2013年4月26日金曜日

メモ:佐村河内守氏の番組ふたつ

はっ。こ、こんにちは。千葉です。

っていうかこんばんは。あのその、寝落ちしてました…

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簡単なご紹介その二はテレビのお話。
先日その作品について感想を書きましたところの佐村河内守、明日明後日とテレビで取り上げられるようです。

まずひとつめは意外にも民放、それもバラエティ。TBS系列で21時より放送されている「金スマ」こと「金曜日のスマたちへ」で、彼の生涯とその作品が紹介されます。なんと東京交響楽団が交響曲の一部をスタジオ演奏するとか、いったいなにがそこまで彼らをやる気にさせているんだ…※

ちなみに。ここでリンクを貼ろうと調べてみてわかったのですが、パソコンから見られるサイトが驚くほどやる気がなくて、ある意味感心しました。ターゲットが絞り込めてて、更に制作スケジュールや肖像権などの制約を考えれば当然なのかなあ…まあいいや、こういう機会にしか千葉も見ることはないだろうし。

その二。先日のドキュメンタリでは部分を編集して放送されていた、2013年2月25日、東京芸術劇場コンサートホールにて、大友直人指揮日本フィルハーモニー交響楽団の演奏により行われた交響曲第一番の東京全曲初演コンサート、その全曲が27日(土)の15時より、NHK Eテレで放送される模様です。気になっていた演奏会ではあります故、録画して見てみようかと思う次第であります、その感想を書くかどうかはおくとして。

なお、佐村河内守に関する情報は、このリンク先でご覧になるのがよろしいかと。レーベルのやる気をひしひしと感じます(笑)。

あっ。深夜の軽口で何か揶揄してるようにとられるかもしれませんが、千葉は東響やDENONレーベルにポジティヴな効果が一時的であろうともたらされるのはいいことだと思ってますし、あの音楽が聴きたい人に届くのもいいことだと思ってます。あああ、ちょっといま「言えば言うほど」って新谷良子さんの声が脳内に響いたのでこの辺でやめますけど。

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そんなわけで深夜の更新はおしまい。ではまた、おやすみなさい。


映画「桜、ふたたびの加奈子」でテレビ局が噛んでるのかなあ、と思って公式サイトを確認したらあら不思議、リンクがあるのは違う局ですね。ますますもって、何が彼らを以下省略。




そういえば吹奏楽、以前にも書かれてるとか聞いたような…(ここでリンクを貼った東京佼成ウインドオーケストラの公演では、委嘱新作が演奏されました)そして原作が新見つき…じゃなくて新津きよみさんってことは、きっといま流れてるCMはミスリードなのかな。映画館では見ないと思いますけど、ちょっとそのあたりが気になります。

2013年4月25日木曜日

よっ太っ腹!~ラトル&ベルリン・フィルの動画無料公開

こんにちは。千葉です。

今日は簡単にご紹介だけ(その一)。

Twitterを眺めていたら(最近あまり言うことがない、というかTwitterに向かないことしか思いつかない)、こんなツイートに出くわしまして。以下引用。


ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団  @BerlinPhilJapan

【無料映像】ラトル指揮、ベルリンフィルによるベートーヴェンとマーラーの交響曲の演奏映像を無料でご視聴いただけます。こちらのリンクから、デジタル・コンサートホールに「ご来場」ください!

添付されていたアドレスへのリンクはこちらに

曲目はベートーヴェンの第四番とマーラーの第一番。ん?なんか見覚えがあるな…と思ったら2010年8月27日の、たしかドイツ銀行招待で無料試聴できたシーズンオープニングの公演ですね、これ。最近の彼ららしい、若干の恰幅の良さと余裕のある鳴り、そしてそれでも十分に聴き手を連れ回す演奏だったのではなかったかな、と記憶していますが如何かしら。ちょっとあとで見てみますね。

もしかしてアベノミクスでますますDCHが遠くなったんじゃないか自分、と懐の寒さを人のせいにしながらひとまずはおしまい。後ほどもう一つ、テレビの情報を書いておきます。では。




