2010年4月28日水曜日

【再録】これはこれで~マゼール&WPhの交響曲第二番

こんにちは。千葉です。
昼にあんなことを書いたのが春ちゃんの逆鱗に触れたでしょうか(笑)、だんだんと寒くなって夜だよ!
何も思いつかないときは前説はいらないですね、すみません…

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では気を取り直してまいりましょう、本日のマーラーはこちら!(なんだその「歌謡ショウ」テイスト)


マゼールのマーラーは、作曲順に聴いていこうと考えております。ちなみに、現在テンシュテットで同じ方法を取っています。なんというか、指揮者の個性自体について知らない場合にランダムで聴いて、偉そうに「いま一つ」とか書いて後で後悔するの、目にみえてますからね(微笑)。

そんなわけで今日は第二番。ウィーン・フィルに加えて国立歌劇場合唱団、そしてエヴァ・マルトンとジェシー・ノーマンを独唱に迎えての録音です。収録は1983年(昼に文句を言った出版社のカタログで確認した。この辺のデータが書かれてないのはこの全集の最大の痛いところ←マニアにとっては)。

第一番が意外なほど静かな、というか、率直に言ってしまうと盛りあがりに欠ける感があったものだから、それほど期待せずに聴き始めたこの演奏。なんだ、素晴らしいじゃないですか!

この複雑な作品の多面的な性格をそのままに、いや特には激しく独特のデフォルメを加えて描き出すマエストロの手腕は流石。いやあ、独特だ(表情記号:噛みしめるように)。その意図を見事なまでに音楽的に演奏しているオーケストラも「伊達にオペラやってるんじゃないですよ!」ってなもんでして。さすがの表現力ですね。昨日聴いたアバドとの録音もそうなのですが、曲に慣れていない所為か若干不器用な感じがまたいいですね(意外にミスはありました)
それに加わるソリストがマルトンとノーマンって。あのう、どれだけ鳴る歌手がほしかったんですか、マエストロ?(笑)ノーマンが本来アルトに指定されているパートを歌っておりますが、その存在感が恐ろしいです、特に第四楽章(怖いので(笑)はつけられない)。二人がリードするカノン風の進行とか、迫力ありすぎます…
さらには、国立歌劇場合唱団との関係も当時は良かったのか(笑)、かなり積極的な歌が聴かれます。線を見せるタイプの合唱ではなく、全体で響きを作るのが上手なので、合唱の入りのピアニッシモからして美しい。素晴らしい。

ちょっと分離が良すぎるかもしれないけど(弦がかなり左右にふられている感じ)なかなか録音も良くて、この曲をムジークフェラインの残響感も感じられるのはいいですね。デジタル初期でもソニーは大丈夫なのかな、むむむ。

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と、まぁ褒めてきましたが、かなり独特な演奏であることは間違いなく。この演奏を、この曲の一番の演奏に挙げることはありません。というのも、演奏は素晴らしいと思うけど、作品のことがわかるかといえば微妙、なんですよね。オネゲルがその著作で指摘していた、「作品を聴くのではなく、演奏家を聴」くタイプの演奏とでも申しましょうか。演奏者には拍手できる、でもその後に作品の話にはならない、そんなコンサートの後に似た感触が残ります。

それこそ、この認識をしてしまうこと自体が時期尚早である可能性も否めませんが、彼らのこの曲を最初に聴いた印象としては以上のように申し上げておきます。

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以上、本日の…すみません、ヒッチコックを観ていたら日付が変わってしまいました!昨日のマーラーでした!ごめんなさい!
なお、時事のお話を少ししたいと思うけれど、それはまた起きたらまとめます(笑)、おやすみなさい。

※ごく一部、表記の修正と語句の追加をしていますが、時事的な前説も含めて基本的に当時のアメブロの方の記事をそのまま再録したものです。2014/8/1 23:30


  

2010年4月19日月曜日

【再録】静かで、美しいけれど~マゼール&WPhの交響曲第一番

こんにちは。千葉です。
昨日はあんなにスポーツばっかり観ていたのに、今日は野球もないからなんとなく拍子抜けです。ドラゴンズ、明日からは切り替えてくれますように。

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さて本日のマーラー、先日届いたばかりの全集から。



ロリン・マゼールとウィーン・フィルハーモニー管弦楽団が80年代に収録した交響曲全集から、今日はまずスタートと言うことで、第一番を聴きました。ウィーン・フィルにとっては初の単独のマーラー全集です。というかその次はまだ作られていないはず。その意味での貴重さを考えると、この価格はより一層意味不明と言うかなんというか…

なお、廉価盤のボックスらしく、録音データの類はほとんどなかったので、その辺りは言及出来ません。あしからず。また、マゼールの全集も「大地の歌」は含まれません。残念。

で聴いた感想ですが。あのう、80年代のウィーン・フィルの音から遠く離れたところに自分はいるらしくて、かなり不思議なサウンドに聴こえました。残響多めの録音が余計にそう感じさせたのかも知れません、千葉が多く聴いていたウィーン・フィルの録音は70年代以降のバーンスタインとのライヴ、または90年代以降のラトルやブーレーズとのものが中心で、その次にはWWII後のクライバーやクラウスとの録音ですからね…

どこかウェットな、そして楽器それぞれの音色を強調せずにより調和を志向したウィーン・フィルの静的な印象を与えるサウンドを活かすためなのでしょうか、マゼールの指揮は千葉のイメージしていたものとは違っていました。人工的なコントロールを明らかに感じさせる、よく取れば指揮者のコントロールの技量の高さを感じさせるデフォルメはかなり控えめなのは、本当に意外でした…(どんな先入観を持っているのだよ、と言われてしまいそうですが)

沸点が非常に高いのか、それともそもそも沸騰させるつもりがないのかと思わせるほどに淡々と進む第一楽章。ていねいに演奏される、と言えばちょっと聴こえがいいかもしれない第二楽章。静けさが死をイメージさせるところもある第三楽章、やっと(すみません)曲想にあった高揚が聴かれる終楽章。これは指揮者とオーケストラ、どちらが主導したのかな・・・マーラーの作品にしてはおとなしいというか、綺麗な響きを志向した演奏かなと思います。うん、主導したのはかなり大きくヴィブラートをかけ続けるオーケストラかな(笑)。

まぁ、その辺は先々聴き進めればわかってくるでしょう、きっと。とりあえず今日のところはこれくらいにしといたるわ!(逃げたな)

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では本日はこれにて。なお、週末の企画は只今絶賛検討中ですが、最近の(直近でなく)新譜で同じ曲のリリースが続いたから、それを取り上げようかなと。まぁ、そちらはおいおいということで。ではまた、おやすみなさい。

※ごく一部、表記の修正と語句の追加をしていますが、時事的な前説も含めて基本的に当時のアメブロの方の記事をそのまま再録したものです。2014/7/31 26:20