2015年11月8日日曜日

11月はフェスティヴァルとか

こんにちは。千葉です。

世界の困難が、最近認識を追いつかせるのすら難しいものになってきているように感じます。国内の酷さもまた相当のものですけどね、あいも変わらず。
政治方面のみならず経済的ニュースの範疇なのだろうVWの件や、マンションの杭のデータがどうこう、あたりまで視野にいれるとかなり危険な状況に思われるのですが、しかし我が株式市場は絶好調であるような現状について、どうのこうの言うには正直力不足であります、私。なのでここ数ヶ月続けた前説はちょっと別の形でメモにでもしておきます、あっちの更新が止まってるブログとか使う方向で。

なので別の話を一つだけさせてください。松来未祐さんの逝去について。

千葉は、新房昭之&シャフト作品に、というか「さよなら絶望先生」に出逢わなければ、またアニメを見るようにはならなかった可能性が高いのですが、その作品の藤吉晴美役でまつらいさんこと松木さんを存じ上げまして。にょんたかー。その後、絶望放送などでそのお人柄を知り、さらに「ひだまりスケッチ」などの他作品でもそのお仕事を知るようになりました。
そんな時期だったと思います、当時再放送されていた「蒼穹のファフナー」の最初のシリーズの序盤でいきなり彼女が演じた翔子が死ぬ回を見たのは。驚きましたねえ、主要キャラクターにしか見えないのにいきなり敵もろともに退場してしまうんですもの。そこから何年もの時間が過ぎて、「ファフナー」のシリーズがいま、第一期から映画、そして第二期と続いてきて、まさに最終的なクライマックスを迎えようといういま、彼女が亡くなられるとは。です。

いや、そんなことより何より、まさかまつらいさんが38歳の若さで亡くなられてしまうとは。9月まで放送されていた「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」でも怪演(絶賛ですよ、為念)を披露していた彼女でしたから、きっと遠くない時期に回復して復帰されて、その日にはアニメの二期もめでたく決まって復活した下ラジのゲストに来てくれるはず。休養の報を見ても、そんなふうに楽観的に期待して快癒の報せを待っていました。

だからもう、この訃報にはほんとうに言葉がありません。ただ、瞑目合掌させていただきます。

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さて本題、11月のプレミアムシアター放送予定ですよ。

●11月9日(月)【11月8日(日)深夜】午前0時20分~5時

・歌劇『ベンヴェヌート・チェッリーニ』【5.1サラウンド】
・モナコ公国 モンテカルロ・バレエ 「LAC~白鳥の湖~」

前半は今年の五月にオランダで上演されたベルリオーズのオペラ「ベンヴェヌート・チェッリーニ」ですよ。誰やねんそいつ、と思われるでしょうから大ざっぱに説明しますと(ああ人名だったんだ、というボケは却下します)、「ルネサンス期イタリアの画家、金細工師、彫刻家、音楽家」、という実在の人物です(拾ってきやがったなこいつ)。彼の作品は、Wikipediaのイタリア語ページではいくつか見られますよ。

ベルリオーズが生きた時代に再評価された彼の自伝を元にして作られたこのオペラを、今回放送されるプロダクションではあのテリー・ギリアムが演出しています。同じプロダクションで上演したイングリッシュ・ナショナル・オペラの映像で雰囲気は感じられますかしら。ネーデルラント・オペラの上演は指揮にマーク・エルダー、管弦楽はロッテルダム・フィル、チェッリーニ役には大野和士による「ホフマン物語」で来日もしたジョン・オズボーンと、陣容的には問題なく楽しめそうです。うむ。



…先日放送されたセイジオザワ・フェスの「ベアトリスとベネディクト」もそうでしたが、最近もしかしてベルリオーズの時代、来ちゃってますかね。代表作として知られているのが「幻想交響曲」だけだと、ベルリオーズが一般に言われるほど極端にも過激にも思えない千葉といたしましては、より多くの作品が知られるようになれば喜ばしいことである、と申し上げさせていただきます。あの巨大な「レクイエム」が残響豊かな大聖堂での響きを意識してあえて簡素なしかし大編成で書かれていることや、オラトリオ的な手法で戯曲を捉え直した劇的交響曲「ロメオとジュリエット」が意外とストーリーを語りきっていることやら、実演ならばもっと伝わると思うんですよね。千葉の乏しい経験からでもその程度は推測できるのだから、きっと流行ればいい感じになるよベルリオーズ!

