2017年6月3日土曜日

サー・ジェフリー・テイト(指揮者)死去

こんにちは。千葉です。
またしても訃報が届いてしまいました。

●Sir Jeffrey Tate: Conductor with spina bifida dies at 74

サー・ジェフリー・テイトが6月2日に亡くなられました。訪れていたアカデミア・カッラーラで心臓麻痺のため、とのこと。ベルガモの新聞が第一報だったようですが、騎士への敬意を表して英国放送協会のニュースへリンクさせていただきました。1943年生まれの彼ですが、騎士への叙勲は今年のことだったのですね、少々意外でした。

生まれついての二分脊椎症故に椅子に座って指揮するスタイルでおなじみの彼は、日本ではやはり「デイム・ミツコの共演者」としてよく知られた、と紹介すべきでしょうか。自らの難病故か、はじめ医師を目指した(実際その資格を持っています)彼の音楽家としてのキャリアは、サー・ゲオルグ・ショルティ時代のロイヤル・オペラ・ハウスで、コレペティトールとして始まっているんですね。そして1985年にはイギリス室内管弦楽団最初の首席指揮者に就任、内田光子とのモーツァルトはこの時期の記録です。その後もロッテルダム・フィル、サン・カルロ劇場、そしてハンブルク交響楽団と活躍を続けていました。合掌。

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ハンブルク交響楽団のYouTube公式チャンネルより。

こうして指揮者の仕事の半分以上を占めているだろうリハーサルが見られるようになったことは、取材して記事にしたりもする私には商売的に問題ではございますが喜ばしいことです。当日ステージに立つまでのコミュニケーションにこそ、指揮者の成し遂げたことがある、とまでは言いませんけれど、彼を悼む意味でもう一つ、英国音楽のリハーサルを貼っておきます。



先日お伝えしたばかりのイルジー・ビエロフラーヴェクもそうでしたが1940年代生まれのマエストロの死には、大往生と申し上げられない気持ちが残ります。ですが彼らはこのように音楽を遺してくれていますから、それらをいま一度見つけていくのが何よりの供養というものでしょう。改めて合掌。

ではまた、ごきげんよう。


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