2016年3月13日日曜日

KING OF PRISM(キンプリ)を見てください、いやできたらプリティーリズムから(以下略

こんにちは。千葉です。

11日に行われた新国立劇場「ヤナーチェク」の千秋楽をもって(盛況だったらしい。よかった)、無事ヤナーチェク月間も終了したので、ちょっと気分転換に映画を見てきました。見た映画は聞いて驚け、念願のキンプリこと「KING OF PRISM by PrettyRhythm」です。

まずここでおことわりを、「お前にクラシック以外の話は求めてない」と思われる方はここまででご容赦ください。ごきげんよう、また今度。

そして「むしろ検索とかでここにたどり着いたんですけど」的な人は、まあこういう人もいるということで少しおつきあいください。千葉はオーロラドリームからの「プリティーリズム」シリーズは全部見ています、ということでネタバレ等はあると思いますので、気になる方はご注意を。

また、映画の感想の最初に他所様のサイトを紹介するのも変な話ですが。千葉が「プリティーリズム」シリーズを観る中でずっと楽しく見させていただいていた「在宅アニメ評論家」さまのサイトは、これから「プリティーリズム」シリーズを見られる方に、放送当時のリアルな、しかも上質な反応をご覧いただける素敵なサイトだと思いますよ。作中で「この台詞!」とか「この曲!ショウが!」なんて思ったときに参照できる、ほんと詳細な感想ブログさんなのです(メモメモ推奨)。…さて、前置きはこの辺で。

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そんなわけでキンプリ見てきたんです。平日の午後だったのでさすがに人は少ないし、プリズムスタァ応援上映じゃなくて通常上映なので声も出さずに。

では「初見だから悶絶してわけがわからなかった」かといえばそうでもない。シリーズにはおなじみで、さらには以前から興味のあったで、ここまでのロングランとなった映画であれば情報はある程度入っていましたし(実は監督のメッセージのニコ生も見てたけど、映画館に行く時間が作れなかった、マネジメント超下手)。
もちろん、何度となく悶絶はしましたよ、特に神浜コウジはどうしたのか、いつの間にあんなセクスィモンスターになったのか。でもほら、「最高のクライマックスで、本気で泣きながら死ぬほど笑わされる」のはアニメ第一作「オーロラドリーム」からの伝統みたいなものですし、ねえ。

視聴の最低限の前提として、
「プリズムショーはフィギュアスケート的な競技で、歌とダンスとコーデで競う競技」
「プリズムジャンプは心の飛躍、…じゃなくて(そうなんだけど)、ジャンプに成功すると観衆は謎の力によって、ある種のイリュージョンを観る(場合によってはイリュージョンが実体化することもある)」
ということだけ知っていれば、実はきつちり正面から受け取れる作品なんじゃないかなあ。

っていうのは古参ぶりすぎかしらん。もちろん念願の「男子並み」プリズムショーの実現には大いに胸熱くなりましたけど、はちみつや電車が出てきてゲラゲラ笑う経験はすでにしていたもので…(笑)

では千葉は「KING OF PRISMをどのように見たか」という結論を先に書いてしまうと、千葉は「まだ存在しないTVシリーズの総集編、削られる前の尺はたぶん1クールから2クールくらい(想定は前者が2クールもの、後者はレインボーライブ並みの一年もの)」として最高に楽しく見ました。それだけの内容をほんとにギリギリまで削って、それこそなんとか”お話が成立する限界”まで削られているけれど、その全篇にこれでもかってサーヴィスが溢れた、とっても楽しい映画でした(中学生店長並みの感想)。

※セクスィモンスター、じゃなくて神浜コウジの料理紹介の長台詞が「削れるんじゃね」ネタ的によくつっこまれますけど、あれは「あの三人で親密に話せる時間(もしかするとこの話をしたらこの先はもう訪れないかもしれない時間)をどれだけ彼が大事にしているか」ってことを示すためと、お話の緩急的に数少ないテンポの遅い場面を用意したんだと思いますよ。だってあの場面であれだけ説明することで、大事な仲間のためにとっておきの具材で時間かけて最高の料理を作ってることがわかるじゃないですか。

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まずキンプリで描かれるお話を整理すると、こんな感じ、のはず。だいたいは作品の描出順だと思うけど、まだ一回しか見てないので間違ってたらごめんなさい。

