2016年4月6日水曜日

書きました:新国立劇場「ウェルテル」、名唱の饗宴で開幕

こんにちは。千葉です。

えっとですね、靴の調整って大事ですね。あと多分、寝る時の姿勢。簡単にぎっくり腰になって理解しました、私もう若くないのですわ、あはははは。

*************

そんな前置きはさておいて、寄稿した記事のご紹介を。

●新国立劇場「ウェルテル」、名唱の饗宴で開幕

日曜日、それはまだ私の腰が万全の状態だった遠い昔(おい)。初台の新国立劇場に赴きまして、2016年二本目の新制作、マスネ作曲の歌劇「ウェルテル」を拝見してまいりまして、そのレポートをば書きました次第。

と紹介した後に、あまり付け加えることがない程、自分としては大いに盛って書いております。
子供の頃に読んで(名作は読めって言われますからね。読むべきお歳になってないのにね)、その後今回の上演に備えて読むまでは正直なところ「書簡体小説だったよね」くらいにしか認識していなかった原作小説についてもそれなりに触れていますし、舞台写真も抜粋の動画も入れ込んであります。文中にも書いたことですが、このオペラは「ウェルテルとシャルロット」なのだなあ、というのが比較したうえでの感想です。昔見たDVDの舞台では、若干年齢設定を変えてあったようで、割とソフィーがぐいぐい来る感じを受けたものですが、今回の舞台ではどこまでも二人のドラマに収斂されていきます。

主役二人については見た目も歌もよかったですが、もう少しオケが助けてあげてほしいかな、という気持ちもあります。それだけで、もう二回りくらい緊張感の高い、より良い舞台になるのでは、と思う次第です。今日の公演終わって残りは二公演、その仕上がりや如何に。ぜひ各位お確かめくだされ。

*************

なんか「ウェルテルに感情移入できない」という声が聞こえた、的な書き込みをどこかで見たのですが、いやはや時代ですね。彼に感情移入しすぎて自殺しちゃった若者がたくさんいた時代もあったと言いますのに。寄稿した文中では「ドン・カルロス」に触れていますが(初演版なのでもちろん五幕版を指しています)、あれくらいきっちりなれ初めを描かないことに「ちょっと難しいかな」と感じてはいました。彼がわがままに横恋慕したわけではない(それとは知らず、他人の婚約者に恋してしまった、いわばタイミングの問題でしかない)ことが伝わるかどうか、といえばおわかりいただけますでしょうか。そこさえ伝わっていれば、あとはどうにでもなるように思うのですけれど。

では、小説のほうはどうなのか?と読めばヴェルター一人称だから(書簡ですからね)ロッテの心情は明確にはわからない。だからなれ初めは同じでもヴェルターが一人空回っているのかそれとも?という部分は明示されないまま結末に至るのです。あかんこれじゃますますヴェルターくんが嫌われちゃう(笑)。なお、文中に書いたとおり、書簡の体でゲーテの思索や当時の社会批判を入れ込んでありますので、古めかしくはあるけれど読めば面白いですよ、「若きヴェルターの悩み」。

とりあえずご紹介はここまで。ではまた、ごきげんよう。


0 件のコメント:

コメントを投稿