2013年6月30日日曜日

一言でいうなら、「ドイツ推し」ですかしら…

こんにちは。千葉です。

左手の火傷、たしかにまだその痕が残っているのだけれど、自分としてはやけどした時に思っていたよりはずっと治ってきました。少し安心して音楽が聴けましょう、ってそれだけでこっちが停滞しているわけではないのだけれど…

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さて、先週はラトル&BPhのコンサート、そしてメータ&ミドリのコンサートが放送されたNHKの看板番組(いつまでも言い続けることになりそうな気がする)プレミアムシアター、今晩はバレエだからいいかなって思ってたら音楽はラモーやリゲティ、ケージだったり、振付がカニングハムやトリシャ・ブラウン、ウィリアム・フォーサイスだったりすることにいまさら気づいたので今晩も録画です。F1の裏ですからね、さすがに生放送では見られない…(笑)

ちなみに。テレビ放送の感想が書きにくくて困っているのは実に簡単で困った理由です。それは「テレビのスピーカで聴いた音で評価なんてできないっす」というもの。イヤホンで聴くのはどうも耳に負担が大きいように思えてきたもので、最近困っているのです、この薄い音像に。先立つモノがないから時期はまったくの未定だけど、スピーカ買わないといけないのかなあ…



これ評判いいけど、どうなんでしょうねえ。テレビの出力がイヤホン端子しかないからどうにも、イマイチ選考に熱が入りませんわ…レコーダから出力すればいいのかな、むむむむむ。

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それはさておき、7月の看板番組のスケジュールが出ていましたので、さくっとご紹介を。来る7月、クラシックファンにはありがたいものになりそうでござる。

●7月15日(月)【7月14日(日)深夜】午前0時~午前4時10分

・ワーグナー生誕200年記念 ガラ・コンサート・イン・バイロイト
・ドキュメンタリー 「神々のたそがれ ~バイロイト音楽祭の諸相~」

今年の記念年を祝うガラ・コンサート(番組サイトには指揮者名が書かれてないけどティーレマンですよね、これ)、そして2008年のドキュメンタリでワーグナーとバイロイトをより知るための四時間強、でしょうか。まあ、きっと綺麗な話が中心なんだろうなあ、跡目争いとか思想的どうこうじゃなくて(わりと悪趣味)。

●7月22日(月)【7月21日(日)深夜】午前0時~午前4時

・ベルリン・フィル ワルトビューネ・コンサート2013
・ウィーン・フィル シェーンブルン夏の夜のコンサート2013

夏の風物詩、と説明抜きで言ってもいいのだろう、名門オケによる夏のお楽しみ野外コンサート二つ、です。最近このあたりの「季節もの」に対応してくる番組の編成、好感しております!(笑←偉そう)

ラトル&BPhは今回、普通のコンサートのプログラムに見えるメンコン&第九を持ってきたのだけれど。あの人の記念年にメンデルスゾーンだし、さらに相互に大きく影響を与えた※ベートーヴェンでしょう?不在のワーグナー・プログラムに見えるのは邪推かなあ。まあ、何も考えず「テツラフさんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」とか「第九はいつ聴いてもいいねえ…(cv石田彰)」、くらいでもいいと思いますよ。いや本当にね。

一方ウィーン・フィルを指揮するのはロリン・マゼール。彼はそんな邪推など無用とばかりに、ヴェルディとワーグナーを並べてます。ええ、ええ。これでは千葉でも深読みのしようがございませんわ(笑)。

●7月29日(月)【7月28日(日)深夜】午前0時20分~午前4時20分

・ポリーニ&ティーレマンによるブラームスのピアノ協奏曲 第2番&交響曲 第2番
・ポリーニ&ティーレマン指揮 ドレスデン国立管弦楽団演奏会

これはなんだろう、タイトルがそっくりでコピペの失敗かと思いましてよ(笑)。ちゃんと見ればなんのことはない、ふたつの「ブラームスを軸にした器楽派ドイツ音楽」プログラムのコンサートでポリーニ&ティーレマン&SKDによるブラームスのピアノ協奏曲が揃いますよ!というものでした。
個人的に少し意外なのは、セルが交響曲と称したとされる第二番はメインプログラムじゃなくて(交響曲第二番がメイン)、むしろ若書きともされる第一番がメインに置かれている、ところですね。レーガーのロマンティックな組曲、大きい作品なのかしら…(調べたら30分くらいの管弦楽曲みたい)