・主人公、いろいろあってユニット「Over the Rainbow」(略称オバレ)のライブでプリズムショーに出会う
・主人公、見出されてエーデルローズに入る→エーデルローズの仲間に出会う
・エーデルローズの事情と、オバレの事情が交錯する
・エーデルローズには敵対的グループがいて(この流れはレインボーライブ最終回から続いている)、そこからの挑戦者が現れる⇔主人公が先輩に育てられる(描写は同時進行)
・オバレの活動停止発表で失意に暮れるイヴェント会場→先輩の意を受けた後輩・主人公がその窮地を救って終わり
・まだ何も決まっていないけれど、制作サイドが絶対に作りたい次回への予告編

これだけの、どれ一つとっても一パート~数話を使いそうな出来事が、どうしても尺を使うライブ、プリズムショー(ダンス、音楽で構成されるプリズムショーはどうしても端折れないから、削りようがないのね)を織り交ぜて総尺一時間程度で描かれているのだから、そりゃあ濃厚にもなります。断章をコラージュ的に組合わせた小説、コンデンスト・ノヴェル(濃縮小説)なんてものも世の中にはございますが、キンプリの場合はコンデンスト・アニメとでも言ってみましょうか。

でも、キンプリは時系列をいじらないし、明示されていない示唆的な描写はおそらくルヰくん周りの事柄だけなんじゃないかなあ(彼についても、まあそのなんですか、現時点でも使者的なアレ感を隠す気はないようですね←ちょっとだけ言いよどむのは、お話の先読みはしないタイプなのですこし気後れするからです)。

千葉が「KING OF PRISM」を見てこのように認識した上で、その感想をなにかに例えるなら”まだ「機動戦士ガンダム」が放送されていない時点で作られた、劇場版 I”ってことになります。

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想像してみましょう、「オバレのライブから主人公が氷室聖に見いだされる、そこにカットバックで入るルヰくんとの出会いまで」で構成された第一話を。ライブ会場にはきっと氷室聖もジュネ様を連れて来ていて、チラチラとレインボーライブの面々が放送を見ている絵が入ったり、忘れちゃいけないグロリアスシュワルツ!さんじゃなくてノリノリ法月さんが奥歯噛み締めながらテレビを睨んでる絵が合間に入るんですよ。
いや、もしかするとシンくんは第一話Bパートでエーデルローズに入るかもしれない、そこで一通りのキャラクターに出会う場面まで、そこで回想されるルヰくんとの会話で引き(ベッドでペンダントを見上げてモノローグのあと寝入って終わり的なイメージ)、みたいな。

その後も主人公がちゃんとプリズムショーをできるようになる回(エーデルローズの仲間、先輩たちの指導の中で、キャラクタの個性が見えるエピソードになるはず)が何回かあって、その中でエーデルローズの事情が示されてくる(ここでオバレのさらに先輩世代の関係も示される)。
キャラクターや勢力間の関係性が重くなりすぎる前に、旧シリーズとのリンクを示すエピソードを何回かはさんで(女子回もあるはず!)、小出しにされてきた敵対するシュワルツローズの姿がだんだんと見えてくる。そして迎える敵対的なドラマの最初のクライマックスが、キンプリで描かれたEZ DO DANCEバトルですよ。そしておそらく、2クール目の〆がオバレ活動停止からのシンくんのプリズムショー、劇場版「キンプリ」のエンディングです(そのくらいの時間が、キンプリ作中では過ぎている、ということでもありますね)。

その中には予告編で描かれたあれやこれやへの布石が随所に置かれていて、プリズムキングカップがいよいよ動き出す第3クールではオープニング曲も変わって、きっと武内くんもエーデルローズ組と一緒に歌ってるんですよ(妄想)。

と、千葉の脳内ではこんな感じで一年にわたって毎週放送されるTVシリーズの「KING OF PRISM」がぼんやりと見えてしまったんです。そしてこの感じが、”ファーストガンダムをTVシリーズではなく劇場版から見た”に近いような気がしているんです。あれだって相当に駆け足で、しかしギリギリで話が通るようにできてますものね。

こういう見立てみたいなのは別に当たり外れって話じゃあない、あくまでお遊びの類なんだけど、この作品の監督の菱田正和さん、脚本の青葉譲さん、演出の菱田マサカズさん、そして絵コンテの日歩冠星さんが、何故か偶然にも揃ってサンライズ出身で富野メソッドの継承者であること(ふしぎだなー)を考え併せれば、そう的外れな感想ではないように思いますが、どうすか。

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でね。この長い文章で何が言いたいか、簡単に書いてしまいますとですね。
「頼むからTVシリーズのKING OF PRISMを観せてくださいお願いします」です。

