2017年5月15日月曜日

アンサンブル・アンテルコンタンポラン、創設40周年

こんにちは。千葉です。
いささか旧聞ではございますがニュースを一つ。

●L'Ensemble Intercontemporain à l'avant-garde depuis 40 ans

記事の日付としては3月17日なので、あきらかに旧聞です。ですがこんな動画を発見してしまうと紹介しておかないのもイカンかなと思うわけです。



アンサンブル・アンテルコンタンポランが創設40周年を迎えて開催したコンサート、なんと三時間半に及ぶ祝祭です。素晴らしい。

挨拶に続いて冒頭で演奏されるベリオ、クセナキスあたりは「20世紀音楽」という括りに入る作品群ですが、このアンサンブルがそれらの作品の歴史を生み出してきたことを踏まえて考えれば十分以上に「現代」の音として響きます。アンサンブル・アンテルコンタンポランのYouTubeでの展開は、本当に大歓迎です。

…もちろん、こうした作品と縁のある団体による再演はありがたい一方で、”正典”として作品受容を限定しかねない面はあります。ですが演奏頻度が低く、実演に触れられる可能性が低い作品の場合こうして実演の映像に触れられることのメリットのほうがよほど大きいので、ここではその可能性を指摘しつつ、うかうかと楽しく配信されたパフォーマンスを楽しませていただこうと思います。皆様も是非。知らない音楽に触れられるのって楽しいですよ?ライヴパフォーマンスとしての「現代音楽」、かっこいいんですから。

これではさすがに長過ぎて、という方には「ブーレーズ音楽論」で展開された思考の成果として生まれたアンサンブルの、代名詞的作品として彼の「レポン」を、現在の音楽監督マティアス・ピンチャーが指揮したものを置いておきますね。1995年のあのフェスティヴァルのころは、ライヴエレクトロニクスの駆使とかそれだけでワクワクできたなあ…(遠い目)


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…では、おまけにもう一つ、私からかってに懐かし映像をば。いや、「かってに」とは申しましたがちゃんとアンサンブル・アンテルコンタンポランの公式サイトからの提供です。YouTubeにはなかったのですが、リンク先で御覧いただける若いマエストロ、どなただと思いますか?

はい、20年前のジョナサン・ノットです。あまり多くの方が触れないのでときどき不安になるのですが、彼を語る上でこのアンサンブルの音楽監督を務めていた(2000-2005)ことは重要なポイントだと考えています。それ故に幅広い時代の作品を絶妙に組合わせるプログラムができるのでは、と。
もちろんそれだけがノット監督の強みではないけれど、昨年オペラを披露して手持ちのカードをほぼ示してくれた今、改めてアンテルコンタンポランとのつながりを指摘しておくことにも意味はあるのかな、と感じるオペラシティシリーズ後の私でありました。

では紹介はここまで。ではまた、ごきげんよう。

※追記。アンサンブル・アンテルコンタンポランで長く活躍されているピアニスト、永野英樹さんが7月4日に横浜みなとみらいホールで興味深いプログラムを披露します。詳しくはリンク先にてご確認くださいませ。


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