……そのためには「イタリアのハロルド」で熱狂的スタンディング・オベーション!とか、歌曲集「夏の夜」めあてでお客さんが殺到!みたいな成功体験が必要なんでしょうけどね(遠い目)。

後半のモナコ公国 モンテカルロ・バレエ 「LAC~白鳥の湖~」は何度めかの再放送ですので、ジャン・クリストフ・マイヨーの振付など気になる方は御覧ください、とのみ。

●11月16日(月)【11月15日(日)深夜】午前0時10分~

・ザルツブルク音楽祭2015 ムター& ムーティ指揮 ウィーン・フィル コンサート【5.1サラウンド】
・ザルツブルク音楽祭2005 歌劇『椿姫』【5.1サラウンド】

前半は今年のザルツブルク音楽祭から、リッカルド・ムーティ指揮ウィーン・フィルのコンサート、ソリストにはアンネ=ゾフィー・ムターを迎えるという気持ち良いほどに音楽祭仕様の豪華版ですよ。来年のシカゴ響、そして東京・春・音楽祭への登場を前に現在のムーティを聴いておくのもよろしいのでは。8月14、15日のコンサートの収録です。
曲目はムターの協奏曲がチャイコフスキー、メインはブラームスの交響曲第二番です。ニ長調ですね(特に意味なし)。

後半もまたザルツブルク音楽祭、しかしけっこう遡って10年前、2005年の舞台で演目は歌劇「椿姫」です。これはもうCD、映像ソフトにもなっているネトレプコ、ヴィラゾン、ハンプソンほか豪華キャストの公演ですね。うむ、音楽祭仕様だ(笑)。オケはもちろんウィーン・フィル、指揮はカルロ・リッツィです。

●11月23日(月・祝)【11月22日(日)深夜】午前0時10分~

・ハンブルク・バレエ『タチヤーナ』
・英国ロイヤル・バレエ『アシュトン・セレブレーション』【5.1サラウンド】

この週はバレエです。それもモダンの。そこで説明をするほどの身の程知らずでもないので、こちらの映像で雰囲気を掴んでいただけましたら。

・ノイマイヤー演出 ハンブルク・バレエ「タチアナ」



・英国ロイヤル・バレエ 「アシュトン・セレブレーション」



●11月30日(月)【11月29日(日)深夜】午前0時10分~
エクサン・プロバンス音楽祭2015 歌劇「アルチーナ」(ヘンデル)

最終週はまだ公式サイトには出ていませんが、このオペラで間違いはありません。そのはずです、たぶん(弱気)。
先日、東京音楽大学での公開講座で伺った話によれば「昔イタリアで学んだことをずーっとやっていたから、晩年には”昔風のイタリア・オペラを時代遅れになってもやっている人”だった」「国籍としてはイギリス人なのに、ドイツの人たちが”うちの大作曲家っすよね”とばかりに復古上演してきた結果、ドイツのオペラハウスではシーズンにひとつは上演されている」というジョージ・フレデリック・ヘンデルさんの歌劇「アルチーナ」がこの週のコンテンツですよ。あ、もうちょっといいことも言われてましたからねレクチャーでは>ヘンデルさん。

この上演は指揮がアンドレーア・マルコン、オケがフライブルク・バロック・オーケストラ、ってところでもうある程度の安心感がありますし、キャストにはパトリシア・プティボンにフィリップ・ジャルスキーなら、ってことで素直に期待して待ちます。これも音楽祭仕様ですね(笑)。演出は現代風ですけど、フランスでの上演だもん、きっとブレヒト風の異化にはこだわってない、はず!
(註:この前のレクチャーでは「ドイツではたくさんのバロック・オペラが上演されるのだが、どうしても素直なハッピィエンドを受け入れずブレヒト流の異化をしたがるので困りものだ」というお話がありました)

なお、ちょっとくらい予習しようかな…(バロックには強くない自覚あります、千葉は)、と思ってこの上演の動画を探してみたらすでに全曲の以下略。「演出が気になる!ってか一刻も早く見たい聴きたいんじゃー!」という熱い方は検索検索ぅ(もう古いよそれ)。

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さてもう一時間で8日の放送が始まろうと言うタイミングでの更新、まっこと申し訳なく。追加できる情報などありましたら更新しますが、基本的にはこの記事は更新しなくていいはず、です。ではまた。

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