネルでコンサート全体が配信されていますので、お時間の許す範囲でどうぞ。

続いてレオノーラ役のリアンナ・ハルチュニアン。


サンフランシスコ・オペラでの「トスカ」ハイライトですが、「歌に生き愛に生き」の前半が聴けます。

そしてマンリーコ役のグレゴリー・クンデ。


これも本人のチャンネル、同作品のマンリーコの有名なあのアリアですね、その前からきっちり聴けます。2015年、ラ・コルーニャでの舞台。

最後にルーナ伯爵のヴィタリー・ビリー。


これも本人のチャンネルより、サンフランシスコ・オペラでの「ルイザ・ミラー」より。

(METにも登場しているキャストが多いような気がするんですよね、ロイヤル・オペラ・ハウス。英語圏の好みは似ている、とかそういうことはあるのでしょうかしらん)

最後にもう一つ、指揮のリチャード・ファーンズの映像を。彼はイングリッシュ・ナショナル・オペラの関連組織「オペラ・ノース」で長く活躍し、その集大成としてワーグナーの「ニーベルングの指環」を上演してます。で、これがその指揮者を映し続けた動画です(笑)。



おそらくプロンプター用だったり舞台裏のためのものだと思うのですが、演奏家以外にはなかなか見られない指揮姿全曲(笑)、せっかくですのでぜひ。ちなみに、この動画は14時間40分超えです(大笑)。
彼の指揮は、現代的な舞台とは逆方向で驚かせてくれます。ヴェルディの同時期の作品や、彼に先行した諸作品を思わせる響きや語り方が随所に聴き取れますので、それも注目のポイントです。いや、聴きどころか…

そんなわけで、3月3日より各地で順次上映のこのプロダクション、一見の価値ありと存じます。作品の捉え方がいろいろと気になりだして、録画しておいたドミンゴがルーナを演じた舞台とか見てしまいましたもの(でもあの演出は好みじゃないですごめんなさい)。

デイヴィッド・ベッシュの演出では、この作品が持っている”力”の側面が明瞭に示されます。お近くの劇場でぜひ。

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ちなみに。レヴューの方で言及しているマルクス兄弟の映画「オペラは踊る」での「イル・トロヴァトーレ」はこんな感じです。



ほんとうはこれ、ネタが大量にぶち込まれたクライマックスなので先に見ないほうが良いんですけど…できたらぜひ全編見てください。お願いします。

以上、大量の動画でお送りしたご案内はこのあたりで。ではまた、ごきげんよう。


「音楽になにができますか~仙台フィル・復興コンサートの記録~」再放送決定

こんにちは。千葉です。

放送予定のご案内、と言っても再放送なのですけれど、ぜひ。

●「音楽になにができますか~仙台フィル・復興コンサートの記録~」

放送日時は2017年3月8日(水) 深夜の25:25から(もしくは9日(木) 1:25~)です。あの地震の当事者でありながら、社会的存在としての仙台フィルハーモニー管弦楽団は何を考え、何をしてきたのか。
おそらく被災地の復旧はある程度進んだのだろう(まだ仮設住宅で暮らしている方も多くいらっしゃいますので、保留なしに申し上げることはできません)、でも”地域の復興”とはなかなか言い難いだろう現状を知る意味でも見ていただきたいと思います。

私個人といたしましては、かつて裏方でバイト君だった頃にも演奏されていた団員の皆さまが健在でいらっしゃるお姿を拝見できたのが嬉しい番組でもありました。
…とは言いながら、昨年9月の三科さんの訃報にどれだけ驚かされたことか。私がお手伝いしていた頃の仙台フィルはどこか若さを感じるアンサンブルで、団員の皆さまもお兄さんお姉さんくらいに感じておりましたから、悲しむより何より驚きが先に立ったものです。この再放送を、いま一度合掌をさせて頂く機会といたします。

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せっかくなので仙台フィルの動画でも、と探してみたのですけれど、公式のものがあのその、エッジの効いたものが多くてですね、この話との雰囲気があのその。

いや、仙台フィルは大変な経験を経て今を生きているのだ、と受け取りましょうそうしましょう。お近くの皆さん、3月28日のコンサートだけじゃなくその10日前のコンサートもお願いしますね!