ああ、右側の映像ソフトが比較的収録時期が近いので(同年11月)、こっちをご存知なら演奏のイメージは湧くかもしれませぬ。

2013年4月24日水曜日

このオケとこの人が、へえ… ~動画日記第三回


こんにちは。千葉です。

あのう、こっちには社会的に重たい話は書かないつもりなのだけれど、昨今の国会のニュースはちらっと見かけただけでも気が滅入ります。どうしてあの人たち、あんなに上機嫌なんですかねえ。今まさに誤った「決断」をいくつもしでかそうとしている人ってのは傍から見るとそういうもの、なのかもしれませんけど。なお、向こうのブログで少し紹介した内田聖子さんのブログ、よろしければ皆様もぜひ。かなり、危険な状況だと思っています、TPPに関する彼我の現状。

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はい気を取り直して動画日記行きましょう。更新を増やすつもりだったのにようやく三回目(けっきょくこの前のはカウントしないことにした模様)。道は遠いわ…

今回も公式アカウントで紹介されている動画をひとつ。千葉の好きなオーケストラを意外なマエストロが指揮している、超有名曲です。



はい、ブダペスト祝祭管弦楽団を、ラインハルト・ゲーベルが指揮した、ヨハン・セバスティアン・バッハの管弦楽組曲第三番です。

音楽監督であるイヴァン・フィッシャーとの録音は、お国もの(となればどうしても20世紀音楽になりがち)を除けば基本的にロマン派を軸に展開されていますから、ブダペスト祝祭管弦楽団とバッハが、一瞬結びつかなかったのです。モダン楽器で普通に演奏してるのか、それともいわゆる同時代アプローチを踏まえた演奏なのか。
その上指揮者がゲーベルって。千葉は非常に多くのコンサートにうかがっていた頃にもそれほどはいわゆるピリオド楽器、同時代アプローチによる演奏会に行けなかったものだから、いわゆる古楽系の指揮者のイメージはアーノンクールやヘレヴェッヘ、ホグウッドあたりの無骨な指揮ぶりか、通奏低音を担当しつつアンサンブルの一員としてリードするタイプしか出てきません(ノリントンは、ある意味で別枠)。そんな具合ですからあ、予想も何もできずに拝見しましたよこちらの動画。

刈り込まれた編成でティンパニやトランペットはナチュラル楽器だし、弦楽器は基本ヴィブラートなしのバロック弓、ということで「楽器そのものの素性を除けばほとんどバロックオーケストラ」とでもいうべきアプローチ、でした。うむう、そういうのもやってるんですねブダペスト祝祭管弦楽団。あなどれんな。

でもね、それはまあありうる線かなって。モダン楽器でヴィブラートばりばり、20世紀風の演奏をするならゲーベルを招く必要、ないもんねえ。それにそもそもこのオケはモダンな曲を演奏してもそういうなんとなくヴィブラートがかかってるようなこと、ありませんし。いつもの引き締まったサウンドイメージからそう遠くない、と言えないこともない。うん、そう思います。

でもねえ、ゲーベルの指揮には驚いた。激しい!(笑)ロマン派あたりの曲でモダンオケを指揮するようなアクション、意外すぎてしばらく目が離せませんでした。でもその身振りから出てくるのは前述のとおりほぼバロックオケの音、入魂の一振りがもたらすのはデフォルメじゃなくて明確なアーティキュレーション、なんですよ。普段のゲーベルを知らないのでなんとも言いようがないのだけれど、これは新鮮でした(もちろん、千葉にとって)。この曲以外にも動画があるようなので、それらもちょっと見てぼんやり考えてみようかな…

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なお。超有名曲、と言われても…と思われた方は、もったいないから是非全曲を聴いてみてくださいませ、たったの20数分ですし。いいですよ、管弦楽組曲第三番。

ただその有名曲、この演奏のテンポ設定で気づいてもらえないかも、と思わなくもありませぬ。まあひとつ、聴いてみてくださいよ(ニヤニヤ)。では笑いだけを残して千葉はクールに去るぜ(おい)。ごきげんよう。

2013年4月22日月曜日

ベルリオーズの話 その交響曲について~または動画日記のようなもの

こんにちは。千葉です。

間を空けずに書き続けるのは難しいのです。特に、お題が少し大きくなるとそこから書くものがかってに拡がってしまうのでますます難しくなる。そうか、コンパクトにまとめることが自分の場合過大なのだな、ふむふむ(いま気づいたのか!)。

