2012年4月6日金曜日

大阪市音楽団を応援させていただきます

こんにちは。千葉です。

前置きなし、本題です。今日は朝から不機嫌でした。それもこれも、こんなニュースを知ってしまえば、もう…

橋下市長、大阪市音楽団員36人配転認めず「分限免職」(読売新聞)

ああもう、こっちのブログではこういう話をしないでおこうと思っていたのに。このどうしようもない施策を前にはそんなマイルールなど出番ではないのです。大阪市音楽団が不要、解散の方向で検討を進めてきてさらに「市職員」の身分で活動してきた楽団員を一般職などに転換することもなく「分限免職」、要するに馘首する、というお話ですよね、これ。
「今まで音楽をやっていた人を単純に事務職に配置転換するのは、これからの時代、通用しない。仕事がないなら、分限(免職)だ」(記事より引用)ってことは、このニュースから感じてしまう悪意を汲み取って換言するならば「音楽やるってことで雇ったんだから、その仕事をなくすのでクビ。理由は他に使い道もないので」ってこと、ですか?えっと、なんでしょうかこの非情なコストカッター風の振舞い。そんなに最初にナタを振るわれなければいけないほどに、大阪市の財政を厳しくしている一番の理由は文化事業なんですか?


確か、以前見た大阪市音楽団の運営にかかるコスト云々の記事で四億円どうこうの話があったかと記憶しています。36人の楽員に事務職などの人件費、そして演奏会運用などにかかるもろもろのコスト、「市の文化活動」としての活動でのコストなどひっくるめて四億くらいなのであれば、使い方次第で取り戻せるんじゃないですか?とか(自分がそのお金を自由に動かせるセレブリティでないのが、ほんとうに残念)。
公務員待遇でプロの吹奏楽団を持っているところは他にない、というのならそれをセールスすればいいじゃない、文楽もそうだけれど市の特色をアピールするのも市長様の仕事じゃないのかい?国政への色気の部分じゃなくて、そういうところで東国原氏を見習ったら?とか。
そもそも演奏を聴いて評価できるのかい、その廃止を判断したプロジェクトチーム。東京佼成ウィンドオーケストラと並ぶプロの吹奏楽団※、もしかしてセレモニーのためだけに持っているつもりなの?
楽団の在り方を変えていくことでメリットを産む方向に行くのではなく、とにかく削ってなくしてしまうことが「大阪市の財政」を改善するための最善手だという短絡は何故?


怒りに任せていろいろと書いてしまいます、だって大正12年(1923年)に発足した、日本最古のプロの吹奏楽団ですよ?詳しくは大阪市音楽団のサイトを見ていただくとして。
その成り立ちから考えて、市民から不要だ、という声が上がって退場させられるのであればそれは受け容れざるを得ないのでしょう、有能なアンサンブルが失われることは残念に過ぎるけれど。しかしながら、今回のようにオーナーである行政が、使用者の馘首でひとつの歴史ある文化団体を消滅させようというやり方は到底理解できないし、受け容れられるわけもない。それだけでも怒りを感じるのに、なんですかこの「使えない奴はいらない」みたいな言われよう。ああああもう、使わなくなったソフトをアンインストールでもするかのような気軽な馘首予告、理解できない。その上捨て台詞まで投げられる、なんですかこれ。繰り返しますけれど大阪市の財政を危機に陥れたのは文化事業で、特にも音楽団の楽員や事務局なんですか?彼らを排除すれば健全財政になるんですか?何か目くらましに使われてるみたいで非常に不快です。安易で方針の不明瞭なコストカットによる財政健全化の考え方、そのものがどうかしてますよ、これ。

と、ひとしきり抑えられない憤りを書かせていただきました、興味のない方には申し訳なく。しかしながら、こういう文化は不要不急、行政がやることじゃないよね、みたいな安易な物言いで「コストカットごっこ」する紅衛兵かクメール・ルージュみたいなポピュリスト、これから増えかねませんので今のうちに申し上げておきたかったのです。かつての都響のように、以前よりいい形で活動できるようになっていけばいいのですが…(府での実績(苦)があるのであまりにも期待できない)

こういうときだから支援できる方法、何かないかと思いまして、ささやかではありますが今日からまずTwitterのアイコンを彼らのディスクのものに変えました。これです。




Twitterでも書いたのですが、舞楽の面だとちょっと「V for Vendetta」っぽくて面白いかも、などと思ってしまいました(笑)。象徴となる人物がガイ・フォークスならねば誰がいいんでしょうね…
他にも、団は現在ふるさと納税による支援など募っているとのことですから、よろしければ音楽団のサイトを御覧くださいませ

************

はあ、少しだけ冗談が出せる位に落ち着いたところでひとまずおしまい。


なお、最後に一つだけ、ここをご覧になってしまった大阪の皆さんへお願いを。この件について言及する大阪市外の吹奏楽愛好家を「市民でもないくせに!」なんて頭ごなしに拒まないでいただけたら幸いです。もちろん、千葉へのご批判は甘受します。

千葉個人は、プロの演奏団体として尊敬を持って大阪市音楽団の演奏を聴いていますので、それが簡単に無くしてもいいものとして扱われることが、一吹奏楽愛好家として本当に悲しいのです。尊敬する音楽家が不要物のように扱われている現状が情けなく、憤ろしいのです。大阪市音楽団は、実演を聴く機会の持てていない*、ゆかりのない東北出身者でさえそう感じるほどの団体なのですから、おそらく地元大阪には彼ら彼女らの地道な活動に恩を感じていたり演奏に感銘を受けた人は決して少なくないと思うのです。もちろん録音や放送などで千葉同様に、より強く尊敬を感じている人たちもいらっしゃるでしょう。
よろしければそういう声も拾い上げて、より良い形を探ってはいただけませんか?今のまま、ただ音楽団を切り捨ててしまったのではいささかのコスト削減だけしか得られるものはなく、団が集めてきた好意や尊敬はただ失われるのみ、なのですから。

ぜひ、建設的なご一考をお願いさせていただきます。もし千葉へのご意見等ございましたら、ブログのコメントなどでの対話をさせていただけましたら幸いです(Twitterでの議論は持論というか意見のぶつけ合いに、あたかもプロレスのマイク・パフォーマンスのようになりがちですので予めお断りします)。


※東西を代表するプロフェッショナルの、間違いなく日本屈指の吹奏楽団が、どちらもこのような特殊な在り方をしている事実については、いささか考えるべき余地があるように思いますがここでは検討しません。金銭に換算しがたい価値についての相応の検討が必要になると思われますので。

*追記。
大阪市音楽団の東京公演、あまり記憶にないなあ…と思って調べてみました。実は2010年に、「宮川彬良&大阪市音楽Dahhhhn!」として公演を行なっていたそうです。それがなんと14年ぶりだったとか。詳しくはリンク先でご確認ください(pdfファイルが開きます)。千葉がコンサート情報に一番詳しかったのは2002年から2007年くらいまでの時期ですので、知らないわけであります。
もし今後、存続のためにいろいろと活動されるのでしたら、ぜひまた首都圏へも来演いただければと期待します。吹奏楽オリジナル作品での活動、録音等を見るかぎりでは日本で一番の取り組みをされている音楽団、聴いてみたいものです。

*もういっちょ追記。当ブログの本館に、少し違う方向からこの件について書いています。どちらも真意のつもりです、いろいろな側面から考えられるべき問題ではないかと。よろしければご一読くださいませ。

0 件のコメント:

コメントを投稿