指揮:尾高忠明
ピアノ:ジャン・チャクムル(第10回浜松国際ピアノコンクール優勝者)
管弦楽:東京交響楽団
シューマン:ピアノ協奏曲 イ短調 Op.54
ショスタコーヴィチ:交響曲第五番 ニ短調 Op.47
始まってみればなんとやら、とは言うけれど。こうして毎日なにかしら書いてきた私には十分に長い、決して短くはないフェスタサマーミューザKAWASAKI2019もいよいよ最終日。オープニングをまったくの独自カラーで彩ったノット&東響から、尾高忠明と東響によるクロージングで、この夏祭りは幕を下ろす。残念ながらチケットは完売とのこと、口惜しく感じられたあなたは来年に向けて調整を始めてください(おい)。ほら、多摩川の向こうはいろいろ大変みたいですし、2020も連日フェスタサマーミューザKAWASAKIがいいと思いますぜあたしゃ(誰だよ)。
…ちょっと先走りました、まずは今日の話をいたしましょう。東響ファンには聴き比べの楽しみが味わえる、一回で二度三度と美味しいプログラムがフェスタの終わりを飾ります。指揮は尾高忠明。前立腺がんの公表と療養からの復帰を、まずは喜びたい。
まずは前半に演奏されるシューマンの協奏曲。6月にスダーンと菊池洋子の演奏で聴いたばかりでの演奏で、登場するソリストはジャン・チャクムルだ。
浜松国際ピアノコンクールで優勝した彼と東響の共演はまさにそのコンクールファイナル以来だろうか。この動画を見る限り、東響は彼を尊重して共演を楽しんだように見えるので、今回も濃厚な音楽的対話が期待できるのではないだろうか。
そしてサマーミューザの最後に演奏されるのはショスタコーヴィチの交響曲第五番、プラウダ批判によって陥った危機的状況からの名誉回復の一作…とかつい書いてしまいますが、そういう話は今日はいいでしょう。
むしろ、5月にノット監督と演奏したことを思い出して、その時との違いを楽しむのがいいだろう。
とはいえ「サントリーホール一回だけの公演で聴けませんでした」「りゅーとぴあにまでは行けません」という方も少なくないだろう。そんなあなたにこのサービスを!…っていやらしいなこの言い方。レコーディングされたということでもありましたので、しばしお待ちいただければCDでも聴けるはず、です。
余談はさておき。上田仁時代に多くの日本初演を行った東京交響楽団のショスタコーヴィチでミューザ川崎シンフォニーホールの夏祭りは終わる。今日ばかりは私も「ヴォルコフの”証言”は」とか「第四番とは近い作品で」とか言わず、出てくる音をじっくりと楽しもうと思う。休館から半年とちょっと、やっとここまで来たんだな、と感慨を持って。
*************
まだ更新前なので今の時点では読んでいただけませんが、8/10にミューザ川崎シンフォニーホールで開催された「かわさきジュニアオーケストラ 発表会」についてレヴューを紀行しています>「ほぼ日刊サマーミューザ」。
0 件のコメント:
コメントを投稿