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そして復帰する今日の記事はまあ、動画日記でもいいのだけれど、ちゃんと中身までは見られてないものが多いので。

先日、「ベルリオーズのスペシャリスト」なる評価について疑念を呈しました。もちろん、その演奏が悪い!とか言いたいわけではなく(先日書いたとおり、千葉はサー・コリン・デイヴィスについては何度かの実演での経験が大きすぎて、録音をうまく評価できませんが、聴いたいくつかはきちんとしたお仕事だったかと)。ベルリオーズという人が、非常に独特な作曲家であって、その「スペシャリスト」ってのは何を指すのかねと問いたいのです。

生きた時代はアーノンクールが言うところの音楽受容の転換期、フランス革命前後。特段神童だったりしたわけではなく(得意な楽器はギターだった、とかなんとか…)、ベートーヴェンを尊敬しワーグナーやリストとも交友があった、作品の評価のみならず社会の変化にも影響されてその地位も大きく動いている。その生涯については、千葉はこの本で学びました。大部なので、なかなか大変でしたけど…




読んだもんねー、だから俺のほうが知ってるもんねーとか言いたいわけじゃないんですよ(笑)。時代の相を踏まえて捉えるようにしないと、こんな変な作曲家(褒め言葉)をちゃんと認識できるとは思えないのです。それ故に、「幻想交響曲の人、でもたしかいろんなジャンルの作品を書いたんだよね」くらいの認識で喧伝されることになっちゃってるんじゃないかなあって。そんな具合だから、簡単に「スペシャリスト」とか言えちゃうんじゃないかなあ、って。

こと交響曲ひとつ取っても、彼ははっきり言って変です。
ベートーヴェンの没後3年で発表された「幻想交響曲」が独特であるのは言うまでもないですが(とはいえ、かなり彼自身の書いたプログラム通りに作られた交響曲ではある)、それに「レリオ」をつけちゃうのはどうよ。
パガニーニに委嘱されたヴィオラ協奏曲(のようなもの)を交響曲にしちゃう、独奏というかオブリガードパートをフィナーレの音響的クライマックスに休ませるのはどうよ(笑)。
戯曲をベースにしたカンタータ的作品を交響曲とするのはどうよ。いや、ある意味「幻想」直系の作品だから、まあ筋が通ってはいる、のかなあ…
そして時代の相がそのような作品を求めたことは知っている、でもでもでも。

この辺の独特なところ、映像で見ていただくのが一番わかりやすいのですが、どうも適当なものを見つけられない。っていうか、あるけどちょっとグレイかなあ…たとえば幻想交響曲ならこれとか「イタリアのハロルド」ならこれとか。ソフトが入手困難とか事情があればまだ、ねえ。むむむ。

そんなわけでこの項、動画日記にはし難いなあと思っておりましたが。せっかくなので、劇的交響曲「ロメオとジュリエット」と、「葬送と勝利の交響曲」は問題なさそうな動画を見つけましたのでご紹介します。まだちゃんと見られていないのでコメントはありません。ご容赦のほど。

まずは「ロメオとジュリエット」。



ジェイムズ・ガフィガン指揮オランダ放送フィルハーモニーほかによる演奏、またしてもAvroClassicsです。ありがたい。密かに合唱指揮がサイモン・ハルシーだったりするのはポイント高いですね。ふむふむ。

そして「葬送と勝利の交響曲」はこちら。



ワレリー・ハイリーロフ指揮ロシア国防軍中央軍楽隊(あってるかなあ、これで)ほかによる演奏です。ステージみつしりの出演者にテンションが上りますが、でももしかすると、これはそもそも会場の選択が間違っているのではないだろうか(そういう問題なのか)。

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大編成萌えしてしまうのはもしかするとさっき見た映像のせいかもしれないのだけれど(オーチャードホールで聴くよりはいい音だったのではないだろうか、くらいしか感想がないのできっと先々も言及しますん)、ことベルリオーズはとっても面白いので機会を作って紹介します。また微妙な動画日記かもしれませんが。

