2012年6月8日金曜日

Senzoku Special Wind Worldに期待します


こんにちは。千葉です。

これも寝かせすぎないうちにと慌ててまとめました(半泣)、先日伺ってきた洗足学園音楽大学の新企画、のレビューです。次回(6/26)までは時間があるから手遅れじゃない!はずです…

◆Senzoku Special Wind World 第1回演奏会

2012年5月29日(火)
18:30~公開リハーサル(約90分)、20:00~演奏会

会場:洗足学園前田ホール

指揮:山下一史
吹奏楽:Senzoku Special Wind World

曲目:

ホルスト:吹奏楽のための第一組曲変ホ長調Op.28-1
シャブリエ:狂詩曲「スペイン」


先日のマリア・フォシュストロームさんのコンサートに伺った際に知ったこちらの公演、いろいろな興味から聴きに行きました、入場無料でもありましたし!(貧民の弾ける喜び)

まずは、以前近所に住んでいたのに洗足学園の公演に伺ったことがない、結果そこにある前田ホールにも行けていないのが気になってました。吹奏楽をやっていれば少しはその存在を意識することもあるだろう音楽大学の、吹奏楽の企画だってあったことでしょうに。反省。
そして指揮者の山下一史氏の演奏を聴いたことがないのも、彼の仕事の多さを考えればいかんかな、とも思えまして。それにチラシを見るに、バンドのメンバーに首都圏のオーケストラ団員の名前も散見されて、一定以上の演奏クオリティは期待できそうです。
さらにこの企画、演奏を聴くだけの普通の音楽愛好家より吹奏楽経験者の方がより楽しめそう、加えて曲目が自分も演奏した二曲である。ここまで揃ってうかがわないようでは、出不精を通り越してもはや実演が好きじゃない人ですよ、千葉は(笑)。

演奏会というよりはゲネプロっぽい服装のステージ上の奏者各位にマエストロにより演奏曲順に手際良くさくさくとリハーサルは進められ(一部、ホルスト作品で楽譜の直しがあったとき、お答えを客席から伝えたのは、もしかしてこの曲の最新校訂を手がけられた伊藤康秀先生でしたかしら?)、はじめいささか不慣れな感もあったバンドはどんどんと整って行きます。そうそう、チラシには教員メンバー(名のあるプロ多数!)のみ掲載されていたのですが、メンバー構成は毎回変わるとのこと。教員と学生選抜により構成される格好です。チラシには名前のなかった都響の高橋敦さんがトランペットのトップ、そしてこちらはチラシにも名前のあった橋本晋哉さんがテューバの上の声部をやって、など今回のメンバーはなかなか千葉得でした(笑)。なにより、音楽的にさすがと思えるところも多かったですし。特にホルストの第一楽章の終わり、ああいう輝かしい音に、なるはずなんですよねえ…(超望遠)
会場の前田ホールは、先日伺った講堂とはまったく逆方向の、よく響いてその眺めの残響ともども音はブレンドされて聴きてに届く感じ。どうなのかな、もしかするとピアノの演奏会なんかで聴くととてもいいかも。吹奏楽では楽器それぞれが持つ指向性が不明瞭になるのがいいのか悪いのか。個人的にはもう少し立体的な音になると嬉しいかも。


ただし。この二曲、自分演奏した記憶があるものだから、少しばかりそっち目線からの食い足りなさを感じてしまうところは、ありました。アマチュアのいいところは演奏するその曲とかなり長期に渡っておつきあいすることですからね、否応なくいろいろな面を見ています。
例えばホルストの第一組曲は、いわば新古典主義的な作品でもあるわけで形式やモティーフ、フレージングでいろいろな表情を見せてくれる曲です。一度のリハーサルで流れ優先のつくりではあまり面白さが出てこない、のではないかな、とか。
シャブリエはいま聴くとあまりに非論理的な編曲に違和感を覚えずにはいられない、それに尽きます(これは編曲の思想自体の違いで、シンフォニックバンド用の編曲メソッドには完全に適っている、それを悪というつもりはないけれど…)。いくらプロとその卵が集まってはいても、一時間半でできることには限度があるわけです。これはこのフォーマットである以上は仕方のない部分かな。

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と、文句は言いましたけど、こういうアウトリーチがいま、特に大阪市音楽団ほどの名門団体ですら即時解散に追い込まれかねない逆風下にある吹奏楽には求められていると思うので、千葉は基本的に応援します。先日、新聞で「ニュー・サウンズ・イン・ブラス40年」なんて新聞記事を見ましたが、そっちの方向もいいけどいわゆる芸術音楽としての吹奏楽も、もっと知られないと簡単に大変なことになってしまう、と考えています。まさに間口の広いジャンルですから、多様な性格をそのままにお伝えしていく努力、していかないと。
とか、吹奏楽を応援しよう!などと口走る自分が現状をまるで知らないのはいかんよね、と心底反省してもおる次第ですが。

指摘したような問題はあると思う、だけれど企画趣意や出演者はいいものがある、それに入場無料の企画でもありますので、日程の合う方はぜひ、次回以降の公演に足を運んで見てはいかがでしょうか、と思います。千葉はもちろん行くつもり、であります。今度は演奏したことのない曲だから気楽ですし、ね(笑)。

以下、次回以降の日程のみ。

・第2回 2012年6月26日(火)
指揮:ロバート・チャイルズ

ショスタコーヴィチ:祝典序曲
アーノルド:序曲「ピータールー」

・第3回 2012年7月25日(水)
指揮:山下一史

ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」より

ではまた。




そろそろこの名盤を超えてやろう!という試みがあってもいいと思うんだ。いや、この盤の地味な凄まじさには聴くたび感心させられるのだけれど。特に趣味のテューバ吹きだった身には、第二組曲の粒立ちが怖ろしい…

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