2019年8月2日金曜日

かってに予告篇 〜フェスタサマーミューザKAWASAKI2019 Day7

●PMFオーケストラ

2019年8月2日(金) 19:00開演

指揮:ワレリー・ゲルギエフ
フルート:マトヴェィ・デョーミン
管弦楽:PMFオーケストラ

ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
イベール:フルート協奏曲
ショスタコーヴィチ:交響曲第四番 ハ短調 Op.43

1990年、バーンスタインが創設したあの時から歩み続けて現在まで開催を重ねて今年が30回目だったPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル)。数多くのプロとして活躍する音楽家たちが「未来の同僚」を育てるアウトリーチ型の音楽祭も今ではすっかりおなじみになった。教育の成果として披露されるコンサートもより高度化し、今年はついにマーラーの交響曲第八番を演奏するほどになったという。札幌までうかがえない自分の足りなさ(いろいろと)が悔やまれるばかりである。



そのフェスティヴァルの集大成としてのオーケストラコンサート、その最終公演が今年はフェスタサマーミューザで行われる。指揮は2015年から芸術監督を務めるワレリー・ゲルギエフ、独奏は先日行われたばかりの第16回チャイコフスキー国際音楽コンクールで新設された木管部門最初の優勝者、マトヴェィ・デョーミンだ。
デョーミンのキャリアを見れば、グスタフ・マーラー・ユーゲント管弦楽団やシュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭管でも活躍したというから、ある意味PMFで学んだ若き音楽家たちの少し”先輩”に当たるのだろう。オーケストラはチューリヒ・トーンハレ管で副首席として活躍している彼に刺激されて、デョーミンはそんな後輩たちの視線に刺激されて、今しかできない演奏を聴かせてくれるのではないだろうか。



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若者たちの音楽は、一回ごとの演奏経験で大きく変わっていくだろう。それだけ若者たちがこのイヴェントで見せる成長は大きい、ということを、それこそ最初のPMFのドキュメンタリで教えられたことを、私は一度も忘れたことがない。
そんな彼ら彼女らを導くゲルギエフはショスタコーヴィチの全集録音済みマエストロなのだから、第四番だからと構えて臨むこともない、かもしれない。いや、今回の場合はまだプロフェッショナルになる手前の若手との演奏だから、果たしてどのように仕上がるものかは聴いてみるまでわからない、かもしれない。

そんなわけで、今回のサマーミューザの舞台は札幌や東京での評判すら予想の材料にはならない。なにせ今年のPMFの最後を飾る、そして札幌と川崎のお祭りがクロスオーヴァーする一夜の舞台なのだ、そこでどれだけの演奏が繰り広げられるものか、いくら期待したっていいだろう。若者たちとの大舞台、ぜひ見届けようではないか。

※なお、この日演奏されるショスタコーヴィチの交響曲第四番については、つい最近いろいろと書いたばかりなので興味がある方はリンク先をご覧ください。

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