それにしてもあれですね。ニコ・ロズベルグとマーク・ウェバー、そろそろ(以下自重)。ではまた、ごきげんよう。


2013年4月16日火曜日

見かけの印象と違う、熱いマエストロでした

こんにちは。千葉です。

なんというか、続くんですよねこういう時は。洋の東西で、こういう時に出てくるフレーズが違うことには意味がある、という話をずっと考えているけどまだまとまらないのでその話はもう少し先に。

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◆Sir Colin Davis 1927-2013
(ロンドン交響楽団の追悼サイト)

サー・コリン・デイヴィス、85歳にて亡くなられました。合掌。

千葉が偏愛するマーラーやショスタコーヴィチ、20世紀フランス音楽が中心的なレパートリィではないためにこれまで多く言及することはありませんでしたが、このマエストロに多くを負っている、という自覚が千葉には抜きがたくあります。

それはもう20年以上前のこと(年をとるわけだ←以後使用しません、飽きました)、1992年のシュターツカペレ・ドレスデン来日公演は仙台にも来たんですよ。プログラムはベートーヴェンの交響曲第六番とブラームスの交響曲第一番。
その当時の自分にはそれほど興味深いプログラムではない、今ならその重さも少しは想像できるけれど。そして指揮者は当時バーンスタインとラトル、あと何人かしか聴いていなかった千葉にはそれほど馴染みのない、「ベルリオーズのスペシャリスト」なる正体不明のキャッチコピー※で評価されていた、サー・コリン・デイヴィス。白髪でにこやかなジャケット写真とあいまって、正直な話演奏を聴くまではイメージ、なかったんですよ。当時はもう、アンドリュー・デイヴィスとの区別もついていないくらいで。

※ベルリオーズの作品を多く、知名度の低い作品まで網羅的に録音したことでそう呼ばれたのはわからなくもない、でもこの作曲家はそういうくくりを許すような人、でしたかねえ。状況を把握した今、あえてそういう呼称をつけさせていただくなら「ベルリオーズ・ルネサンスの立役者」、が適切ではないかと。「スペシャリスト」と称される演奏家を見出すほどにはこの作曲家は発見されていないように思うのです。っていうか、スペシャリストとは何を指すのかねと当時のコメントをつけた人を虐めてあげたいわ。

そう、見た感じ通りの穏健な英国紳士なのかなあ、なんて思っていました、演奏会のその日まで。その程度の認識でも、そう安くもない演奏会に行ったのは、間違いなく名手ペーター・ダムの存在故、でした。二曲共に乗り番ならありがたい、もし片方でも十分にホルンの見せ場はあるだろう。本当にその程度、仙台で外来オケを聴く機会は本当に少なかったから、その程度でも十分なモティヴェーションになったのです。

で。聴いて驚きましたねえ、このマエストロの演奏。実直?穏健?ナニソレって感じでしたあ、小細工なしのド直球、あえて単純に申しますなら熱血、でしたねえ。小細工がないがゆえの清々しさは相当のもので、オーケストラの音色とあいまって熱量は高いのにしつこくならない素敵な演奏でした。

当時の千葉は著名な音楽家の実演を聴くたびに認識が改まっちゃう状態でしたから(笑)、この時も当然目からウロコ、先入観という名の梁をまたひとつ外せましたのよ。その末に今、なので、それでよかったのかどうかは不明ですが、千葉に大きく影響した音楽家の一人であることは間違いありません。

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そして後年、ロンドン交響楽団との来日公演、サントリーホールで聴いたシベリウスの交響曲第五番、そしてそのアンコールに演奏されたエルガーの「ニムロッド」、これはすでに変わったあとの(すれちゃった、くらいに取ってくださいね)千葉をして、目から水が出る素晴らしい演奏でした。あれは2004年か、ふむ(何かを飲み込んだ)。

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正直な話、セッション録音ではこのマエストロの持つ熱はあまり伝わらないように思うし、ではライヴだったら大丈夫かというとそうも言えない。それにもう書いたとおり、千葉はこのマエストロの録音に傾倒したような時期はない。だから録音を聴いて思い出を偲ぼうとは考えていないのだけれど、千葉には大きく影響したマエストロの大往生の報に触れて、こんなことを思いましたわ。いま一度、合掌。

