2017年5月29日月曜日

2017年度武満徹作曲賞決定

こんにちは。千葉です。
審査員にハインツ・ホリガーを迎えて開催された恒例の作曲コンクールのリザルトについてご案内します。

●2017年度 武満徹作曲賞 決定!

以下公式サイトより、書式のみ少々整えて引用します。

●本選演奏会 2017年5月28日(日) 会場:東京オペラシティ コンサートホール
指揮:カチュン・ウォン
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団

受賞者
第1位 坂田直樹(日本)「組み合わされた風景」
第2位 ジフア・タン(マレーシア)「at the still point」/アンナキアーラ・ゲッダ(イタリア)「NOWHERE」/シュテファン・バイヤー(ドイツ)「私はかつて人肉を口にしたことはない」

講評によれば「この2位のなかには順位はございません、全員同等の2位」とのことでしたので、その旨明示するよう整えました(なおリンク先にはホリガーによる長い講評が載っていますので興味のある方はそちらをご覧ください)。

なお、本選演奏会はNHK-FMの「現代の音楽」で放送される予定、とのことです。

以上ご案内でした。ではまた、ごきげんよう。

2017年5月28日日曜日

5/28(29)「ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2017 IN パフォス/グリゴーリ・ソコロフ ピアノ・リサイタル」放送

こんにちは。千葉です。
28日深夜24:00~(29日未明0:00~)からのNHK BS、プレミアムシアターのご案内です。

●ドキュメンタリー  ヨーロッパ・コンサートの舞台  世界遺産パフォス(キプロス)/ベルリン・フィル ヨーロッパ・コンサート2017 IN パフォス/グリゴーリ・ソコロフ ピアノ・リサイタル

前半は毎年恒例、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の創設記念日(5月1日)に欧州各地で開催しているヨーロッパコンサートの放送です。今年は指揮にマリス・ヤンソンスを迎え、キプロス島のパフォスで開催されました。



曲目も書いておきましょう、協奏曲のソリストは”クラリネット一家”と言いたくなるオッテンザマー家の次男にしてベルリン・フィルの首席奏者アンドレアスです。

ウェーバー:
  歌劇「オベロン」序曲
  クラリネット協奏曲第一番 ヘ短調 Op.73
ドヴォルザーク:交響曲第八番 ト長調 Op.88

そして後半に放送されるのは2015年にフランスのプロヴァンスで開催されたグリゴーリ・ソコロフのピアノ・リサイタル。バッハからドビュッシーまで、幅広い時代の作品で構成されたプログラムですね。


こちらは2014年のリサイタルから、曲は違うけれど今回放送されるリサイタルでもプログラムに入れられているシューベルトです。

そんなわけで、五月の最終週はコンサートですよ、というご案内でした。ではまた、ごきげんよう。


2017年5月27日土曜日

タオルミーナG7でチョン・ミョンフン指揮スカラ・フィル演奏

こんにちは。千葉です。
ニュースでチラチラと見せられてちょっと欲求不満が昂じてしまったので(笑)ここにまとめておきます。
タオルミーナでのG7首脳会合での、チョン・ミョンフン指揮スカラ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏についてです。演奏の模様は公式に配信されていますが、文字情報がなかったので以下にまとめました。

●#G7Taormina I Leader al Teatro Greco per il concerto dell’Orchestra Filarmonica della Scala(Palazzo ChigiのYouTubeチャンネルより)


プログラムは以下のとおり。

プッチーニ:歌劇「蝶々夫人」より 第二幕第二部冒頭
ヴェルディ:
  歌劇「椿姫」第一幕への前奏曲
  歌劇「運命の力」序曲
ロッシーニ:
  歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
  歌劇「ウィリアム・テル」序曲
(マエストロからの挨拶/イタリア語)
アンコール
マスカーニ:歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲

どれもこれも、本当に続きが聴きたくなる演奏ばかりで、昨年の「蝶々夫人」の感動を思い出したりした次第です。今度は「椿姫」やってくれませんかマエストロ。ここではできなかっただろう「シチリアの晩鐘」でもいいです(作品の内容的に、政治がらみの場所ではちょっと無理)。
カメラワークはプレイヤーに寄った感じでの収録が多いので、私としては”「奏者はいい、指揮者を映せ!」と思った”こと、”ときどき回線の関係が音が歪む、マイクに何かがぶつかるノイズがある”ということを報告させていただきます。

首脳の中では、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏会中継でときどきそのお姿を見かけるアンゲラ・メルケルの笑顔が印象的ですね、さすがにわかっていらっしゃる感がありました。