過去の「プリティーリズム」シリーズで、お話の本筋が読めていて(そこは子供向けゲームが原作だからさすがに複雑じゃない、世代を超えた因縁が絡むドラマは軽くはないけどわかりにくいものじゃない)なお各回に必ず驚きがあって(総集編的な回ですら!)、ドラマの最終的なゴールでは完全にこちらの予想も期待も超えてきたあのシリーズを、土曜の起き抜けに毎週楽しく見ていた千葉としては、できたら圧縮された劇場版じゃなくてTVシリーズで、続きものだからこそできる時間をかけた展開で観たいんです。

だって圧縮したら「伸び悩みに悩む太刀花ユキノジョウが、自分を慕うレオくんのショーを見て飛躍のきっかけを掴み、それを契機にふたりとも成長する」とか「加賀美タイガがいかにカヅキ先輩に憧れているか、そしてそれ故に伸び切れない部分があるのか」「カヅキ先輩がアイドル活動とストリート系の自由との狭間で迷いチェリピキ(略」「幸せヒロ様のノリノリなアイドル活動(夜ノヨッシャーマン撮影(略」などなど、そういうの全部抜けちゃうんですよ!シリーズなら「成長はしているけれど、どこかでオバレ頼みになってしまっている後輩たちを少し歯がゆく思う神浜コウジ(もちろんここでクロスさんも出る)」とか、絶対に布石を置くはずなんですよ!
(ってか今回だってできたら入れたかっただろうなって思ってます。キンプリではバトルと重ねて描かれた”指導”は、冒頭のライブから数ヶ月が経っての出来事だって明示したかったはず)

そして、「キャラの個別エピソードがないとCGは作られないよね」ってのもTVシリーズを推す理由です。「大和アレクサンダーの量感のある胴体がキリキリ動くのは新鮮だった」ってのはキンプリを見たほとんどの方が感じたことでしょうから、新作されるプリズムショーはきっと映像的にもいろいろおもしろいと思うんですよ。ユキ様のガチ和装を絡めたプリズムショーとか観たいじゃないですか(「ハルチカ」の影響もあって、千葉はユキ様推し←中の人に影響されやすい)。

寝起きで見た「オーロラドリーム」がいきなり楽しかったのは「CGモデルがちゃんとかわいい」というのもありました、それは日本のCGアニメのアプローチとして正解じゃないかと思えたんです。アニメで映像的強みがあるのって大事ですよね(それはアニメに限らない、映像作品には求められるポイントですけどね)。プリズムショー初見の人たちを大いに幻惑した(笑)キンプリの圧倒的な映像パワーが毎週見られたら、こんな素敵なことはないじゃないですか。ああもう、見たい観たい、TVシリーズで観たい~!(上葉みあか君は)

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いろいろ書いてきましたが。おっさんなので筐体で遊んだりしなかった千葉としては、今回の「KING OF PRISM by PrettyRhythm」の上映は、これまでアニメ「プリティーリズム」シリーズを作ってくれた皆さまに大きく手を振ってありがとうって叫べる機会がようやく訪れてくれたもの、と感じています。筐体で遊んで、グッズを買ってシリーズを支えてくれた親子の皆さんにも御礼を(千葉はCDしか買ってない)。

そして、時間が作れずなかなか見られなかった本作を、熱い応援で長く上映させ続けてくれたヤク…じゃなくて構成い…じゃなくて、エリート各位にも大きく手を振ってありがとう!であります(まだエンディング曲を覚えるほどは見ていないからキンプリ引用じゃないのはご容赦ください>エリート各位)。エリートの熱意でテレビ番組のミニシアターランキングの一位になったり、映画館の予約サイトを落としたり、なんてなかなかできることじゃないすよ!(笑)

にしても。上に書いた話の流れも確認しなくちゃいけないし、どうせなら一度くらいは応援上映を経験しておくべきなのでしょうか…サイリウムってこれ以外で使う機会、ないよなあ…などと思いつつこの長い文章はおしまい。

いつもの皆さんはまたの機会にお会いしましょう、検索とかで来られた皆さんとは縁がございましたらまたいずれ。ごきげんよう。

追記。この前、上映が終わったタイミングで映画館の前を通りがかったら女性二人が「待ってユキ様~」とレオくん遊びをしておりました。そりゃあ、脳内おうえん上映をする人も出てきましょうよ(笑)。




このサイトなんか経由してくれなくて構わないので(特典とかないですし…)、ぜひCDやDVDをお買い求めください(頼まれもしないのに販促)。

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