2015年4月12日日曜日

四月はアンナとマリス、そしてロシアのバレエ(更新完了)

こんにちは。千葉です。

前置きではなく最初にゆるい願望を。イエメン情勢についてどうにも理解できない某に、何かしらのご指導いただける方や参考になるなにものかをご存知のかた、いらっしゃいましたらご教示くださいませ。お礼は心と言葉でさせていただきます(おきまり)。

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さて公共放送BSの看板番組であるところのプレミアムシアター、年度の前後になかなかサイトが更新されないものだからわりと本気で存亡を心配していたのですが、とりあえず年度末の改変は乗り越えた模様で一安心。そして今回から、月ごとのラインナップ紹介が声優の水落幸子さんに代わられるとのこと。たいへん申し訳ないのだけれど、前任の方のたどたどしさをかわいがってあげるほど心が広くない千葉は大歓迎です。ごめんなさい。

さてそれでは今月のラインナップですよ。当月最初の放送日更新なのに暫定版ですけど。

●4月13日(月)【4月12日(日)深夜】午前0時~
・ドキュメンタリー「アンナ・ザ・グレート」 ~21世紀のディーヴァ ネトレプコの素顔~
・ザルツブルグ音楽祭2014 歌劇『トロヴァトーレ』【5.1chサラウンド】

まずは今晩の放送、一言で「アンナ・ネトレプコ特集」ですね。最新のドキュメンタリー、そして昨年のザルツブルク音楽祭での「イル・トロヴァトーレ」の二本立て(しかし放送時間はいつもより短い)。
なんというか、最近「誰推し」みたいな傾向が見えやすいですね、この番組も。指揮者ならティーレマン、オケはベルリンとウィーン、そして歌手ならこの人、みたいな。個人的にはお美しい方だと思いはしますけれど、ここまで枠を占めてほしいと願うほどに好きなソプラノでもないので(ファンのかたごめんなさい)微妙な気もします。とはいえ、前半のドキュメンタリーで出演するメンバーを見ると彼女と同僚たちが如何に現在世界で重要な位置を占めているかがわかるわけで、これはこれとして愉しませていただきますね。
でもひとつだけお決まりの苦言を、「ドキュメンタリー→公演」という並びは「映画の特典映像→映画本編」と見せるようなものだと思うので、ほんとうにお願いだから放送順番は考えていただきたいっす。いつも書いているとおり、「ドキュメンタリーで訴求したい対象は地上波にいるのではないですか?」という疑問も付記しておきます。

なお後半の「イル・トロヴァトーレ」は2014年8月15日にザルツブルグ祝祭大劇場で上演された公演、マンリーコじゃなくてルーナ伯爵にドミンゴですって。なんというか、マンリーコ役のメーリの出来次第では「ええいさっさとルーナを選べ!」と思わさそうな気がしますが如何(笑)。

●4月20日(月)【4月19日(日)深夜】午前0時~

・マリス・ヤンソンス フェアウェル・コンサート
・コンセルトヘボウ管弦楽団 125周年記念ガラ・コンサート

大好きなコンセルトヘボウ管弦楽団のコンサート二つだぜいやっほう!と喜ぶ前に。

これはクラシック倶楽部などとも同じ見え方で、仮に説明を求めても「サイトのリニューアルでこういう仕様になった」と返ってくるだろうと理解はしますけれど、如何せん曲目が多い公演ではこのサイトの作りがいささか微妙です。曲目ごとに情報を表示する仕様なのだけれど、作曲家名がなかったり歌曲集でそれぞれの曲ごとに情報を示して挙句全部の曲目が示せなくなっています。前置きの説明で補完、というのがこのサイトの暫定的な対応であることを祈ります、この仕様だと正直ちょっと放送内容がわかりにくいっす。

そこで千葉が及ばずながらアシストさせていただきます。前半のマリス・ヤンソンス退任コンサート、こちらはリンク先のコンセルトヘボウ管のサイトを参照くださいませ。
まずはマーラーの歌曲集「子供の不思議な角笛」から、ルチアーノ・ベリオの「フォーク・ソング」から、そしてコープランドの「古いアメリカの歌」からの抜粋を、トーマス・ハンプソンを迎えて。そしてプログラム最後は最良のコンビネーションを誇るかのように、バルトークの管弦楽のための協奏曲です。公演のタイトルは「AAA: ORIGINS | FOLK ART AS INSPIRATION」、たしかに民謡を引いた作品が並んでおりまする。