放送に話を戻しますが、なにぶん深夜の再放送ですので、日時についてはお間違えなきよう(よくやっちゃうんですよ深夜と未明の勘違い)。というご案内はこのあたりで。ではまた、ごきげんよう。

樫本大進が平成28年度姫路市芸術文化大賞を受賞

こんにちは。千葉です。

ニュースのご案内。

●樫本大進が、姫路市芸術文化大賞を受賞!

姫路市芸術文化賞は、公益財団法人姫路市文化国際交流財団が、文芸、音楽、美術、舞台芸術など、幅広い芸術分野を対象に毎年選出する賞です。

樫本大進は、彼が発案し音楽監督を務める「ル・ポン国際音楽祭 赤穂・姫路」が昨年10周年を迎えたことを評価されての受賞です。世界的演奏家による室内楽を、地域に根ざす形で楽しめるように、と開催されてきた音楽祭での受賞については「ル・ポン国際音楽祭は音楽家の私にとって非常に大切な宝物です。その音楽祭が地域の皆様の絶大なご支援を受け、昨年10周年を迎えたことはこの上ない喜びでした。今回の受賞は私個人ではなく、ル・ポン音楽祭が受賞するものと考えます。」と語っています(コメント全文はリンク先でお読みください)。なお、今年も「ル・ポン国際音楽祭」は開催予定ですが詳細は決定次第発表となる、とのことです。

ソリストとして、室内楽奏者、オーケストラのコンサートマスターとしての活躍に加えて
こうしたプロデューサー的実績も積まれる樫本大進にはお若いのに凄いなあ、と感心するのみであります(素朴でごめんなさい)。



樫本大進は今年7月には日本でのリサイタルが、恒例のスケジュールどおりなら10月ころに「ル・ポン国際音楽祭」が、そして11月にはラトル時代最後のベルリン・フィル来日公演が予定されています。どこかで、何らかの形で聴けますように(少し空しい…)。

以上、受賞のお知らせでした。ではまた、ごきげんよう。


第27回 出光音楽賞 受賞者発表

こんにちは。千葉です。
ニュースのご案内。

おそらく最初の公式筋からの発表はこちらでしょう。


出光音楽賞は「1990年に制定された出光興産株式会社主催の音楽賞で、主にクラシックの音楽活動を対象に、育成という観点から意欲、素質、将来性などに重きを置き、新進の音楽家を顕彰」するもの(リリースより)です。過去の受賞者を見ればそのとき時に注目された音楽家たちが今も活躍していることがおわかりいただけるでしょう。

今回選ばれたお三方のうち、東京藝術大学在学中ながら東京交響楽団の首席奏者としても活躍されている荒木奏美さん(オーボエ)はいつもオーケストラの中心で輝いていらっしゃることをよく存じ上げております、おめでとうございます。



反田恭平さん(ピアノ)は先日「ぶらあぼ」誌にアンドレア・バッティストーニとのラフマニノフについて寄稿させていただいています。そこでも書きましたが、あのディスクは必ず後に「若き日の二人の代表盤」となると感じました。おめでとうございます。



小林沙羅さん(ソプラノ)だけ、まだ放送でしかお聴きしていないのでその魅力について語りようがないのがなんとも申し訳ないところですが、多くの公演でご活躍されていることは存じ上げております。きっと聴く機会もそのうちにあるだろう、と期待しつつお祝い申し上げます。



まだ公式サイトでの情報はないようですが、今後の情報はリンク先でご確認くださいませ

以上ご案内でした。
ではまた、ごきげんよう。