2012年9月24日月曜日

ようやく生誕150年が祝えます(笑)

こんにちは。千葉です。

先日、ドビュッシー展を見てきたんですよ。正式なタイトルは「ドビュッシー 、音楽と美術 ―印象派と象徴派のあいだで」、詳しくはリンク先をご覧あれ。会期も押し迫ってようやく、という感じではあるけれど見られてよかったです。

そうですね、少し詳しい感想はまた後日。その前に一個だけ。「ドビュッシーはアンチ=ワーグナー」(大意)という説明はそれでいいんだけど、音楽的には影響を十分に受けてるんじゃないかなあ。先行者の手法を意識的に回避しまくる、というのは先行者の影響をある意味では一番受けていると思うのだけれど。などなど、ところどころの解説文が過剰にドビュッシーの独創を強調しすぎていたように思いまして、いささか引っかかるものがあるのでした。でも一見の価値は間違いなくありました。
簡単に絵画作品についてふたつ。まず、カンディンスキーはあれしかなかったのかなあ…と、彼の作品が好きな千葉は残念でした。かなり自己模倣に入ってしまった時期のコンポジションを、他の画家の充実した作品に並べられるのは少し不憫でありますです。もうひとつ、常設展の中にあった岡鹿之助さんの作品がよかったです。一見でお名前を覚えちゃうほどには気に入りました。

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それはさておき。あす、コンサートに行く事になりまして。タイムリィにもドビュッシー・プログラム。以下その公演概要です。


◆デジュー・ラーンキ&エディト・クルコン ピアノ・デュオ・リサイタル
~ドビュッシー生誕150年スペシャル・プログラム~


2012年9月25日(火) 19:00開演

会場:Hakuju Hall


出演:

ピアノ:デジュー・ラーンキ、エディト・クルコン

曲目:

ドビュッシー:
  牧神の午後への前奏曲 〈四手〉
  六つの古代碑銘 〈四手〉
  小組曲 〈四手〉
  白と黒で 〈二台〉
  リンダラハ 〈二台〉
  夜想曲 〈二台〉

全席指定 6,000円

これで四手または二台ピアノ用の編曲作品(「さまよえるオランダ人」序曲とかね!)が入っていたら完璧の上を行くだろう、というくらい充実したピアニスト二人によるドビュッシー・プログラム。これでようやく生誕150年が祝えます、本当に。録音を聴くだけだと盛り上がりに欠けますからね!(目が真剣)

デジュー・ラーンキはいわゆるハンガリー三羽烏の一人。もう言いませんね、あはははは…

年を感じて疲れてる場合じゃありません(笑)。バルトークを好んで聴いていれば、言語的な音楽の扱いをしたフシのある彼の音楽を、その言語を使える人の演奏で聴いておきたくなるものです。であれば千葉の手元にももちろんあるわけですよ、アダムとイヴァンのフィッシャー兄弟によるオーケストラものや、シフ、コチシュのピアノ録音が。でもねえ、ラーンキは驚くほど録音が少ないんですよね。キャリアの初期にDENONに何枚か録音しているほかは調べてみたけど見当たらない。結果これまで馴染みのなかったピアニストですから、あすはようやくお目もじ叶う、といったところであります。なお、エディト・クルコンは奥方でいらっしゃるとか。なるほど。

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ちょっと余談なんですけど、最近考えていたことが明日コンサートを聴いたらまとまるかも、という予感があるので今のうちに書いておきます。

千葉はけっこうピアノ音楽が苦手なんです。幼少のみぎりに習う機会がなかったゆえの劣等感もある、これまではそのせいだと思って来ました。でも最近考えてるんです、それ以上に録音だとピアノのポテンシャルを拾いきれてないから、録音からではピアニストの表現を細部まで感じ取れていないから、聴いていても面白くないように感じたり、飽きてしまったりするのではないかな、と。

幸運にもこれまでポリーニやエマール、グリモーにラン・ランほか他多くの本物のピアニストを聴く機会がありました。彼ら彼女らの演奏はほんとうに面白い、こんな面白い曲があるのかと思って家で聞いてみるとそれほどでもない…そんな経験もまた、コンサートを聴いた回数に近い数だけ経験してしまっています。特にピアノ・リサイタルのあとに「もしかしてショパンって面白いのね!」「リスト、いい!!」と思ったあとには、ほぼ確実にこんなちょっとしたガッカリ感を味わって来ました。だから、というのは言い訳なんだけど(笑)、ピアノ音楽には疎いままなんです千葉は。

なのですが、最近になって「ピアノのダイナミック・レンジってもっと広いよねえ」「パソコンのキーボードじゃあるまいし、タッチだってこんなに均一なわけないじゃんねえ」などなど、ようやく過去の経験がフィードバックできてきたような、そんな気がしているのです。ピアノを演奏される方ならすぐにもわかるようなことを、こんなに時間をかけてわかったような気になるのだからなんともはや、独学の偏りというのは救いがたい部分があるものです…いや、それ以前にこの認識が間違いかもしれませんが(笑)。


ともあれ、そんな小理屈抜きで、あの内装が独特な白寿ホールに満ちるだろうドビュッシーの音を楽しんできます。いい演奏会になりますように。ではまた。

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