ではまた。


2013年4月15日月曜日

お疲れ様でした、アドルフ・ハーセス様

こんにちは。千葉です。

また少し間が空きましたよ。毎日書こうと思うと構えてしまっていけませぬ、もう少し緩くていいから継続的に書くようにしなくては…

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さて本日、訃報が続いております。そのうちのひとつは、金管楽器を経験した人ならばこの題のように申し上げるしかないのではないか、と。

◆シカゴ交響楽団の顔、アドルフ・”バド”・ハーセス、91歳で没する
(検索して上位だったシカゴビジネスのサイトにリンクしてます)

クーベリックとの最初のもの以降六回も「展覧会の絵」を録音している、なんてエピソードもその活躍時期が53年間に及ぶことを思えば不思議でもありませんか。シカゴ響の強靭な金管セクションをリードした巨人、大往生かと存じます。お疲れ様でした、としか千葉には申し上げる言葉がないのです。

そのキャリアのほとんどの時期にレコーディングに参加している彼の、どの時期を聴くのが良いかは少し考えてしまい、そしてYouTubeで「herseth」で検索した時に出てくる大量の動画の前で立ちすくみ、けっきょく自分の好きな盤を見て聴いて彼の往時を偲ぼうかと思います。本当にお疲れ様でした。




千葉にとってハーセス氏はショルティ時代のシカゴ響と切り離せないほど強く結びついていますので、その演奏会の映像と、彼らの代表的な録音であり、何より欧州にその名を轟かせたマーラー交響曲全集がまず思い出されます。あとは文中でも触れましたが何度も録音した「展覧会の絵」(ここではライナーのもの)、そしてテンシュテットとのマーラー(1990、ってことはこの時ハーセス、70近いんだ、この音で…)など等ナド。本当に頭が下がります。

2013年4月12日金曜日

動画日記第二回 アンチェル&トロント響のリハーサル&コンサート

こんにちは。千葉です。

こっちのブログはいいなあ、ダークサイドを晒さなくて済みそうだわ(笑)。いや何も、ワタクシが音楽を聴くとき清い心でいるわけではないのだが、暗黒面は無用だからねえ…
暗黒面というより、時折見かける毒舌とか「正論」なる物言いの危うさ、自分なりに気がついている、つもりなので。この話は向こうでするかなあ、それともここの方がいいのかなあ…

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それはさておき、昨日始めた動画日記、本日は第二回です。

今朝Twitterを眺めていたらなんでも今日はカレル・アンチェルのお誕生日であるとか。であれば何か、この人の動画を!と思いまして見つけたものは……埋め込めない。残念。でもリンクはできます故、よろしければそちらでご覧くださいませ。

Karel Ancerl conducts Smetana (vaimusic.com)

って、あれ俺このソフト持ってんじゃないの?と思いましてDVDを探したらありましたありました。カナダのCBC制作によるトロント響のリハーサル&コンサート番組、アンチェルの「モルダウ」と、シェルヘンの「フーガの技法」。


その程度には記憶していたけど、ざっと見ただけで流してしまっていましたわねえ…

リンク先で見られるのは、スタジオコンサートとでも言うのでしょうか、指揮者がぽつんと指揮台にいて、その周りを遠巻きにオーケストラが囲むかたちで「モルダウ」を演奏する場面のみ。ですが、このDVDではもちろんリハーサルが長くあって、その後に通しの演奏があるのです。小一時間の番組で、「モルダウ」は10分弱ですから、リハーサルのほうがずっと長いわけで。そしてもちろん、そのリハーサルが面白いわけですよ。それこそ指揮者とオケのコミュニケーションがよくわかる、指揮者のアプローチがわかる、という点で。

指揮者のお国もの、俺らもいっちょかましてやりますぜ的な表情のオケのメンバーは、リハーサルが始まってすぐ、このマエストロが超がつくきっちりさんであることを思い知らされます(笑)。楽譜に基づいて丁寧に、それこそ日本のオケの営業公演だったら「じゃあ通しで流れだけ確認しまーす」ってなりかねないこの曲を、きっちり仕上げていくさまは感動的ですらあります。流れに身を任せてしまうようなルーズなやり方はせず(ホルンの狩りのファンファーレのバランス取りは好例でしょう)、どこでもきっちりと拍子を振るマエストロ。うん、こういう人だからああいう音がするのよね、ふむふむ。
チェコ・フィルでの仕事はおそらく、彼らの流儀にこのきっちり感を持ち込むこと、そして伝統とのバランスを取ることだったのであろうマエストロ。新大陸ではその前提だったろう「伝統」抜きのオーケストラと、しかしそれでもこの丁寧で厳しいアプローチを続けられたのだなあ。しみじみ。


