こんにちは。千葉です。
2月26日深夜24:00~(27日未明0:00~)から放送される、NHK BSプレミアムのプレミアムシアターのご案内です。オーケストラの演奏会とドキュメンタリーの三本立ですよ。
●アンドリス・ネルソンス指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会/ドキュメンタリー『マエストラ 指揮台への長い旅』/ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団演奏会
順番に少しずつコメントしますね。
・アンドリス・ネルソンス指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会
音楽監督として活躍するボストン交響楽団とのレコーディングがグラミー賞を受賞したばかりの、そして今回放送されるライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の首席指揮者に今年就任するアンドリス・ネルソンスの活躍は、今や無視できないものです。オペラでもシンフォニーでも経験を積んで存分に活躍するマエストロが、「欧米」とくくられながらあり方の違う2つのオーケストラでどんな活躍を見せてくれるものか、この日放送されるコンサートからも伺えるでしょう。
曲目はヴェーベルン、ワーグナーに「春の祭典」ですよ。…ライプツィヒ、ここまでモダンなオケになるとは思いませんでしたなあ、なんてかろうじてクルト・マズアの時代を覚えているおじさんの感慨でした。それはブロムシュテット、シャイーと続いた長い近代化(と書くと何か申し訳ないけど)による成果、良いも悪いもないのですけれど。
「ミュージシャンズ・アット・グーグル」に登場したアンドリス・ネルソンス。一時間くらいあるのでお時間のあるときにでもどうぞ。
・ドキュメンタリー『マエストラ 指揮台への長い旅』(2016年 ドイツ)
おそらく、生きているうちに消えてくれると期待している言葉、「女性指揮者」のドキュメンタリーです。
シルヴィア・カドゥフ、マリン・オールソップ、バーバラ・ハンニガン、アヌ・タリ、コンスタンティア・グルズィが出演者に並んでいますが、この中で演奏を聴いたことがあるのはマリン・オールソップだけ(それもプロムスのラストナイトの放送)、去年アヌ・タリを聴く機会もあっただろう!こういうファンが「女性指揮者」を特別な存在にしてしまっているんだよ、いい加減にしろ!(自虐)ということで、勉強させていただきます。(この姿勢自体が根本的な問題のひとつだとわかっていても、私が無知であることは認めておくべきだと考える次第です)
なお、ソプラノ歌手として壮絶なパフォーマンスを繰り広げる(大げさではない)バーバラ・ハンニガン、指揮者としても活躍していつことは最近知りました。こんな感じみたいですよ。
イェーテボリ交響楽団との演奏会より、ノーノとハイドン(!!!)。
せっかくだからもう一つ、歌い振り(???)でストラヴィンスキーの「放蕩者の遍歴」より。
・ミルガ・グラジニーテ・ティーラ指揮 バーミンガム市交響楽団演奏会
名前も知らなかった彼女がバーミンガム市交響楽団に招かれた、というニュースを、驚きを持って紹介しながらも「このオケならやる」と感じたのも事実です。その首席指揮者デビューとなった一連のコンサートから、プロムスでの演奏会を放送するとのこと。
なお、こちらの演奏会でバーバラ・ハンニガンが披露する「レット・ミー・テル・ユー」はハンス・アブラハムセンの曲で、アンドリス・ネルソンスがボストン響の演奏会でも取り上げています。ということで上手くこの番組全体がつながってくるという。そしてアンドリス・ネルソンスはご存じの方はご存知のとおり、バーミンガム市交響楽団でも活躍していましたから、ひそかにバーミンガム市交響楽団応援番組かもしれません(陰謀論)。
冗談はさておいて。ボストン交響楽団はアンドリス・ネルソンスとともに今年来日しますので、今のうちに聴いておくと良いと思います。ボストンとライプツィヒ、違う特色のある団体をどう振り分けているのか、彼はこの先どことどんな仕事をしていくのか。長くお付き合いすることになるだろう、”この時代のマエストロ”だと思いますので。
では紹介はこのあたりでおしまい。ではまた、ごきげんよう。
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