あまり私には関係のない大型連休中、公共放送がクラシック音楽の番組を多く放送するな、と気がついてしまったので簡単ですがリマインドを。再放送は多いのですが、繰り返し放送される価値のあるものだと思いますのでご案内します。
●BS1スペシャル「ショパン・時の旅人たち 第一回国際ピリオド楽器コンクール」
2019年4月28日(日) 午前9時00分~
この番組を見てからこの映像を見ると、かなり効きます。ぜひ。
●BS1スペシャル「ローザンヌでつかんだ未来~バレエダンサー 須弥奈と美桜~」
2019年4月28日(日) 午後11時00分
私にとっての「ローザンヌ国際バレエコンクール」は、とても厳しい解説の方の記憶と、山岸凉子先生の「テルプシコーラ」なのですが、そんなゆるい認識の私とは関係なく毎年開催されて、有望なダンサーたちを輩出しています。これは、昨年のそのコンクールで入賞した日本人のうち、女性二人に密着したドキュメンタリーです。
再放送が5/6に決まっていること、コンクールそのものの放送が6月に予定されていることも付記しておきましょう。
●プレミアムシアター ピエール・ロラン・エマール ピアノ・リサイタル ~クロード・ドビュッシーの墓~/別府アルゲリッチ音楽祭 in ローマ
2019年4月29日(月)【4月28日(日)深夜】午前0時00分~
実はあまりピアノにこだわりがない私ですが、ピエール・ロラン・エマールだけは好きなんですよ。今晩深夜ですが、よろしければぜひ。
なお、エマールのリサイタルのあとにはローマで行われた「別府アルゲリッチ音楽祭」のローマ公演、ピエール・アンタイとスキップ・センペが目黒雅叙園でチェンバロを演奏した不思議なコラボレーションと続きます。
…プレミアムシアターの裏で、「進撃の巨人」「機動戦士ガンダム ジ・オリジン」を放送するのはやめてくれないかな、なんて声は少数過ぎてどこにも届かないんですよねきっと。ええ、理解しておりますとも。
●BS1スペシャル「もうひとつのショパンコンクール~ピアノ調律師たちの闘い~」
2019年4月29日(月) 午前9時00分~
「もうひとつの」、というのはコンテスタントではなくピアノのメーカーの、という意味です。コンテスタントに選ばれるための努力、選ばれた先のサポートなどなど、裏方さんの仕事ではありますけれど、楽器を持ち込めないピアノならではのコンペティションがここにはあります。
●BS1スペシャル「私は左手のピアニスト~希望の響き 世界初のコンクール~」
2019年4月30日(火) 午前7時00分~
左手のピアニスト、と言えば最近ならレオン・フライシャーや舘野泉、歴史的には哲学者の兄上が思い出される。多くの人に知られた作品としてはラヴェルの左手のためのピアノ協奏曲は、そのパウル・ヴィトゲンシュタインの委嘱で産まれたものだ。その系譜を継ぐために、ということもないだろうけれど、昨年「ウィトゲンシュタイン記念 左手のピアノ国際コンクール」が開催されたのだと、不覚にもこの番組の告知で知った。
パウル・ヴィトゲンシュタインが戦争で右腕を失ったことから、当代の大作曲家たちに左手のみで演奏する作品を委嘱したことはご存知のとおりだ。もっとも、パウルはそのうちの作品を演奏しなかったり低い評価を与えていたりするのだけれど。作品の積極的な委嘱ということでは、舘野泉やこのコンクールの実行委員長を務めた智内威雄に引き継がれて、今もレパートリーは増え続けている。
コンクールでは、プロフェッショナル部門とアマチュア部門が開催され、番組ではその双方が紹介されている。プロ部門に出場された皆さんがはじめから片手だけの演奏を極めようとしたわけもなく、この番組で紹介されたプロ部門のコンペティターは皆両手のピアニストとして活躍していたところ、病によって左手のみの演奏を余儀なくされた方々だ。それぞれの困難があり、それぞれの希望があってたどり着いたこのコンクール。門外漢は大いに感心しつつ、ただ番組を拝見したものだ。対して、アマチュア部門はまた別の趣があった。プロ部門が一番の武器を失ったところからの回復に挑むものだとすれば、アマ部門はこれから我が手に何かを掴むために可能性を見出すもの。そんなふうに私は受け取った。