オケがマエストロのアプローチを理解していく過程は、そのままこのリハーサルを見る我々がこの作品の美しさを発見する過程にもなります。直される前の音だって汚かったりいい加減だったりするわけじゃない、でも「書かれた楽譜はこうだ」とマエストロの指示の下、認識を揃えて出される音楽はより美しく響き、そこには新鮮な驚きがある。いいですねえ、リハーサル番組。どこかの放送交響楽団もいい話を集めたドキュメンタリーよりもこういう現実を残してくれればいいのに。もちろん、ひとつのリハーサルと演奏会は、あくまでも彼らの関係の中のエピソードにすぎないのだけれど、それでも他人が介入しようのない、解釈無用の在り方をそこに見ることができる、はずなのだから。どうすかね、デュトワ、アシュケナージといろいろ言葉だけが残ってしまっている彼らとの関係を赤裸々に示してみては?(嫌味だな、これは)

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あれ、カナダのCBCでトロントで、ってことは…と思われる方もいらっしゃるんでしょうね、はいその通りです。アンチェルさんはこの地でグレン・グールドと共演していて、その映像もあるのです。ちなみに探せば簡単に見つかりますが、さすがにアレなのでリンクはしませんよ、各自お探しくださいませ(笑)。アンチェルさんの前任者のこういう番組があったら、きっと小澤征爾の生涯を辿れる貴重な資料になると思うんだけどなあ…惜しい。むむ。

さても、本日はこの辺りでおしまいです。ではまた、ごきげんよう。



今はこれが精いっぱい、ではありませんが録音も出てますよ、グールド&アンチェル。

2013年4月11日木曜日

動画日記始めます~第一回ネルソンス&RCOの「ペトルーシュカ」

こんにちは。千葉です。

先日のあれ、特に反応がないのでスルーすることにしました(逃げるように決定)。個人的にはあまり、こだわるところがないもので…

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さて、あまり更新の間隔を開けるのも厭だなと思っておりましたが、それをどう解消したものか考えあぐねておりました。ですが最近、比較的まともに動画配信を利用できるようになったことでひとつ妙手が思いつきました。

ということで、今日からYouTube日記を始めます。その日見た動画のうち、権利的に問題のない(笑)ものだけをひとつ、さらっと紹介します。※第一回は、こちら。




アンドリス・ネルソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団による、ストラヴィンスキーのバレエ音楽「ペトルーシュカ」です。全曲をアップしてくれる、avroklassiekさまには頭が上がりません。今後もきっと、多くの動画を紹介することでしょう。

※でもあれですよね、違法動画のアップロードならまだしもゴニョゴニョ。詐欺師に騙されるのが悪い、とか某児童ポルノ方面の論理に似た本末転倒を感じなくもない、というか。

アンドリス・ネルソンス、その活躍を考えればそのうち大きいポストに就いてよりビッグネームになるのだろうことは予想に難くありません。でもまだ実演では聴いてないんですよねえ(その予定も、はっきり言ってない)。であれば放送やら動画やら録音は大きな助けになります、これももちろんそのひとつになりましょう。この前放送されたブリテンの戦争レクイエムとか、ソフト化されないんですかねえ…

ざっと見ての感想いや印象ですが、ネルソンスとオケのコミュニケーションがよくわからないなあ、というもの。オンビートというよりもむしろ後振りすれすれの指揮なのに、音楽のテンポはたしかに指揮者のものに見える。むむむむ。こういう「ズレ」に感じられるところに指揮者のアプローチが見えたりするのでけっこう気になるんですよねえ…いつか実演で聴けますように、見られますように。

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昔販売されていたソフトなんかはさすがに紹介しにくいのですが、公式配信なら。そんなわけでこれからさくさくと更新しますね。ではまた。


