こんにちは。千葉です。
昨日拝見した「ナブッコ」でも告知があったので、そして既に現地では好評で迎えられている模様なのでご紹介しましょう、METライブビューイング次回作。
●METライブビューイング グノー「ロメオとジュリエット」
ヴィットリオ・グリゴーロとディアナ・ダムラウが主役のこの舞台は新演出のプロダクション。グノーのオペラと言えばまずは「ファウスト」でしょうけれど、これも名作を原作とした作品です。バートレット・シャーの演出、指揮はジャナンドレア・ノセダです。
上映は2月25日より各地劇場にて。METらしい大きい舞台を活用した大きい見せ方、旬の歌手の舞台、お楽しみあれ、です。
<参照> 現地評1 現地評2 現地評3
※追記。2月27日拝見しました。オススメです。
演出のバートレット・シャーは「オテロ」「ホフマン物語」でもいい仕事をしていました、というより渡辺謙を起用した「王様と私」の演出をした、という方が一般的に通りが良いかもしれません。ミュージカルやストレートプレイで活躍する彼の演出は流れもよく美しい場面も多いもの。上に貼っておいた動画のうち、一番下の喧嘩の場面はここに至る流れの作り方に感心しました。先日笈田ヨシさんの講演を伺ったばかりだから、つい演出家が仕事をしている部分に注目してしまった、というのはあるかもしれないのですが、ここの目配りは素晴らしいです。
なおこの舞台、中世ヴェローナに限定されない「どこかの都市、いつかのお話」くらいの虚構性なのだとか(休憩中のインタヴュー参照)。フェリーニの「カサノヴァ」を参照したという衣装デザインはたしかに考証や再現より、表現を意識したもの。セットは基本一つのもので小道具や見せ方で場面を変えるものですが、映像的にも楽しめます。
そして音楽。ノセダの指揮や、ミハイル・ペトレンコのローレンス神父(が腹に一物あるように見えるのは昨年の「ファウストの劫罰」のおかげ←おい)、キャピュレットのローラン・ナウリにマキューシオのエリオット・マドールなど見どころ聴きどころは多いけれど、主役二人の前には霞んでしまう、と言わざるをえない(いや、実際にはこのプロダクションのスキのなさが主役の二人をより盛り立てているのだけれど、お決まりの物言いということで許してください)。
ヴィットリオ・グリゴーロのロメオと、ディアナ・ダムラウのジュリエットは素晴らしいです。これでますます向こうで人気になって、なかなか日本でのオペラ公演には出会えないことでしょう…多くを語ってもしょうがないので、上の動画で気になった人は今週中の上映なので迷ってる暇はないです。ぜひ劇場へ。
グノーの歌劇は「ファウスト」以外ちゃんと聴けていない状態なので「ロメオとジュリエット」も初見でしたが、戯曲から台本に落とす際にうまい具合に名台詞を入れ込んで、エンディングも甘めに改変されていてちょっと泣けます。原作の絶望的な入れ違いを、…ってここからは書かないほうがいいでしょう。ぜひ劇場へ(二回目)。
以上お知らせでした。ではまた、ごきげんよう。
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