2017年1月20日金曜日

書きました:飯盛範親&東京交響楽団のロシア・ソヴィエトプログラム

こんにちは。千葉です。

寄稿した記事のご紹介です。


リムスキー=コルサコフの「シェエラザード」を前半に置いたプログラムは珍しい、こんな演奏効果が高くて大きい曲をはじめに演奏してしまって後半どうするの?というポイントからプログラムを読み解きましたよ。私の答えは「後半はより編成が大きくて、かつ劇的な作品にしちゃいましょう」という、ド直球勝負、というものであります。その前後半をつなぐ糸としての”物語”、という趣向ではないのか、と。

「シェエラザード」はいろいろなアプローチが考えられるでしょう、それこそ物語を想定した語り物から”管弦楽法見本市”まで。オーケストラの技量、そして指揮者の語りの技が示されることでしょう。一昔前は定番としてロストロポーヴィチとパリ管弦楽団の演奏が挙げられていましたけど、私が好きなのはキリル・コンドラシンとコンセルトヘボウ管の録音ですね。一択(言ってることが違うぞ)。

対して「アレクサンドル・ネフスキー」、これはまた独特な作品なのでどうなる、とは申し上げにくい。「シェエラザード」とは違った意味で。もともとエイゼンシュテインの映画のために書かれた音楽を独立した作品として編み直したこの曲はその素性からもまだ演奏頻度は高くない。大編成管弦楽に加えてロシア語の独唱、合唱と声楽つきですから、録音も少なく実演ともなればさらに希少。ちなみにカレル・アンチェルの録音は素晴らしいですよ。




ちなみにこういう映画です。1938年のパブリックドメインであります。ちなみにカンタータは映画の半分ほどの演奏時間ですので、ご安心ください。

映画の話はさておいて、記事にも書きましたとおりの面々で演奏される今回の貴重な公演は果たしてどうなりますか、乞うご期待。といったところでしょう。
この公演の前に、東京交響楽団は桂冠指揮者・秋山和慶との定期演奏会を開催し、その後この総力戦に挑みます。その間にも新国立劇場「カルメン」のリハーサルが進むかと思えば、頭が下がるばかりです。それらのコンサート、オペラについての詳しい公演情報、チケットの入手はこちらでご確認くださいませ>東京交響楽団 公式サイト

なお、この記事そのものは雑誌「ぶらあぼ」に掲載されておりますので、よろしければそちらもお手にとってご覧くださいませ。

ということで、これはB面というより紙面に合わせて削った雑念の供養みたいですね、これ。プログラムを見ると何かを考えてしまう人の妄念におつきあいいただきありがとうございました(笑)、ということでこの記事はおしまい。ではまた。

※現在、東京交響楽団の公演情報ページで関谷浩至氏によるエッセイ「プロコフィエフとエイゼンシテイン」 が公開されています。映画と併せてぜひご覧くださいませ、そしてぜひオペラシティで聴いてくださいね。
※所属事務所の新年会Tweetより公演前日の飯森範親氏。好演を期待します。


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