2012年6月7日木曜日

曇り空では仕方がない、ので

こんにちは。千葉です。

いろいろ書きたいことがありすぎて手が回りません。正直な話、ぐつぐつに煮詰まった頭の中からネタが出たがっているんですけど、それをまとめる時間がない。困りました。

ということで。発作的に新企画、さらっとサイモン・ラトルの録音の話をするコーナー、始めます。どんどんどんパフパフ(…)。旧館の方ではそれなりに別枠扱いしていたサイモン・ラトルの話を、考えてみればこっちではしてないなって思ってはいたんですよ、うんうんいいきっかけになるよ、たぶん。

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千葉は別に天体観測には興味がないし(星座って、有名な幾つかを除くと図としてつなげる程度の認識もできてない)、いわゆる「天体ショー」の類も「まあ自転公転の関係上あることっすよね」くらいの受け取り方しかしていません。先日の金環日食はさすがに、写真で見たことがあるようなアレが見られるのかあ、くらいには気になったけれど特に何もせず木漏れ日にその独特な丸い影が映るのを見たのみ。
だから今日もなんの準備もせず、起きてみたら雨模様で金星の太陽面横断なんて見えないね残念だね、くらいの感想なんです。どうせニュースで見られるだろう、と思うと頑張る気がなくなる今日この頃です(サッカー代表戦とかも、もはやその領域に近い)。

でも数日も前から何度も何度も金星の話をされると私、気になります!


あ、すみません。あのアニメが気になるのではなくて(あれは評しようのない困った作品です、でもここでも向こうでも論評はしません)、惑星つながりでグスタフ・ホルストの組曲「惑星」が、です。あゝやっと本題だ(笑)、ということで、今日はサイモン・ラトルによる新旧の録音を聴きました。



はい、かたや駆け出しのしかし注目される若きサイモン・ラトルとフィルハーモニア管弦楽団による1980年12月の録音。もう一方は惑星の定義が揺れた2006年(覚えていますか~、けっこう話題でしたよ~)にリリースされたベルリン・フィルハーモニー管弦楽団との、同年3月の録音です。

演奏について評するのに「作曲者と同国出身ならではのー」とか言いたくないので(笑)、まずはベルリン盤のプロモーションでも御覧ください。少しは演奏も聴けますし。




いちおうですね、動画等は著作権を気にする派なので公式のもののみ紹介しますよ、今後も。皆さまのほうが詳しい場合も多いでしょうから、千葉の役目はまとめることかなと思っている、というのもありますが。

実演の印象なども加えた感触なんですが。ラトルはベルリン・フィルのポストについてから、オーケストラとのつきあい方が大きく変わってきているように思います。バーミンガム市響時代とも、ウィーン・フィルとの蜜月の時代とも違うし、就任前後のいささか堅い演奏ともまた違う、オーケストラの力を十分に引き出す、ある程度までは任せるけれど、自分が捉えている作品の「本筋」は絶対に外さない、とでも言えそうなやり方に。

千葉の捉えたラトルの演奏スタイルをおおざっぱに申しますと。一般にバーミンガム時代は自分が先陣を切って突き進む(ように見える)先鋭的挑戦的な演奏、ウィーンとは互いのアイディアを活かしあおうという協業的な演奏(この時期の録音が少ないのは、おそらく指揮者、オケの双方にとって損失であるし、何より聴き手にとって惜しまれるものです、エアチェック音源などから想像するに)をしています。
では、カラヤンのトップダウン時代、そしてアバドによる民主化(笑えない)を経た今、芸術監督としてはどのようにこの偉大なオーケストラと接するべきか。これはですね、さすがにラトルにとってもかなりの難問だったんじゃないかなって思うんです。就任からしばらくは一部の顔見せ的な盤を除いては録音もリリースせず、日本へのツアーもなかなか行わず(彼らのコンビでの初来日は2004年11月)。明らかに足場を固めていたんだな、って今なら思えます。
昨今の成熟した彼らの演奏は、かつてのバーミンガム時代のアップグレードされた再演でもないし、オーケストラの歴史とのケミストリーを演奏者も聴手もともに発見し合うようなものでもありません。それはですね、…

と書いてから長くなりすぎたことに気が付きました(笑)。ラトルの盤を新旧織り交ぜて紹介していく中でおいおい書かせていただきますね、期待したい方は期待して下さいませ。

この新旧の「惑星」では、リズム感と響きのバランスに圧倒的なセンスを感じさせる旧盤が、単純に好みで言えば好きです。このライトウェイトスポーツカーを振り回すが如き快感、いいんですよう。
しかし新録音のベルリン・フィル盤はコリン・マシューズによる「冥王星」、さらに「アド・ノストラ・プロジェクト」として委嘱された四人の作曲家の競演が楽しめるのも捨てがたい。それに何より、オーケストラとの距離感がこの時期から落ち着いてきたんじゃないかな、と思える音響的な充実はただならぬものです。なのでまあ、お好みでぜひお聴きくださいませ、どちらもそれぞれにいいですよ!というのが千葉の結論です。え?答え、出てませんか?変だなあ何がいけなかったんだろう(棒読)。

以上、「えっと、金星ってこの組曲の中のどの曲だっけ?」と今朝思っていたことはナイショのままこの辺で。ではまた、ごきげんよう。




上では国内盤SACDを貼りましたけど、輸入盤CDは安いです。廉いデス(繰り返し)。このへんの内外価格格差、ちょっと考えてみたくなるんですが、どうなんでしょう…
あと考えてみたらちゃんとスコアを追ったことがないな、と思ったのでいちおう自分用に、ドーヴァーのリプリントのスコアを。でもこれ、もうパブリックドメインなんですよね、考えてみたら(リンク先参照)。むむむ。

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