●BS1スペシャル「スラム街 希望のオーケストラ」
2019年4月30日(火) 午前9時00分~
このタイトルからは改元とは無関係に大変なことになっているベネズエラの「エル・システマ」を想起される方も多いかと思いますが、これはフィリピンのセブ島で行われている取組みを紹介する番組です。永田正彰さん、そしてスラムの子どもたちの今後に幸あれ。
●BS1スペシャル「鳴門の第九 歌声がつなぐ日独の100年」
2019年5月2日(木) 午前6時00分~
鳴門市が公式に「なると第九」としてサイトを用意しているくらいですのでもうご存知のかたも多いかもしれません。いわゆる「第九」のアジア初演は映画化もされていることですし。フィクションよりドキュメンタリー派の皆さんはこちらをどうぞ、ということで。
フィクション派の皆さんはこの映画をどうぞ。ブルーノ・ガンツ追悼、ともなりますかしら。
●クラシック音楽館 NHK音楽祭 ドゥダメル指揮 ロサンゼルス・フィルハーモニック
2019年5月5日(日) 午後9時00分~
連休の最後には、一日遅れのMay the 4th be with You、ですよ。ここからN響アワーではない週がしばらく続いて、N響アワー()の再開は6月からです。
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クラシック以外にもオススメしておきたい番組があるので、これもリンクしておきます。
●BS世界のドキュメンタリー「クイーン 素顔のボヘミアン・ラプソディ」
2019年4月29日(月) 午前11時00分~
ドキュメンタリー二本立て。これも再放送ですが、一見の価値どころか録画して複数回みつ価値があると思います。特に後半、モンセラート・カバリエも多く登場していますのでぜひ。
●桑田佳祐 大衆音楽史「ひとり紅白歌合戦」~昭和・平成、そして新たな時代へ~ 平成フィナーレSP
2019年4月30日(火)午後9時00分~
以前総合テレビで放送された番組の拡大版。同業者ならではの視線は新鮮、さすがという感じでしたよ。あの「ザ・ベストテン」の「勝手にシンドバッド」のバンドがこうなったのかあ、とか感慨を抱いてしまいますね(笑)。
●ツタンカーメンの秘宝
2019年5月3日(金) 午後5時00分~(三日連続、放送時間は各日ごとにご確認くださいませ)
昨年末に第一回だけを総合テレビで放送しておきながら「あとはBS8Kで!」というとつけむにゃあ放送をしてのけたあの番組が、ようやく放送されます。もちろん、8K収録のよさは8Kの映像でこそ楽しめるんでしょうけど、そこはそれということで。
●BS1スペシャル「東京ロストワールド 秘島探検の全記録」
2019年5月3日(金) 午後7時00分~
これはNHKスペシャルで放送された「東京ロストワールド」の再編集版ですが、実に興味深い生態やら地球の活動やらが楽しめます。特にも、南硫黄島の生態系は刺激的です。マダガスカル島の例を見るまでもなく、隔離された離島はあたかも生態系の実験室の如き、であります。
●密着ドキュメント 小田和正~毎日が“アンコール”~
2019年5月4日(土) 午前1時20分~
これはまあ、私も世代の一人ということで。大ファンです、とは言いませんが小さい頃にオフ・コースを聴いて、ある時期にはドラマで流れる彼の声を聴いて、そして今に至るわけなので。学校の先輩筋でもありますし(学部も違えばこちらは圧倒的に不出来な後輩ですけど)。ツアーに密着したこの番組自体はとても興味深いものでした。
また、5/1早朝にはインタビュー ここから「小田和正」も放送されますのでので、ご存じないファンの方は併せて是非チェックを。
公共放送の連休、元号関連ばっかよね~と思われた方はBSですよ。以上、自称BSコンシェルジュの(おい)私からのご案内でした。では。
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