6月最後のNHK BSプレミアムシアターは25日24時からの放送です。
ドイツは昨今の風潮に抗う気概を、期せずして示すかのように新ホールを立て続けに開館していますね。
(期せずして、というのはホール建設にかかるタイムラグを考えて、今現在の文化軽視の風潮を予測していたわけではないでしょう、ということですよ)
●ピエール・ブーレーズ・ホール こけら落とし演奏会/ズービン・メータ指揮 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 創立80周年記念演奏会
先日放送もされたハンブルクのエルプフィルハーモニーはオーケストラが存分に活躍できるサイズの大ホールでしたが、ベルリンに新設されたピエール・ブーレーズ・ザールは室内楽用の小~中サイズのホールです。
その杮落としコンサートは、独奏から十数人のアンサンブルまで、声楽に管楽器にピアノに弦楽アンサンブルにと編成的に、そしてモーツァルトからヴィトマンまで200年以上の時代的に幅のあるプログラムは如何にも挑戦的なもの、ここにもドイツの理想主義的スタンスが見えるような気がします。気のせいかもしれませんが。
さて、このホール独特の形状は、ブーレーズが嫌った”無自覚な伝統の踏襲”(マーラーが言うところの”伝統”ってやつですね)を演奏家の配置でも行えるように、という遺志を継いでいるように思えます。中に入ってみるとこんな感じ、というおそらくは現地の方の動画がありましたのでご覧ください。
なお、このホールについてのニュースや演奏の動画はYouTubeを「Boulez Saal」で検索すればいくらでも出てきますから、ここでは一つ方向の違う動画をばご紹介。
ベルリン・フィルのホルンセクションで活躍するサラ・ウィリスのYouTubeチャンネルで見つけました。今をときめいていらっしゃる永田音響設計の豊田泰久さんが、このホールについての短いインタヴューを受けていらっしゃいます。チケットの話、なかなか真似できませんよこれ…(笑)
なお、せっかくですのでこのホールについて先日少しまとめた記事もご参照くださいませ(実はこのスケジュールを確認して、書きかけの記事を慌てて仕上げた←おいおい)。
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実はまだ実演では聴けていない私の場合、イスラエル・フィルといえばバーンスタインが若き日にパレスチナ・フィル時代のこのオーケストラとのエピソードがまず思い出されるものだったりします。そうですね、それがWWII直後の話なのだから、それだけの時間をこのオーケストラが生きてきたわけですね。しみじみ。
いつかその音を聴く機会を得られますように、と思いながらまずはこの演奏会を拝見するとしましょうそうしましょう。
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生まれたての会場のデビュタントと老舗となったオーケストラの記念碑、そしてプログラムも前半の多様な作品によるものに対してこちらはオール・ベートーヴェンと、この日は前後半で見事な好対照となっております。どちらも存分にお楽しみあれ。
ではご案内はこれにて。ごきげんよう。
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