ともあれ、現在のポリーニによるある種集大成にも感じられるコンサートになっているのではないかしら。ティーレマンはそれほど好みでもないのだけれど(良くも悪くもオペラ上がりの指揮者だと思う、だからワーグナーはむしろ好きな方です)堂々たる演奏であるだろうことは予想がつくので、この控えめな評価を覆すような演奏であることを期待しましょう。




ああ、録音があるのですなあ…でも最近ときどき思うんです、音源のみの販売、いつまで中心的な役割になるのかなあ、と…(その話はまたいずれ)

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ということで簡単なご紹介でした。あれ、ヴェルディの序曲を除くとドイツものばっかり?むむむむ…ともあれ本日はこれにて、ごきげんよう。

2013年6月21日金曜日

いいものもある、だが悪いものもある。ではこれは?

こんにちは。と言うかほんとうにご無沙汰いたしました、千葉です。

いちおう空白の理由は向こうのブログにも書きましたとおり、左手の火傷からくる心身の不調ゆえ、でした。体調が悪くて音楽など上手く受け取れませぬ、ただせめてそのお詫びをしておくべきでありました。本日はちょっとどうとも取れるニュースを知ったので、復帰戦とて少し書きますです。

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サッカーの話題が落ちついた後の千葉のTwitterのタイムラインでは、しばしこれが話題になっておりました。見てないけど新聞広告を出されたんですね。

◆2013年9月 Opera AIDA in TOKYO DOME

なるほど。闘強導夢、じゃなくて東京ドームでまたオペラをやると、アレーナ・ディ・ヴェローナのアレの引越し公演で「アイーダ」です、と。

千葉がフォロウさせていただいてる皆様には以前の、バブル期の来日の記憶も千葉同様にあるようでございまして(そりゃそうか)、千葉同様にあれやこれやの反応がございました。
千葉がツイッターで書きました反応は、どちらかと言えばいわゆる業界っぽい見方になっちゃいました、情報を知ってまず今から9月の公演の売出しってのがどうかな、と思ってしまって。それをここにざっくり書き残すならば、「おそらく顧客層を明確にターゲティングして(悪く言えば皮算用)、この記念年に打ち上げる花火としては失敗しない程度の予定はあるのだろう、ただしその座組はポピュラー畑のものに思われるので充分に機能するかどうかは不明、客層も不明」というもの。きっと、千葉がブログやTwitterでおつきあいいただいているような皆さんがチケットを買っていく公演ではない、んですよ。じゃあ誰が行くんでしょうね?(笑)

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まあ皮肉っぽい言い方にはなりましたが、ヴェローナの上演が悪いものだと言っているわけではございませぬ。彼らの「アイーダ」、最近の映像が公式に配信されてましたから以下に貼っておきましょう。



巨大な舞台に大量の出演者。豪華であります。まあフェスティヴァルとしてはありだと思いますし、この作品はそもそも特別な意味合いを持たされたものだから、そしてヴェルディ作品の中でも見世物的要素をも取り込んだグランド・オペラ路線の極北ですから、「特別な上演」としての演出なのでしょう。今風の読み替えがどうこういうような演出ではなく、スペクタクルを提供する場としての劇場、まあこれはこれで。

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しかしその一方で、この作品は伊達にヴェルディ最晩年の傑作ではないわけで。筋立てはシンプルなメロドラマでありながら、学者オーギュスト・マリエットの原案があって相応にオーセンティック(もちろん、現在の研究の水準から見たらただの面白ストーリーなのかもしれませんが)、そして中盤の凱旋が終わればあとはドラマ的には袋小路へ一直線の心理劇。そういった面は近年の、たとえば千葉は好きで聴いているのだけれどアーノンクールの盤ではこれでもかと強調されてます。なんかチューリヒでの上演は読み替えで現代のパレスティナだったとか…(まあ、ありだと思いますけど)


そう、安心して楽しむことを許してくれる見世物でもあり、同時に最高のドラマを、オペラを楽しめる作品でもある。そういう作品ですから、どんな経緯でどなたが行かれるのかイマイチ想像できないのですが(笑)、行かれる方が楽しまれますよう。

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いいなあ、まだ実演は見たことないんですよね「アイーダ」。この先あまり機会もなさそうだし…いろいろ言いましたが、千葉の一番素朴な感想はこれであります(笑)。関係各位も含めて、公演が成功に終わりますようお祈り申し上げて本日はおしまい。ではまた。




アーノンクールのプロモーション映像もございました。よろしければどうぞ~。