2013年4月9日火曜日

これからのプレミアムシアターに注目です!(ガルパン風に)

こんにちは。千葉です。

あの番組、見たんですけど、なんか特に先日の記事に付け足すことはないような…もしご希望あれば感想くらいは書きますけど、なければスルーで(最近の逃げるときの言い訳)。

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今日は自分のためにもメモしておきたい、この先のNHK-BSプレミアムの看板番組(え)、プレミアムシアター放送予定です。以下スケジュールだけ。



●4月15日(月)【14日(日)深夜】午前0時20分~午前4時20分

・リッカルド・シャイー指揮 ライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団演奏会
・パーヴォ・ヤルヴィ指揮 パリ管弦楽団演奏会

シャイーのマーラー、実はDVDだと第二、第八がリリースされてますね、第四が今月末に発売予定。だから今回放送される第五番もきっと、その流れでリリースされる、んじゃないかな(弱気)。
この秋に来日するパーヴォは「春の祭典」をメインに据えた、フランスものと言ってもよさそうなプログラムです。




●4月22日(月)【21日(日)深夜】午前0時~午前4時

・マドリード・レアル劇場公演 フィリップ・グラス:歌劇「パーフェクト・アメリカン」
・フェニーチェ歌劇場公演 シェーンベルク:歌劇「今日から明日まで」

グラスの新作が示す「完璧なアメリカ人」はウォルト・ディズニー。前に何処かの配信で見ようと思ったら「日本はダメなんだよごめんね~」(意訳)と出たものだったので、この放送はちょっと嬉しい。
フェニーチェ歌劇場のシェーンベルクはエリアフ・インバル指揮です。

●5月13日(月)【12日(日)深夜】午前0時~午前4時20分

・ロイヤル・コンセルトヘボウ 創立125周年記念ガラ
・ドキュメンタリー「カルロス・クライバー ~ロスト・トゥー・ザ・ワールド~」
・ドキュメンタリー「目的地なきシュプール ~指揮者カルロス・クライバー~」

コンセルトヘボウのガラなら、三人の存命の指揮者で分け合えばいいのに、なんて嫌味は言いませんよ(言ったから、いま)。
カルロス・クライバーのドキュメンタリはYouTubeでも見られますけど、字幕がほしかったから(あたりまえだ)再放送は助かります。

●5月20日(月)【19日(日)深夜】午前0時~午前4時

・ドキュメンタリー「カラヤン ~ザ・セカンド・ライフ~(仮題)」
・パリ・オペラコミック公演 笈田ヨシ演出の歌劇「真珠採り」

カラヤンのドキュメンタリ。ううん、切り口が気になりますよね、大きい人だけに。
ビゼーの歌劇、なかなか見られない演目なので助かります。また、オペラコミークでの上演というのもポイント、ですね。

●5月27日(月)【26日(日)深夜】午前0時20分~午前4時30分

・バーデン・バーデン復活祭音楽祭公演 歌劇「魔笛」
・ベルリン・フィル ジルヴェスター・コンサート2011

後者は録画環境になったからようやく録れます(笑)。前者の「魔笛」、こちらはTwitterでベルリン・フィルがブログの更新などお知らせしてくれるたびに「すみません!デジタル・コンサートホールに加入できない貧民ですみません!」と思っていた演目なので(号泣)助かります。本当に…

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そもそもさあ、何のために収録チームに入ってるのかって話よ。なぜか収録から一定時間をおいて、でないと放送されないライヴはなにか意味があるのかね。え?

とか、居丈高に難癖をつけたくなることもありますが、私は元気です!(それ違う)このひと月分の放送で何ヶ月か暮らせてしまいそうだわ、ほくほく(口で言うんか)。あ、そうそう。新装されたあの番組、まだ見ていないのでコメントなしです。ただ、思うんですけど、日曜の夜は競合が多いんじゃないかなあ、そこで放送交響楽団アワー(仮名)はやっていけるのかどうか…いや見もしないで言及はいけませんな、わっはっは。

ということで、自分メモ兼告知のようなもの、以上であります。さらばっ。

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追記。ありそうだな、と思って探したらありましたよシャイー&ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団他によるマーラーのトレイラー。ここには第八番を貼っておきますね、なかなか良い感じ。