2019年8月3日土曜日

かってに予告篇 〜フェスタサマーミューザKAWASAKI2019 Day8

早いもので、あの衝撃の”カウントダウン”から、もう一週間が経つのだ。それでもフェスタはまだ半ば、これからも次々と注目の公演が登場する。

この日は2つの公演が開催されるが、ここは時系列で開演が早い方から紹介しよう。残念な事に、両方の公演を聴くことは時間的に不可能なのだ、たとえ小田急線登戸駅にあるあのドアを使えたとしても。

(これが本物なら鉄道は無意味化するよね、なんてツッコミは禁止です)

●出張サマーミューザ@しんゆり 東京交響楽団

2019年8月3日(土) 15:00開演
会場:テアトロ・ジーリオ・ショウワ

指揮:秋山和慶(東京交響楽団 桂冠指揮者)
ヴァイオリン:戸田弥生
管弦楽:東京交響楽団

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64
ブラームス:交響曲第一番 ハ短調 Op.68

まず15時に開演するのは出張サマーミューザとして、新百合ヶ丘のテアトロジーリオ・ショウワで開催されるコンサートだ。秋山和慶指揮する東京交響楽団という盤石の顔合せ、そしてウェーバーの序曲、メンデルスゾーンの協奏曲、ブラームスの交響曲と続く名曲だけで編まれたプログラム、独奏は戸田弥生とここまで揃うなら好演となることまではあらかじめ約束されたようなものだ。

この面々、この曲目を見て(なんだ名曲プロか)と低く見るのはあまりに惜しい。私は幸いなことに今年に入ってから秋山と東京交響楽団の演奏を二回聴いているが、以前よりもサウンドも造形も進化している感があった。若き日からどんな難曲でも振れて、どのオーケストラからでも充実したサウンドを導いてきた秋山が、昨今東響と聴かせる音楽には凄みすら感じているのだ。ミューザ川崎シンフォニーホールよりかなり小ぶりなテアトロ・ジーリオ・ショウワは、馬蹄形の客席でステージを近く感じられるのでよりその力を感じ取れるはずだ。
特にもミューザにはちょっと遠くてなかなか行けない川崎市西部の、また町田や多摩地域の皆さま、折角の機会を逃されませぬよう(地域限定公演ではありません)。

●NHK交響楽団

2019年8月3日(土) 16:00開演
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール

指揮:原田慶太楼
ピアノ:反田恭平
管弦楽:NHK交響楽団

ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から だったん人の踊り
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
ブラームス:ハンガリー舞曲集から 第一番、第五番、第六番
エルガー:行進曲「威風堂々」 第一番

そして一時間遅れてミューザ川崎シンフォニーホールでは、NHK交響楽団の演奏会が開演する。原田慶太楼を指揮に迎えて、サマーミューザ全体の中でも一番軽やかなプログラムを披露するのが堂々たるN響、というコントラストはもはやある種のお決まり感がある。
とはいえ、今年は恒例と思われた大河ドラマのテーマ曲はなく※、クラシック音楽による世界旅行の趣あるプログラムは決して楽に演奏できる類ではないし、充実した演奏を期待していいだろう。なお、この旅行ルートはイタリア(ヴェルディ)から大西洋を渡ってアメリカ(ガーシュウィン)、またユーラシア大陸に戻ってロシア(ボロディン)そしてフランス(ラヴェル)、中央ヨーロッパ(ブラームスだけれどハンガリーなのでこのくくり)、そして最後にドーバー海峡を渡ってイギリス(エルガー)で終わる。よかった、このプログラムでは「合意なき離脱」は行われなかったようで何よりである(おい)。

※昨年も演奏されていないことにあえて目をつぶって言及する。今年の大河ドラマのテーマ曲、あんなに楽しげなのに実はオーケストラ単体だけでは演奏もできない、超がつく巨大編成の作品であることは、知っている人は知っている。もちろん私も知っている。…だがなあ、「いだてん」のテーマ、聴いてみたかったなあ…

そしてこの公演ではガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」のソリストとして、反田恭平が登場する。先月には自身のレーベル設立を発表、MLMナショナル管弦楽団のコンサートを大成功させてますます注目を集めている彼の演奏は注目だ…けれど、残念ながら早々にチケットは完売していたし、当日券販売も残念ながらないとのことだ(更に申し上げるなら、その翌日のN響ほっとコンサートも完売だそうです)。

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