2017年3月10日金曜日

上岡敏之&新日本フィル すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル

こんにちは。千葉です。

●すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》公開リハーサル



すみだ平和祈念コンサートは、東京大空襲の日である3月10日前後に毎年すみだトリフォニーホールにて開催されている恒例のコンサートです。すみだトリフォニーホール開館20周年の今年は、上岡敏之&新日本フィルによりマーラーの交響曲第六番が演奏されます。その演奏会を前に、すみだトリフォニーホールで墨田区民とトリフォニーホールチケットメンバーズを対象として公開リハーサルが行われます、というご案内です。すでに会員の皆さん、そして墨田区民の皆さん如何ですか!

…で、私が気づくのが遅かったのでこちらの申込みはもうすぐ締め切りとなります。参加は無料ですが、23日(木)までにお申込が必要です。そんなわけで詳しくはリンク先をご参照ください。確認も申込みも早めでお願いします!すみません!!

ちなみに、3月12日には川越市のウェスタ川越でも同じプログラムの演奏会が開催されます。詳しくはこちらをご参照ください。私としてもそろそろお聴きしなくては、なのですよ上岡敏之&新日本フィルハーモニー交響楽団

 
昨年12月定期のリハーサルを拝見するに、かなりオーケストラとのコンビネーションも仕上がりつつある模様ですし。どうですか皆さん。

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さて、上岡&新日本フィルとこれまた作品がぶつかった格好のパーヴォ・ヤルヴィとNHK交響楽団は、欧州ツアーでこの作品を演奏します。ツアーの前に、横浜みなとみらいホールで22日と23日にもマーラーの同曲を披露します(ツアーの話はこちらで紹介してます)。海外への楽旅では首席奏者クラスが勢揃いしますから、演奏のできは間違いなく現在の彼らのベスト級のものとなるでしょう。ベルリン公演の放送が予定されているようですが(来月のプレミアムシアター、別途記事は立てます)、今なら実演に間に合いますよ、どうですか皆さん(天丼)。なお詳しいコンサート情報はリンク先にてご確認くださいませ。

以上公開リハーサルのご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

※追記。
伺ってまいりました、上岡敏之&新日本フィルによるすみだ平和祈念コンサート2017の公開リハーサル。これまでさまざまな作曲家によるレクイエムを取り上げてきたコンサートでマーラーを、しかも第六番ということであればまずは聴いてみなければ、と思いまして。なによりリハーサルレポート職人なので、私(それくらいしか売りがないのか…)。

できたら終楽章だったらいいな、と期待して(ハンマーだけじゃないっすよ!)伺いましたが、この日のリハーサルは冒頭から。完全に客席が静かになるまで待って「おはようございます」と挨拶して、早々に振り始めるマエストロでありました。で、まずはこれまた長大な第一楽章を通しで演奏します。なんでも今日はリハーサル三日目ということで、彼独特のデフォルメなどは仕込み済み(どこでどう、とは書きませんがアウフタクトからの仕掛け、またグリッサンドの扱いは聴きものですね)、以前のシェフ不在の頃とは違う新日本フィルの音に、随所で感心させられてしまいました。

…と、感心するのはまだまだ早すぎたのです。まず通して手直しなんだろうな、どのくらいやるんだろうと思っていましたが、マエストロは開口一番「金管は吹きすぎて音程を壊さないで。やりすぎると雑音になる」と厳しくも納得の指摘。マーラーは見せ場が多いからついがんばってしまうんです管楽器、なんて私のごとき素人レヴェルの話ではなく、フレーズを意識して音が突出しちゃったりしないよう、和音を壊さないようもっと周りを聴いて音程を作って、などなどより細部まで注意を払うように、という指示なのです。この時点で「公開リハーサルだし、公演前日だからもしかして”通すだけ、ちょっと手直し”くらいかな?」という私の予想は覆ります。第一楽章のはじめから、テンポにフレージングに表情付けに、管に弦に打楽器に直すなおす。
このリハーサルは最初の一コマ(80分)だけの公開だったから、もしかして一楽章だけじっくりやる?でもそれでは超長大なフィナーレまで手が回らないかな?などと困惑する私ほか聴衆とは関係なく、舞台ではリハーサルが進みます。演奏を止めるとすぐかなりの早口であれやこれやと指示を出すマエストロの回転の速さ、耳の良さ、そして何よりヴィジョンの明確さには大いに感服させられるばかり。ノーモーションでテンポを変化させる彼独自の離れ技は、彼の持つヴィジョンあってのものなのでしょう、きっと。もしかして、ピアニストとして演奏するのと同じようなイメージで指揮ができてしまう人なのかしら、とか思ったりもします。

一楽章は一区切り(終盤の追い込み方は楽譜通りながら壮絶)、第二楽章も同じく「通し→手直し」である程度進めたところで時間切れ、短いアフタートークを行って公開リハーサルは終了しました。

ステージ上には昨年9月に就任したばかりの音楽監督はいないし、私が以前拝見したこのオーケストラとはまったく違う音がする。ああそうか上岡敏之と新日本フィルはこういうオケに変わりつつ、いや変わったんだ、と強かに理解させられました。彼らもまた聴かねばならない顔合せのひとつです、間違いなく。

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アフタートークで語られた上岡マエストロのこの作品へのアプローチが、割と自伝的な読み方だったのは少々意外でした。第一楽章のリハーサルでアルマについての言及をしていたこと、第二楽章を始めるにあたって「これは子どものことを思っている音楽なんだ」とオーケストラに話していたのでなるほど、とは思いながらそういう読みを想定しているとは若干意外でした(なお三楽章はマーラーから見た社会、フィナーレはそれらすべての総合的なドラマ、そんな言い方をされていました)。
彼自身はマーラーとは違うタイプ、と言っていましたけれど、それがいわゆる逸話ベースだったのはちょっと気にならなくもないのですが(五月蝿いよマニアさん)、上岡&新日本フィルのマーラーの交響曲第六番はまちがいなく凄絶な演奏になります、気を抜く場所がないくらいの。明日明後日の公演、行かれる方はぜひ楽しんで!

そうそう、カウベルと鐘がステージ上方に配されていて独特の効果を生んでいました(スコアの表記は…確認したらすっごく長かったのでごめんなさい割愛します)。そのあたりも含めて、楽しんで!(天丼)

ということで追記を終了します。ではまた。

※多くご覧いただけている記事に便乗させる格好で申し訳ないのですが、もう一つ上岡敏之&新日本フィルの情報を。
新日本フィルハーモニー交響楽団は三重県津市の三重県総合文化センター内にある、三重県文化会館を地域の拠点として演奏活動をしています。今月もうひとつの上岡&新日本フィルの公演と同プログラムによる三重公演の際、今回とは違って公演の直前ではありますが公開リハーサルが行われるとのこと。3月19日 16時からの公演をより楽しめることは私が保証しますので(心もとないなおい)、このコンサートに行かれる方は是非。詳しくはリンク先にてご確認くださいませ。 そして17&18日に開催される東京の公演はこちらでご確認を。今度こそ追記は終了しますね(笑)。

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