では簡単なまとめは以上です。ではまた、ごきげんよう。

6/4「N響 第1858回 定期公演」放送

こんにちは。千葉です。
6月最初の「クラシック音楽館」は4日の21時より、N響定期公演の放送です。

●N響 第1858回 定期公演

指揮:ファビオ・ルイージ
ヴァイオリン:ニコライ・ズナイダー
管弦楽:NHK交響楽団

アイネム:カプリッチョ Op.2
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
マーラー:交響曲第一番 ニ長調

2017年4月15日、NHKホールでの公演です。

まあ、私の場合はメインのマーラーにどうしても注目してしまうわけですが、今回の演奏会の場合は特にもマーラーに、それも第三楽章の冒頭に注目です。もっと正確に言うと、冒頭の三小節目のコントラバス!(細かすぎ)
ファビオ・ルイージは全集録音こそないものの、マーラーをよく取り上げる指揮者です。メガネの感じがちょっと似てるからでしょうか?という冗談はさておいて、ドレスデン・シュターツカペレとの来日公演で第二番を披露したこともありますから、彼のマーラーには馴染みのある方も多いことでしょう。

ちなみに、こちらは約10年前のドレスデンでの演奏。


今回のN響との公演は果たしてどうなりましたことか、楽しみにしています。

ではご案内はこれにて、ごきげんよう。


この盤では「大地の歌」を担当していますね、ファビオ・ルイージ。

英国ロイヤル・オペラハウス シネマシーズン「蝶々夫人」5/26より上映

こんにちは。千葉です。
5月26日から各地で上映開始されるオペラのご案内です。遅れてすみません…

●英国ロイヤル・オペラハウス シネマシーズン2016/2017「蝶々夫人」





まだまだたくさんの関連動画がロイヤル・オペラハウスのYouTube公式チャンネルにはあるんですけど、とりあえずここまでにします。

ここ最近多くの注目の舞台が上演、放送されてきた「蝶々夫人」に、今度は音楽監督アントニオ・パッパーノが指揮するロイヤル・オペラハウスの舞台が加わります。「エルモネラ・ヤオの歌唱を聴いて、これを上演しないと」と即断したと語っていた注目の舞台、ぜひご覧ください。

すこし最近の上演や上映、放送を振り返ってみましょうか。
昨年チョン・ミョンフンが演奏会形式で東京フィルと聴かせた「蝶々夫人」はセミステージ形式だからこそ、悲劇そのものを美しく抽出してくれたような舞台でした(感想はこちらに)
そして笈田ヨシの演出が話題となった公演は各地での巡演、放送ともに注目されましたね。この作品が持つ本来の厳しさを戯画化せずに描き出す、辛く哀しく、なにより切実な舞台でした。
リッカルド・シャイーがミラノ・スカラ座に復活させた初演版は、現在一般に上演される版以上に蝶々さんの置かれた厳しい状況を描くもので、衣装や演出ともあいまって人によっては直視が辛くさえ思えたことでしょう。ピンカートンが去った後に”カリカチュアライズされた白塗りで和装”の蝶々さん、精神状態は如何許かと心配で心配で見通すのが非常に辛いものでした。
それぞれにプッチーニの美しい音楽の魅力を存分に示しながら、それぞれの視点で作品をより切実に描くものだった、と感じました。

ではロイヤル・オペラハウスの舞台はどうだったか。モーシュ・ライザーの舞台は幕末日本を記号的な衣装やメイクを使いながらもオリエンタリズムに傾きすぎない、実に妥当で美しい舞台でした。
※もう少しあとで追記します

ではまた、ごきげんよう。

2017年5月26日金曜日

5/27「佐渡裕が解き明かす ミュージカル「ウエストサイドストーリー」秘話」放送

こんにちは。千葉です。
テレビ番組のご案内。バーンスタイン生誕100年に向かって、こういう番組も増えるでしょうか。

●世界的指揮者・佐渡裕が解き明かす ミュージカル「ウエストサイドストーリー」秘話 ~ぺこ&りゅうちぇるも大興奮SP!~
※まだBS-TBSのサイトではいま現在、まだ番組情報がありません。確認でき次第更新します。→残念ながら放送局のサイトではとくにページの用意がないようです。以上で更新終了します。
なお情報元はこちら。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000497.000012949.html

7月にシアターオーブで開催されるミュージカル「ウェスト・サイド・ストーリー」の前に、佐渡裕がぺこ&りゅうちぇる(よく知らない方々ですごめんなさいほんとすみません)にいろいろ教えてくれるのでしょう(現時点では情報が少なすぎてタイトルを少し入れ替えただけになっちゃった)。

レナード・バーンスタインの作曲、スティーヴン・ソンドハイムの作詞、アーサー・ローレンツの台本(そしてオリジナルは原案も担当したジェローム・ロビンスの振付)によるミュージカルの傑作、また多くの方が楽しまれる機会となるわけで、喜ばしいことです(私はバーンスタインのファンなので)。