なおヤンソンスは来年にはさらっと再登場する模様、バルトークをきっちり鳴らしきってもまだ先があるのは喜ばれる方も多いでしょうね(含みがなくはない)。

後半のコンセルトヘボウ管弦楽団 125周年記念ガラ・コンサート(2013年4月)は再放送ですがせっかくなのでこちらの、会場の方のコンセルトヘボウの過去データにリンクしておきますね。まずは「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲、ソリストにまずここでもトーマス・ハンプソン(またしてもマーラー)ラン・ラン(プロコフィエフの協奏曲から)、ヴァイオリンのジャニーヌ・ヤンセン(サン=サーンス)、〆はこのコンビ得意のリヒャルト・シュトラウス。うん、めでたいですね!心よりお慶び申し上げる次第だよ!(二年遅れですけどね)


にしても。アンコールまできっちりと残しておくこの情報に対するスタンス、日本でも一般化してくれないかなって日々思っておりますが如何ですかしら、こういうときすごく便利なのですが。


※追記:4/19

●4月27日(月)【4月26日(日)深夜】午前0時~4時05分

・ボリショイ・バレエ公演 『マルコ・スパーダ』
・マリインスキー・バレエ公演 『シンデレラ』

四月最終週も無事放送がある模様、まずはひと安心です。放送内容はバレエが二演目、モスクワとレニングラードの二つの劇場の対決と言っていいのかな。あ、サンクトペテルブルクでしたね、あはははは(バレエの知識が山岸凉子先生と萩尾望都先生からしか入手できていない底の浅さを露呈←いやそういうことじゃない)。

クラシックの人はもっと舞台とか映画も見たほうがいいよね、なんて意識の高いところもある千葉ですが(自分で言うな)、手が回っていないのも正直なところでありまして。個人的ないくつかの経験を鑑みれば、とくにバレエの場合、音だけで認識するのとかなり違う世界が見えてくるので本当に大事なことだと理解はしてるんですけどねえ…

この日放送される最初のバレエはオーベール作曲の「マルコ・スパーダ(あるいは盗賊の娘)」。
えっと、あのその。実はさっきこの作品の存在を知りまして(すみません)。19世紀の作曲家の、1857年の作品を1981年にラコットがリメイク、それをボリショイ・バレエ用にさらに改訂した版での上演、だそうであります。

そして後半は千葉が大好きなプロコフィエフ、近年では吹奏楽でも演奏されていた記憶のある「シンデレラ」です。ここで「よしっ」と想えたらいいのだけれど、残念ながらラトマンスキーの舞台はあまり好みじゃないんだよなあ(先入観)。とはいえ「ゲルギエフの『シンデレラ』」だと思うことにしてとりあえず録画しますね(笑)。



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なんとここでサイトにある情報はおしまいです。第一週に放送がないのはスケジュール通りだけど、第四週の放送が未確定に見えるの、どうも不安になっていけませぬ。

ゴールデンウィーク前後は特別番組が入るんだよきっとすっごいやつが来るぜ!と楽観してもいいのですけれど、最近の公共放送様についてそうポジティヴになるのは、ねえ。報道ほどの明らかな問題は感じませんけれど、比較的籾井体制に従順ではないように見える文科系(チョーほめてます)がこう安定感がないと怖いんです正直。
クラシック倶楽部も午前5時からと、さらっと一時間前倒しの放送になって「放送時間に見てくれとは言ってない。しかし視聴率がどうかを気にしないとも言わない」感がありますし。この前ついうっかり見てしまった「らららクラシック」は驚きのマーラー俗説祭りで制作サイドの意図を勘ぐりたくなる内容だったし(一見の価値、むしろあるかもってレヴェルでした。ひとつだけつっこむなら「一生不幸なだけの指揮者」が世界最高のポストにたどり着けるか、ってところかなあ。生涯の経歴を追うだけでも「才能ある野心的な音楽家が当時の最高の地位にたどり着き、しかし急な病に倒れた」生涯であることはわかると思うのだけれど)。

いろいろ書きましたが、ま、いまのところは全部杞憂だと思うことにします、書いちゃってなんですけど。がんばれ公共放送文科系、映画もいいやつを頼むよ、と言い残して今日のところはクールに去るぜ(おい)。ではまた、ごきげんよう(いま放送中のアレとは関係ない)。

※4/15追記。
ここで苦言を呈したから、なんて思いはまったくございませんが、プレミアムシアターのサイトが以前の仕様に戻っているのを確認しました。曲数が増えるとコントロールできませんもんねえ、とのみコメントしておきます。
しかし番組で「4月のラインアップ」を告知してもなお最終週のバレエについては情報なし。うーん。