こんにちは。千葉です。
お金がなくて(直球)映画館には行けないので、録画した映画をよく見ています。あと、気楽に流しておける吹替の洋画(最近、民放BSはよく流してくれるので助かります)。そのあたりを見ては忘れていくのもどうかな、と思ってメモ代わりに少しだけ書いておこうかなと思いまして始めます。
ですが、”読むに値するもの”にする努力はクラシック物のときの半分程度ですし(自分調べ)、いわゆるシネフィルではない千葉の書くことなので、”映画”タグの記事はスルーしていただくほうが良いかもしれません(笑)。
とか言いながらメモその一。
●「寒い国から来たスパイ」
ジョン・ル・カレの1963年の小説を原作としたスパイ小説の映画化(1965)。監督はマーティン・リット、主役のリーマスはリチャード・バートン。
自分の冷戦の記憶はモスクワ・オリンピック以降なので(その時点でもまだまだお子様)、”壁”周りのドラマにはあまりリアリティがなかったりします。”壁”が崩壊したあの日のことは、だいぶ鮮明に覚えているんですけどね…
壁の向こう側に潜入したスパイの、地味だけど緊張感の高い作戦の結果や如何に。結末に至るプロットはツイストも効いていて、なるほど名高い作品であるわけだと思う次第。
もう一作。
●「オデッサ・ファイル」
こっちはフレデリック・フォーサイスの小説(1972)の映画化(1974)。監督はロナルド・ニーム、主演はジョン・ヴォイト。
フリーランスのジャーナリストを生業とする主人公が、ケネディ暗殺の日に自殺した一人の老人を調べることからナチスの、というか収容所幹部の生き残りを巡ってギリギリの調査を繰り広げ、ついにたどり着くゴールのその先は、という感じでしょうか。
ドイツでは、戦争をした世代と戦後世代とが陰に陽にぶつかったのですなあ、という部分に感慨が強く残ったりします。
えー、実のところを言ってしまえばなんのことはない、どちらも「今さら冷戦期のスパイ小説読むのもどうかな」という怠け心もあって見たものでしたが、なかなか楽しめました。名画のたぐいは見ておくべきですね、と今さらながら自戒しましょう。
そしてクラシックの人的な意見を少しばかり。
20世紀のクラシック音楽は、多かれ少なかれこの時代に規定されています。私見ですが、ショスタコーヴィチやプロコフィエフの生涯を考える時にソヴィエトが無視できないのと同じくらい、たとえばカラヤンの時代を知る上でWWIIから冷戦に至る流れは無視できません。スターリン抜きで語られるショスタコーヴィチの前半生が多くの欠落を持つように、壁の建設によって”浮島”になってしまった西ベルリンの状況抜きで考察される”世界最高のオーケストラ”の物語も多くの不足を持つものです。
なにも「必ずそんな要素をも書いた上で、音楽の評価をしろ」と言っているのではなく、「その要素を考慮に入れない、前提として理解していないと音楽についても見落とすものが多い」と申し上げたいのです。”旧東側オーケストラのレコーディングには国の威信がかかっていたりする”とか”オーケストラは国の代表のように扱われていた”とか、そんな時代を理解しておくのは決して損にはなりませんよ、っていうか違うな、損得の話じゃなくて…以降は長くなるからまた別途。
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なお、映画はレンタルでも劇場でも放送でも、基本は”原語版を日本語字幕で見る”ようにしていますので、特筆がなければそういうことです、ということで。ではまた、ごきげんよう。
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