※追記。この作品をご存じない方に向けた番組として、構成されていました。佐渡裕による作品紹介セクションと、ぺこ&りゅうちぇるによるシアターオーブ紹介とミュージカルの魅力セクション、そして有村昆による作品が与えた影響セクションはそれぞれ独立していて、番組タイトルから予想したものとはちょっと違う構成でしたが、この作品をまったくご存じない方にも魅力が伝わるように、という思いは感じました。
もしこの番組もご覧になっていなくて、何故かここにたどり着かれた方がいらっしゃいましたら映画版の冒頭だけでもご覧ください。音楽もアレンジされているし、演出も舞台のそれとは違いますが雰囲気は伝わりますので。



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1918年生まれのバーンスタインの生誕100年を迎えるにあたり、たとえばニューヨーク・フィルハーモニックの来シーズンにはこんな企画が用意されています。



他にもロンドン響がラトルとの最初のシーズンにマリン・オールソップを招いて集中的に取り上げる予定を発表済みですし、他にも多くの団体が20世紀を代表する音楽家の生誕100年を祝おうと様々な企画を用意しています。

それに先駆ける形で、大阪のフェスティバルホールでは7月に井上道義の指揮、大阪フィルハーモニー交響楽団ほか多くのキャストによる「ミサ曲」(1971)が上演されるのは注目ですよ。内面のドラマとして描き出されるミサはバーンスタイン自身の告解の場に居合わせるような独特な作品です。当時の最先端技術を駆使し、ジャンルの制約も何もない作品は当時賛否両論ありながらもレコーディングなどで受容されて、最近では録音も少なくなくリリースされています。ちなみに初演のトレイラーがありました(公式かどうか追いきれないので、何か問題がありましたら削除します)。



”映画「ヘアー」の世界ですね”と言わざるをえないヴィジュアルに、ついこのバージョンで全編見てみたくなりますね(笑)。
それはさておいて、バーンスタインが生涯テーマの一つとした”信仰の危機”が軸のこの作品、現代の日本でこの作品がどのように示され、どのように受容されるものかはなかなかに気になるところです。マエストロ・ミッキーのコメントなどもフェスティバルホールのサイトにはありますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいませ。
>大阪国際フェスティバルの「ミサ」ページ

なお豆知識を一つ。この作品の、典礼文以外の詞をバーンスタインと協力して書いたのは、ミュージカル「ウィキッド」などでも知られるスティーヴン・シュワルツ(Stephen Schwarz)ですよ。

ちょっと情報不足から後半が長くなっちゃって、何の記事か自分でも微妙な感じですが(おいおい)、ひとまずここでおしまいとします。ではまた、ごきげんよう。


2017年5月25日木曜日

読みました:辻昌宏『オペラは脚本(リブレット)から』

こんにちは。千葉です。
これも読み終わった本のご紹介です。

●辻昌宏『オペラは脚本(リブレット)から』


以下に目次を引用します。

第1章 脚本(リブレット)が先か、音楽が先か
第2章 脚本に介入するプッチーニ —《ラ・ボエーム》とイッリカ、ジャコーザ
第3章 検閲と闘うヴェルディ —《リゴレット》とピアーヴェ
第4章 ロマン派を予言するドニゼッティ —《愛の妙薬》とロマーニ
第5章 性別を超えるロッシーニ —《チェネレントラ》とフェッレッティ
第6章 挑発を愉しむモーツァルト —《フィガロの結婚》とダ・ポンテ
終章 こうしてオペラは始まった

時代を遡る形で、古くて新しいテーマ「音楽が先か、言葉が先か」を実作にしたがって考える一冊です。プッチーニは「マノン・レスコー」で出会ったルイージ・イッリカとジュゼッペ・ジャコーザとの協力関係を、ヴェルディでは検閲との戦いを「リゴレット」を中心に、…とそれぞれに軸となる作品の例に基づいて台本と作曲の関係を探っていく一冊はなかなかにスリリングです。創作のプロセスが持つ緊張感が持つ独特の面白さは、作曲家と作家の間の往復書簡の形などで知られているところですが(高名なところではリヒャルト・シュトラウスとフーゴ・フォン・ホーフマンスタールのそれは書籍としても知られていますね)、本書は事実関係を整理してコンパクトに教えてくれます。



原作、題材の選択や、作曲との順番などの進め方、それだけでも興味深いのですが、作品を構成するテクストがどのような困難に向き合って生み出されるのか、という創作のドラマとしても面白いですし、それが時代によってどう違うものかと比較するのも興味深いものと思いますので、気になった方にはぜひご一読をお薦めしたく。

なお、モーツァルト以前となると今度はリブレッティスト優位の時代となるのですが、そのあたりの話はまた勉強したときにでも。
ではまた、ごきげんよう。